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メアリが双頭ディルドを買ってきた2日後の夕方。メアリが帰宅した時、ビリーはデスクでネット・サーフィンをしていたところだった。
「ちょっと話したいことがあるの」 とメアリが声をかけた。
「何?」 とビリーは振り向いた。
「あなた、着るものをちょっと考えるべきだと思うわ」
「今の服で何かおかしい?」 ビリーは返事を知っていたが、そう訊いてみた。彼は新しいファッションが現れてきているのを知っていた。
「そうねえ、例えば、あなたが着てる服、サイズが合ってるのはひとつもないわ。あなたも知ってるはずよ」
ビリーは溜息をついた。「でも、僕はどこに出かけるというわけでもないし。服を変える理由が…」
「いいから立ちなさい。あなたが着るモノが何かないか、調べましょ!」
メアリの口調には、有無を言わせないところがあった。ビリーは抵抗することは求めなかった。なんだかんだ言っても、今は、メアリの方が彼より大きく、力も強かった。
というわけで、ビリーはメアリのクローゼットの前、裸になっていた。
「君の服も僕には合わないと思うよ」 とビリーは口を尖らした。
メアリは返事をしなかった。ただ、吊るされてる服をチェックし続け、やがて、あるジーンズを見つけた。彼女はそれをベッドに放り投げ、次にTシャツを見つけ、それもベッドに投げた。
最後にメアリは引き出しからコットンの下着を出し、それもベッドに投げた。ようやくメアリはビリーの方を向いた。どう? と言わんばかりに腰に両手を当て、「これを着なさい」と言った。
ビリーはおどおどとした様子でベッドに行き、パンティを手にした。白いビキニ型のパンティで、股間のところにピンク色のハートがあり、LOVEと丸っこい文字で書かれている。
彼は片脚を通し、そしてもう片方の脚も通した。スルスルと滑らかな太ももに沿って引っぱり上げ、最後に位置を整えた。お尻のところがちょっとキツイ感じがしたけど、他の点ではぴったりしている感じだった。彼の小さなペニスは、まさにハートがあるところに小さな盛り上がりを作っていた。ビリーは顔を赤らめたが、メアリは「あなた、とってもキュートよ!」と褒めた。
ビリーはにっこりと笑顔になった。
次に彼は薄青のTシャツを取った。このTシャツは丈が短く、袖がすぼまってるデザインで、口紅をつけてキスしたような絵が描かれていた。ビリーは急いでそれをかぶった。やっと、おへそが隠れる程度の丈だった。
最後に彼はジーンズを手に取った。ブーツ・カット(
参考)で裾が広がっていて、太もも、お尻、腰にかけてとてもキツく、ぴっちりしている感じだった。これを履くとき、ジーンズと一緒にパンティも引きずられて、丸まってしまった。
「あなたにはソング・パンティを買ってあげなくちゃいけないみたいね」 とメアリはくすくす笑った。
ジーンズはウェストのところが少し緩くなっていて、しかも、すぐに気づいたことだが、腰がかなり低い位置にくるものだった。その結果、シャツの裾とジーンズのベルト部の間に10センチ弱の隙間ができた。
メアリは彼に細いベルトを渡した。ビリーがベルトを締めて整えると、「これでいいわ! とってもキュートよ」 とメアリが言った。
ビリーは鏡を見た。確かに可愛いと思った。メアリは白とピンクのテニスシューズを出した。
「この靴、ちょっと大きいとは思うけど、もっといい靴を買うまでは、これで間にあうと思うわ」
履いてみると、ちょっと大きかった。メアリの足は今やビリーの足より大きいのだ。だが、それほど履き心地が悪いわけでもなかった。
「さてと。今度はその髪の毛を何とかしないとね。そうしたら、外に出かけられるわ」
ビリーはほぼ1ヵ月、家を出たことがなかった。それに、それ以前は、髪を切る暇がなかった。だから、ちょっとボサボサの髪になっていた。耳が隠れるくらいになっている。
「ブラッシングすることにするよ。でも、どこに行きたいの?」
「マジで言ってるの? 髪の毛、手伝ってあげるわよ…?」
「いや、これでいい。その後、どこに行くの?」 とビリーは再び訊いた。
メアリは肩をすくめた。「モールかな? 多分、映画を観に行ったりとか?」
「分かった。だいたい5分で支度をするよ」