2日後、彼のダンスのインストラクター(セクシーな裸の方のインストラクター)が、再び彼の部屋を訪れ、モーリスは驚いた。だが今回は、彼女はストラップオンをつけていた。
「今日はあなたにプレゼントを持ってきたわ。四つん這いになりなさい」
モーリスは喜んで従い、四つん這いになった。ただの四つん這いではなく、ピンクのブランケットに顔を埋め、お尻を高々と掲げた姿勢になっていた。
女性は彼の後ろの位置につき、ディルドをアヌスに押し当てた。
「あなたのちっちゃなおちんちん、すごくキュートだわ。どのくらいの大きさ? 5センチくらい?」
モーリスは答えなかった。
「これじゃあ、たとえ勃起できたとしても、女のあそこにフィットさせるなんて無理だわね」
その通りだとモーリスは知っていた。
そして、次の瞬間、女はディルドを押し込んだ。
「あ、ああーん!」
モーリスは女のような悶え声を上げた。
「あら、こうされるの、好きなのね? そうでしょ、淫乱ちゃん?」
女が何度か出し入れを続けた後、モーリスは答えた。
「ああ、いい! そうなの。やって! 強くヤッテ!」
「私をパパとお呼び、淫乱!」
「あ、はい! パパ、私を犯して! もっと強く、パパ!」
モーリスは叫び声を上げ続けた。女も同じだった。女は何度も繰り返しディルドを突っ込んだ。ほぼ1時間、続けた。その間、モーリスは3回、絶頂に達した。
モーリスが疲れ果て、ぐったりとすると、女は彼をそのままに部屋を出ていった。
*
それ以来、その女は週に1回、彼の部屋に来るようになった。そして、毎回、彼女は自分のことを「パパ」と呼ばせた。だがそんなことはモーリスは気にしなかった。彼女が自分を犯してくれる限り、そんなことはどうでもよかった。
そしてある日、今度はスタイリストが彼の元に送られてきた。髪のセットの仕方を教えるためである。この数ヶ月の間にモーリスの髪は長くなっていた、スタイリストの女性は彼に、髪を美しく整える方法を教えた。それから2週間、スタイリストは毎日彼の元に現れ、やがてモーリスは自分で容易く髪を整えられるようになった。
その次には化粧のレッスンが始まった。これも同じようなやり方で行われた。概略的に言って、モーリスの日常は、ディルドによるセックス、フェラチオ、セクシーダンス、そして自分を可愛らしく見せるための方法の習得に埋められた。
最後は服装だった。それまではモーリスはランジェリ姿でいることしか許されていなかったが、ある日、(今だ名前も知らない)例の見張り役の男が彼の元に衣類が入ったバッグをいくつか持ってきたのだった。
モーリスは急いでバッグの中を調べた。丈の短いクラブ用のドレスから、タイトなボディースーツ、さらにはビキニ、ショートパンツ、ジーンズ、様々な露出度の高いトップに至るまで、あらゆるものが中に入っていた。モーリスは、自分の意に反して、どうしても試着してみたくて待ち切れなかった。
新しい衣類を試着して、彼は大興奮の状態になった。どれを着ても、すごくセクシーに見える。今や、ランジェリだけの衣類から、あらゆる種類の可愛い、セクシーな衣類を着ることができる。
その2日後、ひとりの女性が部屋に来て、彼の耳とおへそにピアスを施した。その女性は彼に大きな輪のピアスをつけ、いつもそれをつけてるようにと彼に命じた。
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さらにその2日後、モーリスのダンス・レッスンに新しい要素が導入された。ハイヒールを履いてダンスすることである。最初は(5センチほどの)比較的低いヒールを履いて始め、日を追うごとに、ヒールの高さが高くなり、最後にはヒール高15センチのスティレット・ヒールを履いてダンスするまでになった。2週間ほどの間に、モーリスは完全にマスターした。
さらにテレビにふたつほど従来のテレビ局の番組が加えられた。だがモーリスは結局は、あの裸の男がダンスする番組に落ち着くことが多かった。もっとも、他の番組も楽しまなかったわけではない(例えば、ミュージック・ビデオの番組でラップを見ることなど。もちろん、彼は、自分が、ラップ曲にあわせて裸同然の姿で踊る女性たちのひとりとなってると想像して見るのである)。
さらにもう2週間ほどした後、モーリスは何かが起きそうだと感じた。彼の周りのセキュリティが緩められたのである。家の中、自由に歩き回ることが許されたのだった。だが、彼は大半の時間を自分の部屋で過ごした。ほぼ1年間、この部屋で生活してきたのである。ここを出るのを恐れている部分が彼の中にあった。
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そして、ある夜、彼は自分のピンク色のベッドで眠りにつき、翌朝、どこか他のところで目を覚ましたのだった。そこはうす暗く、かすかに見覚えのある場所だった。
「あいつら、本当にできたんだな…」
モーリスは何者かがそう言うのを聞いた。
「…疑っていたが、本当にやるとは」
「ここはどこ?」 とモーリスは甲高い声で訊いた。
「お前、分からんのか?」 と声の持ち主が言った。
そしてモーリスは部屋の隅の陰に人が立っているのに気づいた。
「俺がお前にこれからどうなるか言ったとき、お前はまさにそこに座っていたんだぞ。忘れたのか、モーリス?」
モーリスは自分が素っ裸にされているのに気づいた。確かに、この1年間、ほぼ裸の状態で過ごしてきたのではあるが、それでも、この状態はとても無防備すぎて落ち着かなかった。そして、彼は思い出した。この声の持ち主が誰かを。
ジャマルが前に進み出て、明かりの元に現れた。そして、すぐにモーリスはその人物に気づいた。強盗をしていた頃に知っていた人物としてのジャマルではない。違う。テレビに出ていた男としてのジャマルだった。
「立て、オンナ男! お前の姿を俺によく見せろ」
モーリスは躊躇わずに立ち上がった。ジャマルはゆっくり歩いて彼の周りを一周した。モーリスは荒々しくお尻を揉まれるのを感じた。次の瞬間、ジャマルはふざけまじりに彼の尻をぴしゃりと叩いた。
「私に何をするつもり?」
ジャマルはチャックを降ろし、ズボンを脱いだ。そして、部屋の中央にある椅子に腰を降ろした。モーリスはジャマルがすでに勃起しているのに気づいた。そして自分が何をすることを求められているかを察した。それをすることに何ら恐怖は感じなかった。彼はジャマルの前に向き直り、床にひざまずいた。目の前にはジャマルの大きなペニスがそそり立っていた。
モーリスはジャマルの睾丸から始めた。愛しそうにそこを舐め、その後、少しずつゆっくりと肉茎に沿って上下に動き、何度も優しいキスをした。ほぼ5分間に渡って、それを繰り返し、ジャマルを焦らし、その後ようやく、亀頭を舐めはじめた。
さらにもう2分ほど、亀頭を舐め回った後、頭部を口に含み始めた。口に入れて何秒か舌でこね回しては、口から弾くようにして出す。それを繰り返した。やがて先端から先走りが出始め、それを味わった。そしてようやく、彼は本格的に吸い始めた。巨大なペニスを喉奥まで吸いこんでは吐き出す。彼の口にジャマルが噴射するまでそれを続けた。
モーリスは出されたものを飲み下し、口の中がきれいになると、無意識的に「ありがとうございました」と言った。そして床に正座したまま、ジャマルの睾丸を舐め清めた。ジャマルは、椅子にふんぞり返りながら、そんなモーリスのストレートにした髪を優しく撫で続けた。
2分ほど経った。ジャマルは再び勃起していた。
「俺のここに乗っかって、踊れ」
モーリスはジャマルに背中を向け、彼のペニスの上に位置取った。だが、ジャマルはそれを止めた。
「いや、俺はやってる時のお前を見たい」
そこで、モーリスは前に向き直り、お尻に手を伸ばして、ジャマルの巨根を自分のアヌスに導き入れた。
「ああーんッ!」 とモーリスは悩ましい声を上げた。そして早速、動きだし、すぐに叫び声を上げ始めた。
「いいッ! もっとヤッテ、パパ!」
モーリスはジャマルのペニスを相手に激しく上下に身体を動かした。女っぽいお尻の頬がぶるぶると揺れていた。
*
3時間ほど経った。さんざんセックスが繰り返された。ようやくジャマルが地下室から出てきた。手には鎖をもち、その鎖にはモーリスがつながれていた。
モーリスは黒いブラジャーとパンティ、そしてハイヒールだけの姿だった。
「俺は散歩に行くことにする」 とジャマルは言った。
散歩をするふたりの後ろで、「おい、あれがモーリスか?」とか、「女のモーリス、見てみろよ!」とか、「ジャマルに一発やられたら、誰でもあんなふうになるのさ」 とかの囁き声がかわされた。
近所を歩いた後、家に戻ると、ジャマルはモーリスに裸になれと言った。もちろん、モーリスは言われた通りにした。
「おい、おめえたち、ご褒美だ。こいつを自由にしていいぞ」
すぐにモーリスは何本もの巨大な黒ペニスに取り囲まれた。彼にとって生れて初めての輪姦だった。その中心になれて、彼はこんな幸せなことはなかった。
*
何日か過ぎ、やがて何週間かが過ぎ、さらには何ヶ月かが過ぎ去った。今や、モーリスはジャマル一味を相手とするセックス玩具としての役割に完全に馴染んでいた。ジャマール一味の本部(計画住宅群に隣接するアパートのビル)の中では、モーリスは裸でいることが多かった。彼は、まさにエッチなペット女に期待されてるように振舞い、逞しい男どもにいちゃついたり、彼らの下腹部に乗っかったりし、男たちの目の保養となっているのだった。
ギャング一味には他の女たち(大半が黒人)もいたが、モーリスは彼女たちとはあまり仲良くはできていなかった。多分、嫉妬心からだろうとモーリスは思った(自分の方が彼女たちより、いい体をしてたのは事実)。もっとも、彼女たちは、しょっちゅう、モーリスの小さいペニスをからかった。中には、彼のペニスをいじりながら、「ねえ、このちっちゃなおちんちん、すごくキュートよね?」 とか言ってからかう者もいた。また、「こいつ、ほんとに根っからオンナになってる。勃起すらできないじゃん!」と誰かが言うと、必ず別の女が反応して、「いや、この人、勃起するわよ。ただ男を相手にするときだけ、だけど」と言うのであった。
そんなからかいもモーリスは気にしなかった。ジャマールたちは、女たちを集めて一種のハーレムを作っており、モーリスはその一員に加えられた。もっとも、モーリスがそこで他の女たちと寝ることはめったになかった。彼はセックス玩具として男たちと寝るので忙しかったからである。
ある日、ジャマールが来て、モーリスに言った。
「服を着ろ。セクシーな服だ。お前に仕事を用意してやった」
モーリスはいそいそとジャマールの部屋へと向かった(もちろん、お尻を誘惑的に振りながら)。彼は今や女の子のように走る仕草を会得している。モーリスは、タイトなミニスカートと、ホールター(
参考)のトップ、それにハイヒールを選んだ。ジャマールの部屋に行くと、ジャマールは彼の格好を見て、「それでよかろう。ついて来い」 と言った。
ジャマールは、モーリスを自分のメルセデス・ベンツに乗せた。モーリスは車に乗るとすぐにフェラをしようとジャマールの股間に顔を寄せた。だがジャマールは彼を押しのけ、「今じゃねえ」 と突き放した。モーリスは車に乗ってる間ずっと、不満そうに口を尖らせていた。
間もなく、車はひと気のない公園に着き、そこに駐車した。その数分後、パトカーが彼らの車の隣に停まった。ジャマールはモーリスに車から降りるよう命じた。
モーリスはジャマールの後ろについて、ふたりの男たちが挨拶を交わす間、従順そうに立っていた。警官は白人だったが、ジャマールと同じく大きな身体をしていた。
「そうだな、それなら俺たちもうまくやっていけそうだ」とジャマールは警官に言い、その後、モーリスに向かって、「こっちに来い」と言った。
モーリスは言われた通りにジャマールの隣に来た。
「この人はウィルソン巡査だ。お前、巡査のこと覚えているよな? この巡査の相棒をお前は殺したんだ」
モーリスは、巡査の顔を見ることができず、目を伏せた。
「まあ、言ってみれば、巡査はお前に償いをしてほしがっている。と言うわけだ、巡査にいい気持ちをさせてやれ」
モーリスは裸になり、地面にひざまずいた。そして警官のズボンのチャックを降ろし、そのペニスを焦らしつつ舐めはじめた。
「違う、メス犬! 吸うんだ!」
ウィルソン巡査はモーリスの頭を押さえ、ディープスロートをさせた。そして、彼の頭をぐいぐい突きを続けた。それを2分ほど続けた後、ウィルソンはモーリスの喉を掴んで、立ち上がらせた。そして、乱暴にモーリスをパトカーのボンネットに覆い被らせ、彼のアヌスに挿入した。ウィルソンはあまり長くは持たなかった。モーリスは、白人男で長く持つのはめったにいないと知っていた。とは言え、この短いセックスでも、一度だけ彼はオーガズムに達することができた。
ウィルソン巡査は射精を終えると、ぼろ雑巾を捨てるように、モーリスを地面に投げ捨てた。モーリスは地面に横たわったままでいた。
「これでいいだろう。今度の木曜にお前のアジトの捜査に入る計画がある」
警官はジャマールにそう言い、パトカーに乗り、走り去った。
ジャマールはモーリスに手を差し伸べ、彼を立たせ、「服を着ろ」と言った。ふたりとも車の中に戻ると、ジャマールが説明を始めた。
「お前も知ってる通り、ウィルソン巡査は絶対にワイロを受け取らなかった。俺たちがいくらカネをつんでも、あいつは絶対に受け取らない。だが、今回は、あいつの方から俺に話しを持ちかけてきたんだ。信じられるか? あのバカ真面目の巡査の方から俺のところに来て、お前に会えるなら情報をやってもいいと言ってきたんだぞ。ウィルソンは、始めはお前を殺す気でいたが、俺はそれはさせないと言った。するとあいつはお前と一発やらせろと、それで取引してやってもいいと言ってきた。お前、どう思う?」
モーリスはしばらく考え、そして答えた。「あなた様のお役に立てて、嬉しいです」
「いい答えだ」 とジャマールは言った。そしてしばらく経って、彼は付け加えた。「今なら、おしゃぶりしていいぜ」
モーリスは素早くジャマールの巨根にすがりつき、嬉しそうにおしゃぶりを始めた。
*
生活は続く。モーリスの生活はほとんど同じだった。1年から2年が過ぎ、ようやくモーリスは比較的自由に好きなところに行けるようになった。ジャマールは身銭を切り、モーリスに豊胸手術を受けさせすらした。ジャマールが経営するストリップクラブのひとつで働けるようにである。
ジャマールは、モーリスを自由にして2ヶ月ほどすると、彼はモーリスへの興味を失い、彼の一味の本部から、2ブロックほど離れたところにある小さなアパートに引っ越させた。
モーリスにしてみても、自分の人生が前より少し良くなったと認めざるを得なかった。強盗としての生活は、常に恐怖をともなった生活だった。その恐怖心は、精神を鋭くし、常に警戒感を持ち続けるために、必要なものだった。常に居所を変え、廃墟のビルから、また別の廃墟のビルへと移り住む生活だった。確かに、腕の立つ強盗として尊敬は集めていた。だが、実質的な利益はそれだけだったと言ってよい。
そんな生活に比べたら、今の生活ははるかに良いと言える。何も恐怖することはなくなった。好きなだけセックスをしてもらえるし、依然と同じく尊敬を集めてもいた(以前とは別の種類ではあるが)。男たちはモーリスのお尻を敬ってくれるし、新しい乳房も敬ってくれる。さらに、モーリスが手や、口、あるいはアヌスを使ってすることを、男たちは敬ってくれるのである。
今の生活は、前よりずっといい。
*
オマール・ベル博士は、モーリスの変身の記録をメモを取りながら再検討していた。フェロモンに対する反応をちょっと修正しなければならないだろう。被験者をちんぽ狂いにしたいとは思わない。それに、もう少し変身過程を長くさせたいと思った。彼はある合成物を分離させる作業を開始した。その合成物を取り除けば、黒人男性には作用しなくなるはずだ。
だが、まだまだしなければならない研究があるし、もう何件かテストをする必要がある。博士は、被験者に乳房を与えることも考えた。当初のプランではそうするつもりだった。だが、その可能性について考えれば考えるほど、むしろ乳房を持たせない方が、より弱い立場にすることができるのではないかと思えてくる。乳房がなければ、自分たちの存在をより自覚できるはずだ。決して、女性ではないのだと。自分たちは、決して女にはなれないが、女にきわめて近い男なのだと。
そして、ベル博士は作業に取り掛かった。
おわり