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強盗ボーイ (1) 

「強盗ボーイ」 Stick Up Boy by Nikki J
http://omarbelluniverse.blogspot.jp/2011/03/stick-up-boy.html

モーリスは目立たないバンの中から、ドラッグの売人たちの様子を注意深く見つめていた。黒人の若者たちが、後でどうなるか結果も気にせずヤクを売っている(年齢的には、たとえ捕まっても本当の刑務所には行かずに済む年齢だ)。実際、彼らの世界では、捕まる可能性はまったくなかった。警察は、街のこの地域に立ち入ろうとすることなどめったになかったし、入ってきたとしても、ドラッグを扱う地元の帝王たちから賄賂を受け取るためだけなのだ。ここでは法律は完全に無力なのであり、あのガキどもはそれを知っている。

モーリスは監視を続け、間もなく、あのガキどもがカネを隠してる場所を掴んだ。動く時が来た。車を出し、角を曲がった。バンを止め、目立たぬように降りた。防弾チョッキの上に長いトレンチコートを羽織り、銃身の短いショットガンを持った。彼は大きい男ではない。160センチほどだし、体重も60キロ弱。だが、武器の使い方は心得ている。加えて、誰もが、モーリスを怒らせたら、彼は何のためらいもなく銃を使うと知っていた。彼の評判は、持ってるショットガンと同じく、重要な武器となっていた。

角を曲がった。売人たちは、あたりを警戒することすらしてなかった。誰も自分たちに近寄ろうとする者などいないと思いこみ、安心しきっていたのだろう。彼らがモーリスに気づいた時には、すでに売人3人の真後ろに来ていた。すでに遅すぎだ。モーリスはすでにショットガンの銃口を彼らに突き付けていた。

「俺がここに来た理由は分かってるな?」 ガキのひとりが頷いた。「じゃあ、それを渡せ」

金の隠し場所に近いところにいたガキは、躊躇わず、すぐに茶色の紙袋を掴み、モーリスに放り投げた。モーリスは器用に袋をキャッチした。

「ありがとよ」

モーリスは逃げながら声をかけ、角を曲がり、バンに向かった。

*

ジャマルは怒り狂った。

「あの野郎、ぶっ殺す!」

こぶしでテーブルを叩き、周りにいる手下たちをじろりと見た。

「あいつは、もう1年近く、俺たちのカネを盗んできてるんだ。なのに、お前たち、あいつを見つけられねえって言うのか?」

屈強そうな黒人たちのひとりが何か言いかけたが、ジャマルは遮った。

「モーリスを生きたまま俺のところに連れてきたら、誰でも50万ドルやる!」

男たちがいっせいに溜息を漏らした。

「来週中に連れてきたら、もう10万ドル上積みだ。俺の言葉をみんなに広めろ!」

ジャマルはそう言って部屋から出て、ドアをバタンと閉めた。

*

ジャマルの言葉が広まるのに1日かかった。ある暴漢グループがモーリスをジャマルのところに連れてくるまで、もう2日かかった。モーリスはしたたかに殴られていたが、まだ生きていた。顔は膨れ上がり、傷だらけで、立っていることすらままならない様子だ。

連れてきた悪党どもにカネを払った後、ジャマルは手下に命じ、モーリスを地下室に連れてかせ、衣服を剥いで裸にさせた。手下たちは彼を椅子に縛り付け、そのまま暗い地下室に放置した。

モーリスが放置されていた2日後、ようやくジャマルが彼の前に姿を現した。

「モーリス、俺はこの何日か、お前をどうするか考えてきた。やろうと思えばいつでもお前を殺せる。だが、それじゃあ、充分じゃねえんだ。拷問もできるが、俺は、人の爪を剥がしたりするのを見るのは好きじゃねえ…」

ジャマルは半殺し状態の強盗男の周りをぐるぐる回りながら話し続けた。

「…お前にどう償ってもらえるか、ずっと考え続けた。他のやつらに、俺たちに手を出すとどうなるか知らせる方法だ。お前と同じ種類の連中に、どんな類のことをすれば一番効き目があるか? どうすれば、こんなことが二度と起こらないようにできるか?…」

ジャマルはしゃがみ込み、モーリスと同じ目の高さになった。そして手を出し、彼の顔を上向かせ、しっかり視線を合わせた。

「…それで、俺がどうすることにしたか、分かるか? 俺はベッドでふたりの綺麗なエロ女と寝ている時に思いついたことだ。もし、モーリスをメス豚に変えられたら、どうだろうってな。俺に手を出した男は、一生、本物の男たちのためのオンナ男として生きることになると、皆に知らせるのだ…」

ジャマルはモーリスの頭を離した。モーリスはがっくりうなだれた。

「…そこで俺は何本か電話をした。今の時代、どこまで可能になってるか知るためにな。そして、ある男を見つけたんだよ。オマール・ベル博士というやつだ。そいつは、まさに俺が求めてることをする薬を開発したと言ってる。だが、かなりカネもかかるとも言っていた…」

ジャマルはそこで沈黙した。そしてしばらく後、また話しを始めた。

「…分かると思うが、俺は今は億万長者となっている。ああ、本当だよ。この町を仕切って、もう10年になる。ベル博士の要求には、その気になれば、簡単に応じることができる。そいつは、その薬のテストをしたがっていた。何か他のことを計画してるんだろう。だが、そいつの計画なんか俺には関係ねえ。あいつは俺にその薬を売ると言った…」

「というわけで、明日、お前を別の都市に移動する。そして、そこでお前はエロいオンナ男のメス豚として人生を始めるのだ」

そう言ってジャマルは、意識が混濁したままのモーリスを後に、地下室の階段を登り、出て行った。

*

モーリスは不思議な感覚に目を覚ました。…柔らかな毛布? ジャマルから何らかの懲罰を与えられたのはぼんやりと覚えている。それに、どこかに移動されたことも。かなりの時間、窓のないバンの中で揺られていたのを思い出した。

目を開けると、そこはピンクだらけだった。柔らかい毛布はパステルカラーのピンク。ピンクの毛布は、素っ裸のままの彼の、コーヒー色の肌と鋭いコントラストをなしていた。部屋を見回し、まるで10代の娘の部屋のようなところにいるのを知った。壁には、上半身裸のラッパーたちのポスターがたくさん貼られていた。モーリスは両脚を振るようにして、ベッドから降り、立ち上がった。部屋全体もピンクで白の縁取りがされている。ドアを開けてみようと試したが、びくともしなかった。部屋の一角には、大きな全身鏡が立てかけてあった。

奇妙な懲罰だ、とモーリスは思った。しかし、他に何もすることがないので、彼はまたベッドに戻り、眠りに落ちた。

*

それから何時間も経ったか、あるいはたった数分だったかもしれない。時間を知る方法がなかった。ともあれ、ドアのノブが回る音を聞き、彼はすぐさま目を覚ました。

ドアが勢い良く開き、モーリスはそこに飛びかかった。後の祭りだが、これは間違った判断だった。というのも、入ってきた男は、モーリスよりはるかに巨体の男だったからである。体重は100キロはゆうに超え、身長も2メートル近くある、漆黒の肌の筋肉の塊だった。モーリスはまるで子供のように、この男に簡単にあしらわれた。

「今みたいなことはもうなしだぞ、オンナ男」

モーリスは男の腕の中、自由になろうともがいたが無理だった。男はモーリスをベッドへと運び、腰を降ろし、自分の太ももの上にうつ伏せにさせた。そして、彼の尻を叩き始めた。

「良い」 ピシャリ! 「子は」 ピシャリ! 「歯向かわ」 ピシャリ! 「ない!」 ピシャリ!

スパンキングは2分ほど続き、モーリスは目に涙が溢れてくるのを感じた。痛みから来る涙ではなかった。苦痛なら対処できる。その涙は屈辱感からだった。男はスパンキングを終えると、裸のモーリスをベッドに放り投げた。モーリスは泣きながら男を睨みつけ、身体をボールのように丸め、できるだけ小さくなろうとした。

「お前に食い物を持ってきた。そのまま動くなよ」

大男はそう言い、ドアの向こうに消え、そして、サラダとコップ一杯の水を乗せた小さなトレーを持って戻ってきた。

「聞きたいことがあるだろうが、お前に聞く権利はない。お前の主から文書が来てる。それを読むが、お前はそれに従わなければならない」 と大男は1枚の紙を取り出し、読み始めた。

「お前の処置は成功した。お前に何が起きるか、詳細には省くが、今後2ヶ月ほどで、お前への懲罰が全面的に始まるとだけ言えば充分だろう。これからのトレーニングに最大の努力を払うよう期待する。そうしなかったら、俺は極めて不満足になるだろう」

大男は顔を上げて、言った。「ジャマルとサインしてある」

男はドアを出ながら言った。「食え。30分したら食器を片づけに戻ってくる。…それから、トイレを使いたくなったら…」 とドアの近くのボタンを指差し、「こいつを押せ。誰かがお前を案内するはずだ」

そしてドアが閉じられた。

モーリスは飢えていた。襲いかかるようにサラダに突進し、食べ始めた。量は子供の食い物程度しかなかった。30分後、先の男が戻ってきた。この時も、モーリスは脱出を図った。そして結果は、先の時より酷いことになり、男は再び彼にスパンキングを行った。

*

2時間ほどした後、モーリスは我慢できなくなり、ボタンを押した。小便をしたくなったのだ。先の大男がドアを開けたが、今回はモーリスは脱出しようとはしなかった。

男に連れられて廊下を進んだ。かなり豪華な家らしい。長い廊下の先にトイレが見えた。モーリスは急いでトイレに入り、ドアを閉めた。

「ドアは開けたままだ」 と大男は手でドアを押さえた。「それに、オンナ男は立って小便をするものじゃない。座ってするものだ」

モーリスはまたスパンキングをされるのは御免だったので、言われた通りに座ってやった。用を済ますと、大男がトイレットペーパーを出した。

「小便を終えたら、拭くのも忘れるな」

これにもモーリスは従った。また廊下を進み、ピンク色の部屋に戻ると、お尻を軽く叩かれるのを感じた。

「いい娘だ」

大男は笑顔で言った。

*

翌日は、特に変わったことは起きず、同じパターンをたどった。だが、ここに来て3日目になり、モーリスはある変化に気づいた。体毛がなくなっているのである。正確には、ペニスの上部に細い線となった陰毛は残っていたが、他の体毛はなくなっていた。モーリスは、特にすることがなかったので、どうしても、この体毛の喪失について考えこんでしまうのだった。これから先、どんなことが待ち構えているのだろう?

答えは翌朝、出てきた。ペニスが目に見えて小さくなっていたのだ。前は勃起したら23センチ(柔らかい時は15センチ)だったが、今は、柔らかくて10センチ、ここに閉じ込められてから一度も勃起していない。

もうひとつ、はっきり言えることは、乳首が前より敏感になっていたことだ。多分、少し大きくなってもいるだろう。モーリスは、自分を憎む理由が充分ある男に、完全に支配されてることに、恐怖した。

さらに翌日、彼のペニスはさらに縮小していた。濃い目の色の乳首が成長しているのは間違いなく、乳輪は直径3センチになろうとしていたし、乳首は6ミリくらい突き立っていた。

モーリスは鏡をを見て、身体が縮小していることに気づいた。少なくとも上半身は小さくなっている。日を追うごとに、かつての筋肉は消えて行った。下半身についても変化が起きていた。お尻が前より大きくなり、丸みを帯びていたし、ヒップが広がったか、あるいは、ウェストが細くなったのか、あるいはその両方が起きているように見えた。

その夜、明日は何も変化が起きなければいいのにと願いながら、眠りについた。寝ながら何度もうなされた。

*


[2014/03/13] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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