ジルは、ビルが突然、切羽詰まった声を出したのを聞き、顔を上げた。見ると、夫が恐怖に顔をひきつらせ、その股間の近く、椅子の座台に両刃のナイフが突き刺さっている。ジルは固唾を飲み、恐る恐る、巨大な肉茎に手を伸ばした。
「少なくとも今はビルの求めに応じてこれをするの…!」
そう心の中で自分に言い聞かせ、右手で熱い黒ペニスを握った。鉄棒のように固い。それを握るとすぐに彼女は本能的にしごき始めた。すぐに出させてしまえばいいのと、しごくスピードをあげていく。
考えることすらできない忌まわしい行為。だが、それをしてくれと懇願する夫の声。その声を聞き、ジルは、かえって思い悩む意識を持たずにすんだ。今はこの行為に集中すればいいのだ、と。
ジルはこの若者の道具の大きさにただただ驚嘆していた。この大きさは、あの憎むべき学校の用務員のそれよりも上回っている。しごき続けるうち、つぼみが花になる時のように、亀頭がみるみる膨らみ、その先端から透明のねっとりした先走りがにじみ出てくるのを見て、彼女の心臓は興奮して高鳴った。
その場にいる全員の目が、トビーの亀頭に集中していた。濃い液体が肉茎の中からどんどんと溢れ出てくる。阿附出てた液体はゆっくりとした流れの川となり、牙のように縁を広げたカリの部分を伝い、その下部を握るマニキュアをしたか細い白い指へと流れる。
ぬるぬるした液体のおかげで、太い肉棒を握る指の上下の動きが滑らかになっているのは明らかだった。先走りの樹液はさらに量を増していく。しかも、この潤滑液が加わったことにより、肉茎部からカリの部分へと動く手のスピードはますます速くなっていった。今やトビーはよほど気持ちよいのか、ハアハアと喘いでいた。それでも何とか自分をコントロールしようと頑張っているのか、全身を震わせている。
ジルは、まるで催眠術にかけられたように、手の中でびくんびくんと脈動するペニスを見つめていた。その頭部にある細長い鈴口が、口を開けたり閉じたりを繰り返し、そのたびに粘着性のある透明な液体が溢れだし、彼女の指を濡らしていく。
この若者のペニスに意識を集中しているうちに、ジルの心の中から、突然、周りのすべてが消え去った。苦しそうな息づかいで喘ぎながら、ジルは舌舐めずりした後、舌を出し、同時に前のめりになった。
ジルとトビーの横、近くで見ていたふたりの男は、その光景を見て圧倒されていた。ジルが、可愛らしいピンク色の舌を尖らせ、濡れた鈴口をチロチロと弾き、焦らし始める。ひとしきり鈴口を弾いた後、さらにその舌が伸び出てきて、大きく膨らんだ亀頭全体を舐めまわし始めた。その舐める範囲はどんどん広がり、やがて、敏感なカリの部分も含めて、ねっとりと舐め回りはじめた。
どのくらいそれが続けられただろうか。突然、ジルはさらに顔を前に突き出し、亀頭全体を口の中に入れた。それを見ていたビルとアモスは同時にハッと息を飲んだ。
「ああぁぁ…………うわあぁぁぁ……………、お、お父ちゃん!……………す、すごく気持ちいいよぉぉっ!」
トビーが大きな声を出して喘いだ。
アモスが、唖然としてるビルに寄りかかった。
「おめえ、奥さんがこれまでちんぽしゃぶったことないなんて、言えねえよな! もし、奥さんがお前のちんぽをしゃぶったことがないなら、いったい、誰のちんぽをしゃぶっていたんだろうな! あのしゃぶり方、見てみろ。ありゃぁ、絶対、しゃぶったことある女がすることだぜ!」
アモスは、ビルが頷くのを見て、大笑いしたい衝動に駆られた。
とはいえ、ビル同様、アモスも完全に驚いていたのは事実だった。今やジルは、シルクのようなブロンドの髪を揺らしながら、長大なペニスを咥えて、頭を上下に動かしていた。さらには、根元を握っていた手を離し、唇がトビーの陰毛に触れるまで、顔を沈めた。喉の奥にまで飲み込んでいるのは明らかだった。
いったん根元までディープスロートをした後、ジルはゆっくりと顔を引き上げた。左右の頬に窪みができていた。強力な吸引で口の中に真空状態ができているのだろう。ゆっくりと顔を戻したものの、亀頭部分だけは口に含んだところで止まった。そしてまたジルの顔が沈んでいく。長大な肉棒を再び喉奥へとむさぼっていった。
トビーは強烈な快感を味わっているようで、しきりとうめき声を上げていた。それを聞きながら、アモスもビルも、それぞれの股間を無意識のうちに撫でていた。
よほど快感が高まったのか、トビーがぐぐっと腰を浮かせ、ジルの口へと股間を突き上げた。
「ああぁぁ……、ああぁぁ……ううっ、お父ちゃん! …………ああっ、父ちゃん! ……気持ちいいッ!」
トビーはそう喘ぎながら、腰を美しいジルの顔に向かってぐいぐい突き上げ始めた。その突き上げのスピードはどんどん増し、トビーはハアハア喘ぎながら、両手でジルの絹髪を掴んだ。ジルがこの夢のような快感を与える行為を止めてしまうのではないかと不安に思ったのだろう。切羽詰まった様子で彼女の髪を鷲掴みにした。
「お父ちゃん!…………お、お父ちゃん!…………ああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
大きな唸り声と共に、トビーは不格好に見えるほど一段と高く腰を突き上げ、同時に両手でジルの頭を押さえ、自分の股間に押し付けたままにした。トビーが、その煮えたぎる睾丸から爆発的に最初の噴射を撃ち出した瞬間だった。トビーは最初の噴射を喉奥に撃ち込むと、今度は腰を引き、ペニスを口から出し、ジルの美しい顔面に一筋の白いひも状の精液を振りかけ、その後、再び彼女のピンク色の唇の間に挿入した。
どのくらい時間が経っただろう。やがてトビーの身体から力が抜け、彼は疲れ果てて、ぐったりとなった。そして、アモスとビルが黙りこくったまま、驚きの目で見つめる中、トビーの股間に顔を埋めていたジルがゆっくりと顔を引き始めた。
ジルは顔を上げたものの、柔らかくなりつつある黒棒を口の中に含んだままだった。いったん、頭を振って、顔にかかった髪の毛を後ろに払った後、再び、太い肉棒の根元をしっかりと握った。そしてゆっくりと口からペニスを引き抜いた。
萎え始めたペニスとは言え、巨大であるのは変わらない。その巨大な亀頭と、顔を引いたジルの舌先とをつないで、濃い白濁の糸がたらりと延びていた。トビーは射精時に一度ジルの口から抜き、顔面に噴射したが、その跡が彼女の美しい頬にこびりついていた。
ジルは相変わらず、目の前のペニスを見つめたままだった。ゆっくりと固さを失っていくペニスをうっとりとした目で見つめながら、ジルは舌舐めずりをし、この若者の塩味を含んだ白濁を味わった。それから、名残惜しいのだろうか、今だ長いままではあるが、かなり柔らかくなったトビーの男根を強く握って数回しごいた。だが、そうやっても、トビーのペニスは萎み続けるだけだった。
「あんた、これまでもちんぽをしゃぶったことあっただろう? 違うか、先生? あんたの旦那のではないかもしれないが、誰か他のヤツのちんぽをしゃぶったことがあるのは確かだな!」
そのアモスの言葉を聞いて、突然、ジルの心は現実に引き戻された。この時になって初めて、愛する夫の見ている前で、自分が行ったことに気づいたのだった。たった今おこなった行為から、アモスの言ったことが真実であることはあまりにも明白だった。ジルは身体を震わせ、恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にしてうつむいた。
「ビル……………わ……わ……わたし…………!」
さっきの行為を見せてしまった後では何を言っても弁解にはならない。ジルはそう呟くことしかできなかった。