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デス・バイ・ファッキング 第16章 (10) 

ヘレンの話し

私は、この「創始者」の妻たちであるふたりの女性がどんな反応をするか、予想していた。傷ついたり、怒ったり、パニックになったり、泣きだしたり。まあ、少なくとも、恥ずかしさは感じるだろうと。その反応を期待していた。記事の内容は、女性の視点からのものになるだろうと。ゴージャスな双子のプレイメイトに夫を寝取られるというのはどんな感じか、とか。

だけど、この驚くほどジョアン・ウッドワードに似た双子たちは、いきなり笑いだしたのだった。大笑いで、ふたりとも互いの肩にもたれあって、笑いすぎて涙まで流していたのだった。

ふたりがようやく落ち着くと、(ふたりは、まるで同じ鞘に入った2つの豆みたいに似ているので、どっちが誰だか私には分からないけど)片方が私に質問してきた。

「その記事、見せてくれる?」

ほんと私は間抜けだった。「それが持ってきてないの。ごめんなさい。すっかり頭から抜けおちてしまって。その記事は、今月のプレイメイトが語ったものなのは確かです。双子のプレイメイト」

すると彼女たちはにっこり微笑んだ。そのふたりの顔を見て、突然、彼女たちがものすごい美人であることに気がついた。まるでスイッチが入ったかのように、ふたりとも瞳がキラキラっと輝いている。正直言うと、彼女たち、あっちの方面を試してみようと思ったことないかなあと思った。私はと言うと、実はバイセクシュアル。確かに男性の方が好きだけど、これぞと言える女性が現れたら、私は簡単に餌食になれる。もっとも、これまで女性二人を相手したことはなかったけれど……。ふたりの前にいるだけで、あそこが濡れてきてるのを感じた。

玄関のベルが鳴って、双子のひとりがドアに出た。彼女の声が聞こえた。

「ジェイク! ようこそ。あら? 何を小脇に抱えてるの?」

その男性の姿はここからは見えなかったけど、彼の声は聞こえた。

「あっ、こ、これは何でもないよ。ちょっとアンドリューに見せると約束したものなんだ。君たちには興味がないものなのは確かだよ」

玄関に出迎えた彼女が彼をリビングルームに連れてきた。とても魅力的な男性だった。背が高くて、引き締まった体。髪は黒っぽくて、瞳も黒っぽい。実際、彼は、あの「創始者」ほどハンサムではないにしても、とても似てると言えた。でも、この人、何か気まずいことがありそう。私の目にはありありとしていた。

彼が入ってくると、もう一人の彼女が立ちあがった。

「ヘレン・ギャモンさん? こちらはジェイク・ランドルフ。ジェイクは地元の郡検事なの。彼は、バロック郡のテニス・チャンピオンを決定するために、毎週、私たちのところに試合に来てるの。いまのところ、まだ決定的な勝者は決まっていないんだけどね」

このジェイクって人、私のこと興味深そうにじろじろ見ていた。

「ああ、ディ・ディ? ちょっと後回しになってもいいかなあ? アンドリューはテニスをする時間があるの?」

この町の人はみんな、アンドリュー・アドキンズのIAMのための「お仕事」について知ってるの? ともあれ、この検事は私がアンドリューにお相手してもらうために来たと思いこんでいるようだった。

「あの…、私はコスモポリタン誌の記者なのです、ディアドラとドナにインタビューをしに来たのです。ですので、どうぞ、テニスの試合はご自由に」

双子のひとりがまた笑いだしそうな顔になった。

「そうよ、ジェイク。彼女は私たちに会いに来たの。信じてね。でも、あなたが脇に抱えてるものは何なの?」

彼が返事する前に、彼女たちが手を伸ばし、それを奪い取った。見たところ、その茶色の袋の中には雑誌が入ってるようだった。彼女たちは袋の中から雑誌を出した。案の定、それは「プレイボーイ」誌の最新号。素っ裸同然のとても美人の双子が表紙を飾っている。そして見出しの文句にはアンドリュー・アドキンズの名前が。


[2013/11/18] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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