別の種類の資格 A Different Set of Qualifications by J. Nikki
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グレート・チェンジの後、エドガー・プライスは上司から秘書へと変わる。彼はどのような反応を示すだろうか?
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エドガー・プライスはすべてを有していた。若く、ハンサムで、魅力的。そして瞬く間にきわめて大きな成功を収めた。彼の会社の歴史の中、彼ほど若い重役はいなかった。ほとんどの人が、彼はいつの日かCEOになるだろうと思った。
だが、彼はパーフェクトというわけでもなかった。彼にも悪徳の部分があった。それは女好きだということ。そして女たちも彼を愛した。彼が入社した最初の2年間に、彼の秘書をした女性のうち2人からセクハラで訴えられた。彼が冗談でこんなことを言う(あるいは本気で言う)のを耳にすることは珍しいことではない。「上司が性的に満足した状態に保つことも、秘書の仕事の一部だ」と。
彼にはもう一つ欠点があった。こちらの方が真に大きな欠点だが、それは、極めてあからさまに言えば、彼は仕事が得意じゃなかったということ。もっと言えば、仕事の出来がめちゃくちゃだったのだ。たいていは、彼の女性アシスタントたちが彼のヘマを取り繕った。そして、彼はそういう女性たちをすぐに捨ててしまうのである。だがエドガーは、その魅力、ルックス、そして自信に溢れた態度で、捨てた女たちの問題をうまくかわす方法を身につけていた。彼の態度に疑念を持つ人はほとんどいなかった。
その終わりが、2011年12月1日、つまり、オマール・ベルが白人男性を女性化する目的で生物エージェントを大気に放出したあの日に開始した。
すでに知っての通り、彼の計画は(少なくともベル博士の立場で言うなら)成功を収めた。そしてその翌年にかけて、世界は隅々に渡るまで大きな変化をしたのだった。白人男性という概念は過去の遺物になったのだった。
エドガーも他の白人男性同様、小柄な女性並みの体格に縮小した。ペニスもそのサイズの大半を失った。身体の形は女性のそれと似たものになった(乳房がないという顕著な点を除いて)。(すでにこの時点では一般常識になっている)他のこまごまとした点については説明を省くと、要するにエドガーは典型的なboiになったのである。本物の男性に惹かれる女性的な生物に。
多くのboiたち同様、エドガーもかなり自信を失った。それに、彼は女性の部下たちを魅了して彼の仕事をさせることができなくなったし、そうする気持ちも失ったのだった。その結果、彼がひどく無能な人間であったことが、あっという間に明らかになり、すぐに彼はクビになったのだった。
しかしながら、彼の会社は社員に対して義務がある。会社はエドガーに仕事上で挽回し、元々の地位にふさわしい人間であることを証明するチャンスを提供した。そして、彼は秘書になったのである。
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この写真は、エドガーが秘書の仕事についたばかりの頃の写真である。もちろん、彼はこの仕事は自分には低すぎる仕事だと感じていたが、かと言って無職になりたいとは思っていなかった。
そこで彼はこの仕事にできるだけ打ち込み、全力を傾けた。
髪のスタイリングを頑張り、化粧でも(boiの間での新しいファッションに乗り遅れないように)頑張って、人に見られても恥ずかしくない程度にできるようになった。眉毛もずいぶんむしり取った。
彼はまあまあの容貌になったと思っている。彼はさらに生れて初めてドレスを着たし、パンティも履いた。
ともあれ、彼は仕事ができるboiと見られたかったのである。
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「プライスか? 本当に君が? よく見せてくれ。後ろを向いて。スカートも捲ってくれるか? 下に何を履いてるか見せてくれ。ソングか? それはいい」
「ありがとうございます」
エドガーは彼の元同僚であるトレバー・クレモンズのもとに配置された。もちろん、トレバーは本物の男性である。ふたりはかつて友人同士であった。
だが、エドガーは、トレバーが思いを寄せていた女性と寝て、それが原因でふたりの友情は終わってしまったのだった。その後ふたりは和解したと思われており、表面的には友好関係を取り繕っていた。だがエドガーは、トレバーがまだ彼に悪い感情を抱いていることを知っていた。
エドガーは、トレバーのオフィスに入ると、すぐにトレバーが実に嬉しそうな笑顔になるのを見た。エドガーは自分の能力を証明するためにもこのチャンスを台無しにしたくないと誓っていた。それを思い出し、彼はトレバーがどんなことを要求してきても、それに応じた。
彼は、顔を赤らめながらも、ドレスの裾を捲り上げ、パンティさえも見せた。彼は何度も自分に言い聞かせた。自分は今はただの秘書なのだと。ボスの求めることをしなければいけないのだと。
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「君はまだアレをもってるの? あれ…分かるだろ?」
「もちろんです!」
「じゃあ見せて」
トレバーは新しい秘書についての取り調べを続けた。
エドガーは、「言ったはずよ」と言わんばかりの笑顔を見せつつ、スカートをめくり上げ、パンティを横にずらし、実際、まだペニスがついているところを見せた。
すぐ後にトレバーが大笑いするのを見て、エドガーの顔から急速に笑みが消えた。エドガーの残された男性性にトレバーが感動してないことは明らかだった。