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オマール・ベルの世界 (11:終) 

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バックにとってグレート・チェンジは不思議なことだった。多分、大半のboiたちにとってよりも彼にとってはそう感じられていたことだろう。分かるだろうか? 彼はレイシストだったのである。彼の父もレイシストだし、彼の母もレイシストだった。そして、そういう両親に育てられた彼も、同じくレイシストになっていたのである。

だが、そうだからと言って、彼の行為の言い訳になるわけではない。彼は、いわれなく黒人を侮辱することが悪いことだと知っていた。彼が成長し、自分で会社を立ち上げた後、白人以外の人種を雇うことを拒み続けたが、彼はそれも悪いことだと知っていた。彼は知ってて、異人種のことを口汚く侮辱したし、数少ないが犯罪にも加わった(人種が原因の酒場での喧嘩にすぎないが、犯罪であることには違いない)。要するに、彼はベル博士にあのような極端な措置を取るのを促したタイプの人間の典型例であったのである。

最初、彼は、身体の変化を始めた他の多くの白人男性同様、抗議した。自分が何に抗議してるのか自分でも分からなかったが、怒りを感じていたし、恐怖も感じていた。だから彼は憎悪の言葉で激しく抗議したのである。しかし、何をしても変化を止めることができないことが明らかになると、彼は深いうつ状態に陥った。

そのおおよそ3年後、バッグはようやく自分の姿を受け入れるようになった。さらにその1年後、彼は、自分より劣っていると以前みなしていた男たちに、自分自身が惹かれる事実を受け入れるようになった。この画像はグレート・チェンジから5年後の彼の姿である。彼は幸せな結婚をしている。そんなわけで、後は皆さんに判断をゆだねよう。オマール・ベルが行ったことは良いことだったのだろうか、悪いことだったのだろうか? レイシストは自分のやり方の間違いに気づいた。誰もが幸せであるように見える。だが疑問は残っていて、それはオマール・ベルはヒーローなのか悪人なのかという問題だ。

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端的に言うと、サムは金持ちである。グレート・チェンジが起きた時、彼は大学1年生であり、素早く変化に順応したひとりだった。そのため、彼は、多くの他のboiたちとは異なり、大学からドロップアウトすることはなかった。彼は3年で大学を卒業し、ビジネスを開始した。そのビジネスはその後、大当たりし、彼はそれを競争相手に売却し、多額のカネを儲けたのだった。

そんなわけで、この26歳のboiは、自分でも使い道が分からないほどのおカネを持っていた。そんな頃、彼は、彼の同類(経済的に裕福なboiたち)の間で盛んになってきた新しいトレンドの噂を耳にした。複数の黒人男を雇い、セックス相手や、エスコート役や、ボーイフレンドにするというトレンドである。複数の男たちを雇えるということは、性的満足を得る試みであると同程度に、社会的地位を表すものでもあった。

実際、男性の数は相対的に不足していたので、boiが、ふたり以上の男を所有するには、実際、裕福でなければならなかった。

もちろん、社会的地位の話しだけではないのは確かではあるが。

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世界が白人男性というものは過去の遺物であると認め始めるとすぐに、多くのboiたちは自分たちの生活を調整しなければならなくなった。

その調整による変化の少なからずの部分が、衣類の違いに関わっていた。boiたちはズボンやスーツや他の男性的な衣類に慣れていた。だが、新しく体つきが小さくなり、このような衣類はもはや不可能になった。大半が、妻やガールフレンドや姉や妹に助けを求めた。

もちろん、その結果、boiたちは女性と同じような服装をすることになった。しばらくすると、当然のように、スカート、ドレス、パンティ、そしてその他の女物の衣類を身につけるboiたちを見かけるようになった。

だが、boiたちはこのような衣類を着て育ったわけではないのである。それらを着て適切に振舞うことに不慣れなのである。

そのようなわけで、スカートを履き始めたばかりのboiたちに、不用意にイケナイものを見せられる人たちが増えた。ただ、どうしてあんなに多くのboiたちがミニスカートを履きつつもパンティを履くのを拒んだのかは、依然として謎のままとなっている。

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エクスタシー……

この姿こそ、boiにとってのエクスタシーの姿であろう。

そんなに大昔のことではないのだが、かつてレオナルドは大きな黒いペニスの上で身体を上下させるなど、まして、それで喜び狂うなど夢にも思っていなかった時があった。

だがそれはグレート・チェンジの前の話しだ。boiが男性にセックスされるのはまったく自然なことだと誰もが思うようになった前の時代の話しである。

いずれにせよ、この画像の彼は、とても幸せそうに見えるのではなかろうか?

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あら、なんてこと? アレ、そこにあるのが分からないくらいになってる。それに、この身体の曲線! boiはどうしたらいいの?

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ランドルは恥ずかしがり屋だったことは一度もない。そもそもどうして恥ずかしがらなければならないのか? 彼は自分の身体をきちんとケアしていたし、しっかり鍛えてもいた。それに25センチ近くのペニスも彼に大きな自信を与えていた。そして、あの事件が起きた。

オマール・ベルが先行性のウイルスを世界中に撒き散らし、世界は変わり、白人男性を普通の男性から、小さく、柔肌で、女性的で、男性よりは女性と共通点が多い生物に変えたのだった。

その変化は最初、漸進的だった。身体が変化していると気づいた人はごく少数だった。しかし、そのすぐ後に、世界中が、白人男性というものは過去の遺物になり、その代わりに白人のboiが置き換わったと知ったのである。

ランダルにとっても、変化は他のboiたちと同様である。だが、彼自身の身体イメージは、現実の変化に追いついていなかった。彼は今だに自分の身体を男性的だと思っている。彼は今だに自分のペニスを誇れるモノだと思っている。そして、彼は今だに、女の子の前で裸で立つたびに、その女の子が彼のポーズを見て笑いを堪えるのに必死になっている事実を理解できずにいるのである。

だが、希望はある。いずれ彼は自分が男性ではないことを悟る時が来るだろう。いずれ彼は、自分がboiとなっている事実と折り合いをつける時が来るだろう。

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ビクターズ・シークレット

だって、boiにも隠し事はあるものだから


[2014/07/17] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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