ロリイは車を駐車場に入れ、トランクからキャリー付きのスーツケースを出して、アパートへと進んだ。そしてハンドバッグから鍵を出し、ドアノブに差し込み、玄関を開けた。部屋に入った後は、内側からカギを掛け、チェーンロックも掛けた。そのまま寝室へと進み、スーツケースを横に置き、ハンドバッグを椅子の背にかけた。そして、ネッカチーフを解き、白いブラウスを脱ぎ始めた。
ロリイは気づいていない。クローゼットの中、衣類の陰に隠れている男に。
無防備な美女が服を脱ぎ始めるという、そそられる姿を見ながら、アーチーは我を忘れて喜んだ。すでにガチガチに勃起している。いつでも、それを突っ込み、このブロンド美女をひいひい泣かせる準備ができていた。
「おお …………… いいぞ、もっと来い! …………… もっと見せろ! くそ …………… ずいぶんヤッてなかったからな! …………… 待ち切れねえぜ! あのセクシーな白脚で尻を包まれる感じがよ!」
先にアパートに忍び込み、部屋の中を探索し回ったアーチーは、洗濯物入れからパンティを盗んでいた。いま、彼はそれを鼻に当て、このブロンド美女の香りを嗅いだ。猟犬に獲物の匂いを嗅がせるようなものである。クローゼットの中、椅子に座り、レースの下着を鼻に当てる。その下着は彼を準備万端にさせるのに充分だった。
ブラウスのボタンを外し、ロリイはネッカチーフを取り、クローゼットに向かった。ラックからハンガーを取って、そこにネッカチーフを掛け、ラックに戻した。それから前屈みになって、黒いハイヒールを片足ずつ脱いだ。
その次の瞬間だった。突然、どこからともなく大きな手が伸びてきて口を塞がれ、クローゼットから引きずり出される。恐怖から、全身に冷たいものが走るのを感じた。
「えっ、なに? いやっ! イヤアぁぁぁぁぁぁッ! ………………」
恐怖に震え、逃れようと必死になってクローゼットのドアを掴んだ。
「むむむむっ …………………… むむむんんん!」
口を完全に塞がれた後は、助けを呼ぶ叫び声もくぐもって聞こえない。最悪の事態が襲いかかろうとしている。………… 襲われた! ………… 誰とも分からぬ男に乱暴され、犯される! その圧倒的な恐怖にロリイはガクガクと身体を震わせた。
男の手が腰のあたりから這いあがり、前をはだけたままの白ブラウスと薄地のレース・ブラの上から右の乳房を覆った。
男が耳を舐め回ったり、穴に舌を挿し入れたりする。ロリイは男の囁く声が聞こえた。
「捕まえたぜ、エヘヘ! 指にダイヤの指輪をしてるな。キラキラ輝いてるぜ。お前、もうすぐ結婚するんだってな、へっ!」
リロイの目から涙が溢れ、頬を伝った。
アーチーはロリイを後ろからがっちり抱きしめたまま、じりじりとベッドへと移動した。彼女がぶるぶる身体を震わせているのが伝わり、彼を喜ばせる。
「ほおー …………… お前、いいオッパイしてるんだな!」 とアーチーは彼女の乳房を揉み、くくくと笑った。
「お前、ピルは飲んでんのか?」
「むんんっ!……んんん!」 リロイはくぐもった泣き声を上げ、頭を左右に振った。
だからヤメテとロリイは伝えたかったのだろう。だが、それはアーチーがまさに望んだところだった。
「そうか。ならお祈りを始めた方がいいぜ …………………… 俺は空撃ちはしねえ主義だからな! ウエディング・ドレスもちょっと縫いなおした方がいいぞ。腹のところをな …………………… 教会を歩く頃には膨らんできてるはずだぜ!」
「むんんっ! むむん! …………………… んんんんんん!」
ロリイは必死に懇願し、そして激しく抵抗し始めた。
ベッド前に来たのを受け、アーチーは乱暴にロリイの身体を反転させ、前を向かせた。そうして彼の全体重を乗せるようにして、ロリイともどもベッドに倒れた。そうすることにより、意図的に彼女の身体から息をすべて押し出した。
手で彼女の口を塞いだまま、アーチーはどすの利いた声で威嚇した。
「大声を出してみろ。その声がお前が上げる最後の声になるからな!」
たとえ、ロリイが叫んだとしても、彼は実際にはそのようなことをする意図はなかった。こうやって脅かしておくだけで、充分、悲鳴を上げないようになると、知っていた。