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Drawer 引き出し (7) 

「これ、気に入った?」

ようやくマリアは言葉を発した。ベンに向かって。ベンは返事をしなかった。ただ、じっと見つめているだけ。すると、マリアはアルバムをパタンと閉じ、コーヒーテーブルの上に置いた。そして立ち上がり、そのテーブルの上に腰を降ろした。私たちに対面する形だ。

「これ、1回しか言わないから、よく聞いてね」

マリアはまだベンに向かって言っている。彼女は少し間をおいて続きを言った。

「着ているシャツを脱ぎなさい」

私は、心臓が喉から飛び出そうに感じながら、2人を見ていた。ベンはマリアをまっすぐに見ている。だけど、依然として何も言わなかった。沈黙が流れる。

「ベン? これはあなたにとってよい機会なの」

さらに何秒か時間が流れた。すると、おもむろに彼の手が挙がり、シャツに指をかけ、ボタンをはずし始めた。マリアが何かするつもりだと言っていたのは知っている。だが、それでも、こんなことが本当に起きていることに私はショックを受けていた。マリアはにこりともせず、真顔のままだった。ベンはシャツを脱ぎ、Tシャツ姿になって座っていた。マリアは立ち上がり、コーヒーテーブルを脇によけ、そしてソファに戻ってきた。

「オーケー。立ち上がりなさい」

ベンは立ち上がった。

「私たちの前に」

マリアは私の隣に座っていた。その私たちの前に彼が立つ。

「もう60センチくらい後ろに下がって・・・・オーケー。今度は、そのTシャツ!」

彼がTシャツを脱ぐのを見ていた。

「ズボンを脱いで、足元へ・・・今度は下着・・・床に座って、靴とソックスを脱ぎなさい・・・ズボンと下着を脇によけて、もう一度、立ち上がる」

彼のが少し固くなっていた。私はただ見ているだけ。ベンは、すっかり裸になって私たちの前に立っていた。

マリアは体をひねり、カウチの横にある引き出しに手を伸ばし、中から何かを取り出した。目隠しと首輪と手錠。マリアは立ち上がり、彼の前に立った。彼の首に首輪をつける。それから彼の後ろに回って、両手を後ろに持ってくるように命じた。手錠をつける金属音が聞こえた。それからマリアはまた前に戻ってきて、彼の前に立った。

「女王様と言いなさい・・・言うの!」

「・・・女王様」

マリアがアルバムを持ってきてからベンが言葉を発したのはこれが最初だった。

「これからは、私に同意するときは必ず、『はい、女王様』と言いなさい。言ってごらん!」

「はい、女王様」

「お前はグレイスの奴隷だ。『はい、女王様』と言いなさい」

「はい、女王様」

「グレイスに鞭で叩いてもらいなさい」

「はい、女王様」

「グレイスが言うことはすべてきく」

「はい、女王様」

「どんなことでも」

「はい、女王様」

マリアはいったん休止し、ベンに目隠しをした。

「それに私が言うことに対しても、どんなことでもする」

「はい、女王様」

「さらに、すべての女が言うことに対しても!」

「はい、女王様」

「女たちがお前に何をすべきか命じる。お前はそれに従うこと」

「はい、女王様」

「で、お前は女たちのために何をするのだ?」

「あぁ・・・」

「返事は『どんなことでも』だ」

「どんなことでも・・・女王様」

「ある女が、お前に、お前がしたくないことをするように命じたとしよう。お前は、それでもするか?」

「はい、女王様」

「どんなことでも?」

「はい、女王様」

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