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いじめっ子 (3) 


そのさらに二日後、レオは服を新しく買わなければいけないと思った。ウエストは細くなり続け、同時に腰がさらに大きく膨らんでいるように思えたからだ。これまでのズボンでは腰やお尻の部分はきつく、一方ウエストはゆるゆるになっているのである。

だが、店に行ったものの、身体に合うものを見つけることができなかった。がっかりしたレオはネットで注文することにし、家に帰り、パソコンを立ち上げた。

見てみると、身体の寸法を入力するとチョイスが出てきて、そこから好きなものを選ぶことができるサイトがあった。そこでレオは巻き尺を取り出し、ウエストを測った。60センチだった。腰を測ると、91センチもあった。さらに、腕の内側、胸囲、さらに肩幅の寸法を測った(肩幅の計測は難しかったが)。そしてその数値を入力した。

レオはスーツを2着、ジーンズを数本、あと普通のTシャツを2着選び、クレジットカードで支払った。

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二日後、新しい服が送られてきた。早速、喜び勇んで開けた(身体に合わない服を着ることに、すっかりうんざりしていたのである)。不思議なことに、スーツのズボンにはポケットがついてなかったし、ジャケットのボタンも逆の側についていた。レオは肩をすくめ、ともかく試着してみることにした。

無毛のツルツルの脚をズボンに入れ、もう一方の脚も入れる。そして引っぱり上げた。トランクスがズボンの中、捲り上がるのを感じた。レオは、はあーと溜息をつき、ズボンを脱ぎ、そしてトランクスを脱いだ。そして改めて、下半身裸のままズボンを履きなおした。

ぴったりだ。前の頃より太ももとお尻のところがちょっときついものの、他は問題ない。彼はくるりと回って、どんなふうに見えるか確かめた。裾のところが少しひらひらしてる感じがしたが、それはそれでいいかもと彼は思った。

次にシャツを取り上げ、ちょっとボタン締めでてこずったものの何とか着てみた。他のシャツよりちょっときつかったし、裾もちょっと短くてズボンの中に押し込むことができなかった(そもそも、ズボンにはベルトのループもついてなかった)が、着心地はとても良いと感じた。それに着てみた見栄えがいいと思った。職場の女たち、俺に気をつけろよ! と彼は思った。

他の服も同じようにフィットし、やはり同じように彼は満足した。ただ、店に行って、トランクスじゃなくてブリーフを買って来なければと思った。

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翌日の職場は、レオにとって楽しい限りだった。一日中、みんなの視線を集めている気がした。よっぽど俺が素敵に見えてるんだろうと思ったのだった。実際、何か言い訳を見つけ出しては、社内をこれ見よがしに歩き回ったりすらした(彼は気がついてなかったが、腰を振りながら、である)。

店に行ってブリーフを探した。自分のサイズに近い物もあったが、履いてみると、やっぱりズボンの中で捲り上がり、居心地が悪い。そのことを頭の片隅に入れながら、デスクについた。もちろんほとんど仕事らしい仕事はしない。

その日もあっという間に過ぎた。レオは勤務時間が終わるとすぐに帰宅しようとエレベータに乗った。エレベータには男がひとり乗っていた。背の高いハンサムな黒人男だった。レオはなぜか心臓の鼓動が速くなるのを感じた。

幸いなことに、その男は次の階で降りた。エレベータのドアが閉まった時、レオはハアーっと興奮冷めやらぬ様子で息を吐いた。でもどうしてそうなったのか彼には分からなかった。

その夜、彼は飲みには行かなかった。その代わり、ネットでショッピングを楽しんだ。例のブリーフの捲り上がり問題について、結局、彼は解決案を見つけたのだ。ソング・パンティだ。パンティを2つ、そしてスーツももう2着注文した。さらには、そのスーツにマッチする靴も2足ほど買ったのだった。

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翌朝、レオはペニスが小さくなったのを知ってちょっと驚いた。ぼんやりとではあるが、しばらく前から小さくなった気がしていたが、漸進的な変化は気づかれぬままになることが多いものである。かつては勃起したら15センチほどあった。決して巨大というわけではないが、小さいというわけでもない。だが、今は、柔らかい時で5センチ、勃起しても8センチがせいぜいだった。

だが、不思議なことに、それはレオにはあまり気にならなかった。もう何週間も、その気にならなかったし、女性と一緒になる機会もなかったので、どのみち、大きくても役に立たなかったからである。

レオ自身は気づいていなかったが、ペニス以上のもっと大きな変化が起きていた。彼の体形自体が大きく変化していたのである。立った時、背中を少し反らす姿勢になっていた。また、手首もほっそりしていた。さらには、腹部はすっかり平らになり、まったくふくらみがなくなっていたのである。

元々幼い顔立ちではあったが、さらに丸みを帯びた顔立ちになっていた。そもそも、筋肉質な体格ではなかったが、今は、どう見ても女性的な身体にしか見えなくなっていた。

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[2014/01/09] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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