7年目アンドリューの話し友人のジェイクが電話をよこした。多分、テニスの予定を変更したいとか、そういう話しだろうと思った。だが、違った! あいつは妙なニュースを得て、それでもって僕を苦しめようと思ったようなのだ。
「おい、アンドリュー! お前は俺のヒーローだぜ! 俺はお前は女の尻に敷かれっぱなしで、たまにテニス・ボールを打つのだけが楽しみのつまんねえ男だと思っていたが、今は違うぞ、お前は女たちに神が授けた贈り物なんだってなあ」
今頃、何だ? 僕は充分に困っていないとでも?
「オーケー、ジェイク。どんなニュースだ。何が起きたって?」
ジェイクは気取った調子で答えた。
「で? アンドリュー。プレーボーイの最新号、買ったか?」
プレーボーイ? まったく何てことだ!
「僕があの雑誌を家に持ちこんだら、妻たちがカンカンに怒るのは知ってるだろ? 確かに、僕は尻に敷かれているよ。大きな声で言ってもいい。言ってくれ、プレーボーイに何が載ってるんだ? もう充分に惨めな人生になってるのに、さらに追い打ちをかけるような記事だろうけど…」
「お前の奥さんたち、これは一度見ておきたいと言うと思うけどなあ。今月のプレーメイトが表紙に載ってるんだ」
あーあ、何となく嫌な予感がする。
「プレーメイト? 複数形で?」
ジェイクはしてやったりと思ってるだろう。
「ああ、双子のプレーメイトだ。おお、これこれ。綺麗だし、若いし…。お前、この野郎! 中の記事のタイトルは、『デス・バイ・ファッキング:創始者に孕ませられちゃった』ときたもんだ!」
僕は返事をしようとしたが、まともな言葉が出てこなかった。そういうニュースに対して何と言ったらよいのか。
「ジェイク、今日の午後のテニスは予定通りなのか?」
「もちろん。お前が女たちといちゃつく合間の時間があるならな。このスケベ野郎!」
「おいおい、やめてくれよ、ジェイク! その忌々しい雑誌を持って来てくれるか? 妻たちには僕から話した方が良いと思うんだ。妻たちがクラブの会合とかでどこかのお喋り女から話しを聞くようなことは避けたいから。それで、その双子って誰なんだ? 美人なのか?」
ジェイクは電話の向こうで大笑いしていた。「おい、お前なあ。もし俺がこの娘たちとヤッテたら、この娘たちの顔は永遠に脳に焼きつけられると思うぜ。なのに、お前はどの女なのかも忘れてる。俺、どんな間違いをしてるんだ? 教えてくれよ。どうしたらお前のように釣りができるんだ?」
僕は真面目な声になった。「ジェイク。試してみるか? もし、お前がこのIAMの双子たちのうちの一人でも妊娠させられたら、お前の身体が許す限り、いくらでもさせてやると誓うよ。全員、持っていけ! ただ僕の妻たちはダメだよ。それはお願いだから」