「ええっ? ママ、本当に車の中でそんなことしたの?」 と娘はショックを受けていた。
「クリスティ、しかたなかったのよ。ママは……ママはフランクがあの写真を持ってると知っていたし……もし、しなかったら、あいつのことだから……」 クリスティがあたしのことをどう思うか不安で、最後まで言えなかった。
「分かってるわ、ママ。分かってる……ただ、何と言うか……すごく、エッチな感じなので!」 とクリスティはあからさまに言った。
こんなこと、突然言い出すので、ビックリしてしまった。クリスティの顔を見つめたまま。でも、娘があたしのことを淫乱女みたいに思っていないのを知って、少し、ほっとした。
娘は、あたしが車の中で指で犯されたところが気に入っていたみたい。時々、娘の視線があたしの顔から、他のところに逸れるのに気づいた。その視線を追ったら、あたしのゆったりしたブラウスの胸元、胸が盛り上がってるところをチラチラ見ている様子だった。胸を見られるたびに、ちょっと興奮してくる感じがしたけど、何とかその興奮を押さえこみながら、話しを続けた。
話しがレイブンのところになった時は、レイブンがしたことは、ストリッパーがするような感じのダンスにすぎなかったと思わせるように、話した。
「ストリップ・クラブ! ママ、ストリップ・クラブに行ったの? 分かってるわ、ママがそうしなければいけなかったのは。ちゃんと理解できる。でも、そこって、どんな感じの場所なの?」
あたしは少しだけ詳しく説明してあげた。クリスティが、そういう場所に行ったことがないのを知って少し安心していた。親というのは、そういうことがいつも気がかりになるものだから。娘が暇な時にどういうことをしてるか、いつも、心配になるものだから。
「んもう! あいつ、殺してやるわ! ほんと、あいつのあそこをちょん切ってやりたい!」 フランクがあたしをレイプしようとしたところを話したら、クリスティは本気になって怒っていた。
アダムのこと、アダムが何をしてくれたかを話した時は、娘は目を丸くして聞いていた。突然、あたしをギュッと抱きしめて、それから、パッと離れて、言った。
「ああ、そのアダムって人に会ってみたいわ、ママ! ほんとに会ってみたい! 会って、お礼を言いたいの! ママ? その人、何なの?」
こんなに興奮して目を輝かせているクリスティを見るのは初めて。
「ママも知らないの。知っているのは彼の名前だけ。それに彼、あそこは首になってしまったし」
クリスティとあたしは互いに見つめあって、その夜、それぞれ経験したことを思いながら、ソファに座っていた。娘との心の絆がいっそう深まったのを実感していた。
でも、大変な一日だったので、ちょっと疲れたかなと思った。シャワーを浴びて、からだから、フランクに関わることを一切洗い流したい気持。
「もう遅いわね。そろそろ寝なきゃいけないと思うわ。トミーはまだ帰っていないの?」 と立ち上がりながら訊いた。
「ええ、まだ。一度、ジーナと一緒にちょっと戻ってきたんだけど、すぐに映画を観に行くって、出かけていったの」
息子がジーナと付き合ってるのを知って、嬉しかった。だけど、息子がいないのが寂しいと感じる部分もあった。息子に癒してもらいたい感じ、かな?
ともあれ、あたしはシャワーを浴びに二階に上がった。