*
ジェニーは女性にしては背が高い。180センチはある。だから、マークは彼女を見上げるのに慣れていた(特にジェニーがハイヒールを履いた時はそう)。だが、2週間ほどした時、マークは、ジェニーが自分より確実に15センチ以上は背が高くなっているのに気づいて、驚き、ジェニーに身長を測ってもらった。160センチだった。体重も測り、減っているのを知った。ただ、減ったとはいえ、いまだに86キロなので、太ってるのには変わりない。マークは鏡で自分の姿を見てみた。
お尻がはっきりと大きくなっていた。腰もそれに応じて幅広になっていた。上半身からは、大半の筋肉がそげ落ちていた。だが、最悪なのは胸だった。少なくともBカップはあるに違いないし、(前はそうでなかったのだが)乳首が大きくなっていて、まるで女性の乳房のように見えていた。マークは自分のからだを見て、うんざりした。確かに、身長が縮んだのは悩みだが、これは自分でもどうしようもないこと。問題はからだの脂肪のほう。
そこでマークは体重を減らさなければと自覚した。ただ、実際にジムに行くのは、このからだだけに恥ずかしかった。そこで、彼はジェニーの持ち物を漁り、エクササイズ用の古いビデオテープを見つけた。早速、それをデッキに入れ、運動を始めた(画面では、ありえないほどカラダが引き締まったブロンドの女性がエクササイズを指導していた)。何とか、テープに合わせてからだを動かす。動きに合わせて、彼の乳房がぶるんぶるんと揺れた。終えた頃には汗びっしょりになっていた。
その晩は、夕食としてサラダだけを食べた。いつものワインも、この日は控えた。彼は、背が低くなったことについてテレンスやジェニーが何も言わなかったのを不思議に思ったが、むしろ、無視してくれたことをありがたく感じていた。
それから1ヶ月間、マークはエクササイズの日課をきっちりと守った(実際、もっと上級向けのエクササイズ用のビデオをオンラインで注文してさえいた)。さらにダイエットもきちんと守った。そのおかげか、非常に明確に、体重を落とすことができた。マークは結果を見て嬉しかったが、背がますます低くなっているのを知り、がっかりした。今は、155センチのチビになってしまっている。エクササイズを開始して1ヵ月で、体重は59キロに落ちていた。その減った体重の大半は、からだ全体が縮小したことによるのは知っていたが、それでも、脂肪分が減ったことは確実で、否定できない事実だった。
お尻も引き締まっていた(が、依然として、丸い)。胸の方も大きく見てもAカップまで小さくなっていた。ウェストはというと、73センチまで細くなっている(こんなに細くなったのは、何年もなかった)。だがマークは満足していなかった。まだまだ、たくさん脂肪が残っている。
ある日、特に激しくエクササイズに精を出した後、彼はシャワーを浴びた。そして、シャワーから出た時、全身の体毛がなくなっているのに気づいた(陰毛までも消えていた)。からだ全体でもいろいろ変化が起きていたので、体毛の喪失は、ほとんど心配にならなかった。彼は肩をすくめて、忘れることにした。
それから2日ほど経った夜。ジェニーとマークがベッドに入ろうとしていた時だった。ジェニーが言った。
「マーク? 私、あなたが最近エクササイズを頑張ってきたのを知ってるわ。その効果が出てきたことに、私が気づいていないなんて思わないでね。と言うわけで、あなたにご褒美としてプレゼントをあげるわ」
と、ジェニーは彼にバッグを出した。中には、ショートパンツが2着とTシャツが3着入っていた。
「あなたが着てる服、最近、からだに合わなくなっているでしょ? だから…」
もちろん、ジェニーの言うとおりだった。エクササイズでからだを動かすとき、しょっちゅう、中断して、ズボンを引っぱり上げなければいけなかったからである。マークは彼女にお礼のキスをし、ふたりは眠りについた。
翌日、マークは、プレゼントの服を着て、驚いた。ショートパンツは、それまで履きなれていたものより、ずっと短く、きつい。多分、もっと体重を落とすようにと励ましのつもりで、このサイズを買って来たんだな、とマークは思った。Tシャツも着てみた。サイズはぴったりだったけれど、袖はキャップ・スリーブ(
参考)で、着慣れていないものだった。下着のブリーフは、今は大きすぎて、ショートパンツの中でずれ落ちてばっかりだったので、下着は履かないことにしていた。
マークは、ジェニーは服について変わった趣味をしてるんだなと肩をすくめ、早速、エクササイズを始めた(今日は、ジャズダンス風エアロビの日だ)。エクササイズを終え、シャワーを浴びようと、服を脱いだ。マークは、それについて考えるのは好きではなかったのだが、彼の分身も日増しに小さくなっていたのだった(今は、柔い時だと5センチにもならない)。