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無垢の人質 第11章 (1) 

「無垢の人質」 第11章 Innocent Pawn Ch. 11 by wishfulthinking




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これまでのあらすじ

イサベラはレオンに拉致され、強引に身体を奪われる。レオンは父を殺したイサベラの父アランへの復讐として、彼女に自分の子を孕ませるため拉致したのだ。だが、やがて二人に愛が芽生え、イサベラは妊娠する。そんなある日二人は襲われ、イサベラは父の城へと連れ戻される。そこにはレオンに追放されたマリイもいた。レオンは忍び込みイサベラと愛し合うが、そこにアランが現れ、イサベラは咄嗟の勢いで殺す。レオンとイサベラはレオンの居城に戻った。レオンはイサベラが妊娠していたことを知っていた。イサベラとレオンはぎこちない関係になるも、ある夜イサベラ自らがレオンを拘束し彼の身体を奪い、二人は新鮮な興奮に喜ぶのだった。しかし、突然、イサベラは何者かに襲われる。襲ったのは死んだはずのイサベラの父親アランだった。アランはレオンとイサベラを政略的に結婚させ、その後レオンを殺し、合法的に領地を奪う策略を持っていた。ふたりの挙式が行われる。が、なぜかアランはレオンを解放した。再会したレオンとイサベラは愛を確かめ合う。


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シーツの中、横寝になりながら、イサベラはゆっくりと目を開いた。陽が山稜から顔を出したばかりで、まだ薄暗かった。レオンは彼女に背を向けて立っていた。薄褐色のズボンの上、チュニック(参考)を羽織っているところだった。

「行かないで…」 イサベラは小さな声で嘆願した。「あの人に殺されてしまう…」と、彼女は片手でシーツを掴み胸を隠しながら、片肘を突いて身体を起こした。

「イサベラ、これについては俺に訊かないでくれ。俺の部下と一緒に、お前の父親を見つけ出し、お前の不安を取り除くつもりなのだから」

「不安じゃないの、レオン。確信なのよ! 父はあなたを殺すつもり。そして私を…」

「あいつが再び城に忍び込んで、俺の大切な人を奪おうとするのを、待っているわけにはいかないんだ。だから、そんなことを言わないでくれ」

彼の口調は静かだったが、その言葉には怒りと苦痛がこもっていた。

イサベラは涙で瞳を濡らしながら、シーツで身体を隠したまま、ベッドから起き上がった。当初、レオンと彼の部下たちは探索に出ても、日帰りしていた。だが、最近は、一度に3日から5日に渡るようになっていた。

「どうか気をつけて…」

レオンは振り向き、イサベラの瞳を見つめた。そして彼女に寄り添った。彼の力強く大きな体躯と並ぶと、イサベラはまるで小人のように見える。

レオンは手のひらで彼女の膨らんだお腹を優しく撫でた。

「お前とこの子が完全に安全だと分かるまで、俺は気が休まることがないのだよ」と、レオンは頭を下げ、イサベラの頬に軽く唇を寄せた。そして、名残を振り切るように顔を上げ、ドアへと向かった。「信頼のおける部下を部屋の前に配置しておく。何か必要なことがあったら、呼ぶとよい」

「レオン、待って!」

レオンは、イサベラの声に切羽詰まった雰囲気を感じ、振り向いた。そして、彼女の足元にシーツが落ちているのを見た。

夜明けの光の中、ミルク色の柔らかそうな白肌が輝いて見えた。ピンク色の乳首はツンと尖り、吸ってとねだっているようだった。官能的に乱れた長髪が両肩にかかり、優しく撫でてと訴えているように見える。

その姿から目を反らすことができず、レオンは「小悪魔め」と呟いた。あの初めてイサベラを見た時から、あの、服を汚し、恐れおののいていた姿を見た時から、彼の心の一部は彼女に囚われていたと言ってよい。

「私の手を縛ってもいいわ」 とイサベラは両手を突き出し、かすれ声で言った。「それとも、前にしてくれたように、私をベッドに縛り付けてもいいのよ」

イサベラは後ろを向き、ベッドへ歩いた。長い髪のカールした毛先が揺れて、柔らかそうな彼女の尻頬を撫でた。イサベラは片膝をベッドに乗せ、肩越しに振り向いて、レオンを見つめた。「…それとも私があなたをベッドに縛り付ける?」

「イサベラ……」 レオンはうめき声を上げた。

イサベラは四つん這いで、ベッドの中央まで這い、それから前に向き直った。四つん這いのまま…。両腕の間、乳房が垂れて揺れている。レオンは彼女の姿に固唾を飲んだ。

イサベラは、恥ずかしそうに伏せ目がちになって言った。「レオン…。あなたを味わいたいの。お口に欲しいの……」


[2013/08/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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