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操られた若妻 (2) 


町の中でもかなり治安の悪い地区へと車を走らせながら、エリンは何度も太ももを閉じたり開けたりを繰り返した。どうしてもそうしてしまうのだった。脚の間のあの疼きを鎮めようと必死だった。

夜にこのような地区を車で走るのは不安だった。エリンは、車のドアがちゃんとロックされているか、改めて確かめた。

そしてようやく『ジョーズ・バー・アンド・グリル』のネオンサインを見つけた。その隣にはモーテルのネオンも光っていた。『秘密のモーテル』とのネオン。それを見て、エリンは嫌な寒気が背筋を走るのを感じた。

モーテルの駐車場の前に来て、誰も見ていないか辺りを確かめた。このようないかがわしい場所に車を入れる自分の姿を知り合いに見つかりたくなかったからである。最悪の場合を考え、彼女は通りから見えない場所に車を止めた。そして、ハラハラしながらも急いで車から降り、安っぽいモーテルの入口へと走った。そして部屋を取った。後に証拠を残したくなかったので、現金で宿代を払った。

部屋のキーをハンドバッグに入れ、エリンはモーテルの中から外を伺い、やはり誰もいないのを確かめたうえで外に出た。そして、『ジョーズ・バー・アンド・グリル』の裏側の入り口へと急いだ。

入り口にさしかかった時、上空を旅客便のジェット機が飛び、その轟音で辺りの物音が一切掻き消された。心臓が高鳴っていた。ドアの取っ手に手をかけつつ、今が家に引き返す最後のチャンスよと思った。上空のジェットの轟音が次第に消えて行く。あの飛行機には夫が乗っている。そう思いつつ、エリンは堕落へのドアを開けた。

息を切らしながら中に入った。ビールの空きビンに照明を当てた内装、そして趣味の悪そうな客たち。そんなバーの様子を見てエリンは小さく身震いした。

夫を空港に見送る前に、一緒に高級レストランでディナーを食べたので、エリンはこの場にとっては品が良すぎる服装をしていた。その姿を見れば、誰でも彼女がこの店にふさわしくない女だと一目瞭然だった。

店に入ると客がいっせいに彼女の方を見た。目立ちすぎてると思った。客には彼女以外、女性はいなかった。薄汚れた下品そうな男たちだけ。エリンは嫌悪感に身震いした。

エリンは薄暗いバーの中、ひとつひとつのブースをおどおどと確かめながらゆっくりと進んだ。そして、角を曲がると、底のブースにあのニヤリと笑った見覚えのある顔を見つけ、エリンは後悔の念に襲われた。

バーの中の男たちがじっと彼女の動作を見つめており、恥ずかしくてたまらない。エリンはそそくさとそのブースに入り、自信満々の顔の10代の若者の前に座った。そして、リオンが彼女のために用意していたビールのグラスを手にした。

エリンがここに座った瞬間、このバーの誰もが、今夜はリオンが彼女の「オトコ」だと知っただろう。得意になったリオンは満面に笑みを浮かべた。

彼は1年ほど前に、偽の身分証を使ってこのバーに入り、その後はチェックもされないので、ずっとここに通っていた。携帯で電話を受けた後、彼はバーの男たちに、今から俺に抱かれるために超1級の上品な女が会いにくるぞと、自慢したのだった。実際、店にやってきたエリンを見て、バーの男たちは本当に圧倒されていた。これほどのセクシー美女が来るとはと、圧倒されたのである。こんな美しい熟女が、しかも明らかに人妻の白人美女が、リオンのような男に会いに来るとは、いったいどうしてなんだ? リオンはそんな男たちの反応を知っていた。

もっと言うと、リオンはエリンが来る前に、彼女の身体を売りにかけていたのだった。最初に200ドル出した男が、最初の相手となると、その後は100ドル出せば、「ヌルヌルの2発目」をやらせてやろうと。

男たちはリオンの提案を聞いて、皆、大笑いした。リオンに、そんなすげえ美女を用意できるわけがねえじゃないかと。確かに、その反応も予想でき、リオンは驚かなかった。

エリンがブースに腰をおろして、たった2分ほどしか立たないうちに、背が高くずんぐり太った男がブースにやってきて、100ドル札を2枚、テーブルに放り投げた。

「奥さん、横にずれろよ。トラック野郎のトムに席を開けてやるんだ!」

エリンはおどおどとリオンの命令に従った。奥壁に肩を押しつけるようにして、ブースのできるだけ奥へとずれた。

無愛想な男は彼女の隣に座り、身体の横が彼女にくっつくまでじわじわと近寄ってくる。さらに男の薄汚れた大きな手を太ももの上に乗せられ、エリンは息を飲み、恐怖の混じった目でリオンを見た。

薄汚い手は、さらにスカートの裾の中にもぐりこみ、生肌の太ももを擦り始めた。堪らなくなったエリンは、大きく目を広げてリオンを見つめ、叫んだ。

「リ……リオン!」

さわさわと動く男の手に手を当て、必死に押し返そうとしたが、無駄だった。エリンは目に涙を浮かべ、下唇を噛みながら、さらに両手で男の手首を握り、離そうとした。

「お願い …………私 …………… 私、帰りたい!」 と鼻を啜りながら、小声で言った。バーの他の男たちに、こんなふうに身体を触られていることに気づかれたくなかった。

「おや、どうしたんだ? 俺はあんたのためにリオンに最初にカネを払ったんだぜ! 200ドルもしたんだ。その買い物を俺が触っても、なんも悪くねえはずだぜ? 俺とあんた、これからふたり一緒に甘い音楽を奏でようじゃねえか!」 と男はがさついた声で笑った。

またスカートの中に手を入れ、エリンが震えてるのを感じ、男は笑った。「あんたの旦那、あんたが若い黒んぼに抱かれに、こんな薄汚ねえバーに来たのを知ってるのか?」

「お願い ………………お願いです …………………もう帰りたいわ! 外に出させて …………お願い! もう、家に帰ります!」 

エリンは泣きながら訴えた。だが、リオンは平然とした顔で言った。

「ウィンターズの奥さん、あんた、俺が帰っていいと言うまでは帰れねえんだよ。俺に電話をよこしたのは、奥さんの方なんだぜ! トムはあんたと一緒になるためにたんまりカネを払ったんだ。だから、仲良くしてやるんだ。しっかりと、たんまり、いい思いさせてやるんだ!」


[2014/06/06] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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