2ntブログ



オマール・ベルの世界 (キャプション) (4) 

obu-17.jpg
コリンはいちばん色っぽい眼差しをカメラに向けた。その彼のアヌスに大きな男がペニスを出し入れしている。コリンは喜びの悶え声をあげた。

「カット!」 監督の叫び声。男はペニスを引き抜いた。

「どうだった?」 と男がコリンに訊いた。

「最高だったわ」

コリンは思い出せる昔からずっとポルノ・スターをしてきている。だが、彼の演じる役はグレート・チェンジの後で劇的に変わった。

かつての彼の目を見張るほどのペニスは今ではただのコブほどの大きさに縮み、逞しい身体も、小さくほっそりとした身体に変わっていた。だが、それ以上に、彼はヤル側からヤラレル側に変わっていた。彼は現在までのところ、最も成功したboiのポルノ・スターである。

そういうわけで、彼はほぼ毎日、アヌスや口にペニスを入れられて過ごしている。

そして、彼は今ほどこの仕事が楽しいと思ったことはない。

*****

obu-18.jpg

ケニーはドアがバタンと音を立てて閉まるのを聞いて顔をあげた。

「ケニー?」 妻の声が聞こえる。「何しているの? ちょっと待ってよ! それ、あたしのバイブじゃないの!」

ケニーはどう言ってよいか分からなかった。彼はインターネットで、boiのアヌスはとても感じやすく、boiにとって本当の意味での性的快感を得られるのは、アナルを貫かれることだと書いてあったのを読んだことがある。そこで、ケニーは妻が1日仕事で家をあける日を待っていたのだ。この日、彼は職場に体調不良で休むと連絡を入れ、彼の妻の小さなピンク色のバイブを取ってきたのだった。

それは2か月前のこと。その日から彼は毎日、そのバイブで自分を慰めてきた(時には、日に数回も)。

いずれバレるのは確実だった。いつかは妻にバレるだろうと知っていたし、とうとうその日が来てしまったというだけだ。そして、このケニーの姿を見て、彼の妻はにっこりとしたのである。

「あなたがどうやって処理してるのかって、ずっと不思議に思っていたのよ。それなら、そうと、これから、あたしとふたりでいろんな楽しいことができるわよ」 彼女はそう言って、床に膝をつき、彼の細い手からバイブを取り、入れたり出したりをし始めた。

それから後は、このふたりにとってセックスはまったく違った形を取るようになった。そして、最後には、ケニーも抵抗をやめ、大きな黒人男との3Pに加わるようになったのである。

*****

obu-19.jpg

ハンクは辛い目にあっていた。グレート・チェンジの前は、大半は肉体労働だが、あれこれの臨時の仕事をして、何とか食いつないでいくことができていた。だが、縮小し弱体化した身体になった後では、そんな骨の折れる仕事はできなくなっていた。

次から次へといろんな仕事に応募したが、ダメだった。すぐに、家賃が払えなくなり、家から閉め出されてしまった。そしてとうとう、最後の手段として、彼は身体を売ることにしたのである。

それがこの姿。グレート・チェンジから2年後。彼は今はかなりの稼ぎがある。だが、彼はもっと良い生活を願って、夜毎、枕を涙で濡らしている。

でも、その良い生活など、一向に見えてこない。だから彼は現状から抜け出すことを願いつつ頑張り続けている。いつの日か、元のまともな仕事に戻れる日が来るかもしれない。あるいはそうならないかも。

*****

obu-20.jpg

トミーはガールフレンドのパンティを履いて、立ってみた。完全にバカっぽいと思った。バカっぽくは見えるとは思ったけど、それはどうでもよかった。アパートには自分の身体にあったサイズの服はガールフレンドの服しかなかったからだ。

でも、どうしてこんな女の子っぽいデザインばっかりなんだろう? 以前の彼はガールフレンドがセクシーな服を着た姿を見るのがいつも大好きだったけれど、でも、いざ自分が着るとなったら、実に気になって仕方がなかった。

長く伸ばした髪をポニーテイルにまとめ上げ、彼ははあーと息を吐き、そして微笑んだ。少なくとも男はこういう格好が好きなのよね、と。

*****

obu-21.jpg

グラハムはベッドの上、身体を起こした。汗まみれだけど、充実した気持ちで。何百ものいろんな思いが頭の中を駆け巡っているけど、先頭に出続けてくる思いがひとつある。19年の年を経て、とうとう童貞を失ったということ。

確かに、これまでの人生、それを失うのは、ずっと女の子を相手にしてとばかり考えてきた。だけど、そんな時、あのグレート・チェンジが起きて、その後は…。まあ、物事というのは計画通りに進まないのが世の常。

グレート・チェンジはグラハムにとっては天の恵みだった。彼は男の子にも女の子にも、いや誰にも人気がなかった。痩せて女っぽい彼は、みんなから簡単に無視される存在だった。

だが、いまは、彼は美しい。セクシーでもある。そしてみんなが彼を求めた。誰もがグレート・チェンジを恐ろしい出来事のように語っているが、グラハムにとっては、それは彼に起きた出来事のうち、最も素晴らしい出来事だった。

彼はようやく人気者になったのである。

*****
obu-22.jpg

「本気で、これがboiが着てビーチに行く格好だと言ってるの?」 チャックは、新しいビキニのパンツをいじりながらガールフレンドのテレサに訊いた。

だが、本当は、彼はトップの方がとんでもなく変だと感じていた。かろうじて乳首を隠しているトップの方である。奇妙な感じだった。あのグレート・チェンジの後、彼はどうしてか知らないが、他人の目がある場所に出かける時(ときにはプレイベートの時もだけれど)女の子のように胸を隠したいという言い難い衝動を感じてきていたのである。それにしても、このビキニは、隠している部分が少なすぎて、本当にスキャンダラスと言っていいほどだ。

「当り前よ、バカね。boiはみんなそういうのを着るの」とテレサは答え、写真を撮った。そしてにっこり笑い、言った。「あなたにとっての初めてのビキニね。あなたにとって大切な日になるわよ、チャック」

チャックは力なく笑みを返した。特別だなんて感じないよ。ただ、恥ずかしいだけだよ。ふと、何と言うこともない考えが意識に踊りこんできた。考えてみれば、トップをつけずに外に出るなんて、何でもないことのように思っていたな。まだ1年も経っていない前だったけど。今では遠い昔のように思える。あるいは本当に遠い昔なのかもしれない。生活が変われば、時間の流れも変わるものだ。

グレート・チェンジとはそういうことなのだ。世界のあらゆることが途方もなく変貌すること。影響を受けずに残るモノなど何もない。文化から政治、そして国際関係に至るまで、全世界が影響を受けたのだった。

だが、今この瞬間は、チャックは写真を撮るガールフレンドのためにポーズを取りながら、自分自身の問題に意識を集中せずにいられなかった。この変化は自分にどんな影響をもたらすのだろう?

変化によって彼は自分本来の姿になるのだろうか? あるいはただの人間になる? どちらにせよ、彼も、新しい世界に向けて何とか生きていこうとするboiなのである。


[2014/06/06] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する