寝室に入った後すぐに、ナイティを脱ぎ、それから苦労しつつもお尻からディルドを抜いた。トレーシーが使った潤滑剤がすっかり乾いていたので、実際、抜くのにはかなり痛みが伴った。抜いてみると、その部分がを埋めるものがなくなった空虚感に驚いたし、アヌスもかなり広がってしまった感覚にも驚いた。もう二度と元には戻らないのではないかと怖くなった。
シャワーを浴び、髪を洗った。トレーシーにつけられた髪のカールをヘア用のアイロンで取り除き、元に戻した。シャワーを浴びた後、鏡の前に立ったが、トレーシーに施された化粧が落ちていないのに気づく。顔を何度か擦り、メイキャップの大半を落とした。その後、最初に与えられた男物のユニフォームに着替え、キッチンへ行った。朝食を取るためだ。
マリアは、フルーツの盛り合わせとコーヒーを僕に渡すと、テーブルを挟んで僕の正面に座った。フォークを取ろうと手を伸ばした時、つけ爪をつけたままだったことに気がついた。爪が光沢のある赤色に塗られたままなのである。マリアは自分のコーヒーをちょっと掻き回した後、僕に言った。
「さっきは笑ってごめんなさいね。恥ずかしい思いをさせるつもりはなかったのよ」
「いえ、構いませんよ。僕は、あのナイティを着ていたわけだし、すごく変に見えていたと思います。
マリアはまたくすくす笑った。
「笑ったのは、あなたが着ていたものじゃなかったの。あなたの様子がおかしくて。突然ヘッドライトを照らされた子鹿のような顔をしていたんですもの。あのナイティについて言えば、あなた、とてもキュートだったわ。毎晩、女の子のナイティを着て寝ているの?」
「そんな、決して。昨日の夜が初めてだったんです。ミス・トレーシーに説得されてしまって」
マリアはまたくすくす笑った。
「ミス・トレーシーは人を説得していろいろなことをさせるのがとても得意なの。あなたが女の子の服を着ているところを私が見たこと、気にしないでね。あなたのような男の子が女の子の服を着るのを好きなのは理解できるから。私の兄もそうなのよ。いつも女物の服を着ている。前に豊胸手術を受けて、今はずっと女として生活しているわ」
僕は、僕とマリアがほとんど知らない間柄であるのを思い、彼女が僕にとてもオープンであることに驚いた。だが、返事をする前に彼女は立ち上がり、言った。
「急いだほうがいいわ。ミス・トレーシーはもうすぐ朝食をお食べになるころと思うから。毎週火曜日はお出かけになるの。今日も同じく、お出かけなるはず」
僕には、2分もあれば朝食を食べるのには充分だった。その後、僕はトレーシーの寝室に朝食を乗せたトレーを持っていった。
部屋に入ると、彼女は、まるで僕を待っていたように、ベッドの中、体を起こしていた。すぐに、彼女のナイトガウンが捲られていて、あそこが露出しているのに気がついた。トレーシーの顔を見ると、何かに怒っているのが分かった。
朝食のトレーを彼女の膝の上に置く。
「おはようございます、ミス・トレーシー。今朝は、どこか調子が悪いところでも?」
トレーシーはちょっと不機嫌そうな声を上げた。
「今朝は、私のガールフレンドが朝食を持ってくると期待していたわ」
ガールフレンドが僕のことを言っているのは分かっていた。
「すみません、ミス・トレーシー。マリアの前でメイド服でいるのを見られてしまうのは、お望みではないのではと思っていたのです」
「でも、マリアも私に雇われているのよ。だから、彼女がどう思おうと私は構わないのよ。だけど、あの服装には恥ずかしさを感じているようね。だったら、恥ずかしく感じなくなるまで、着なくていいわよ。さあ、お風呂とエネマの準備をしてちょうだい。今朝は、あなたは自分でエネマをすること。今しなくてもいいけど、その場合は、私が終わった後でしなさい」
まるで僕を首にすると決めたような口調だった。