僕は母親に顔を向けた。
「お母さんも、どうして僕がこういうことをしたか、もう分かったね。僕は、この地区でのお母さんの社会的な立場がぼろぼろになるように手配しておいた。だから、これからは、お母さんには大きな収入もなくなるのに加えて、この地域の友だちもいなくなるはず。でも、僕を除くこの部屋にいる者みんなとか、お母さんとシンディが連れてくるバカどもがいるから、構わないだろう? 昨日の夜、僕は、このノートに載ってるすべての人に、ある小包2つを配達するように手配したよ」
そう言って僕はノートを母の前に放り投げた。
「ひとつは男性に、もう一つは女性に配達される。小包には、ここでテッドたちみんながやってきたことを録画して、編集したビデオが入ってる。お母さん、覚えている? テッドに、シンディと一緒に四つんばいにさせられて、やった時のこと? テッドは、お母さんとシンディのあそこに、交互に突っ込みを繰り返したよね。そして、『他にもっと淫乱売女がいねえのか!』ってテッドが叫んでいた。あのシーンは、男性に送る方のテープの最後を飾るシーンにしておいた。最後のところちょっと加工して、テッドが、『今度は、お前の奥さんを俺専用の淫乱女にしてやるぜ。俺はいつでも狙ってるからな』って言ってると聞こえる風にしてある・・・」
「・・・それに、テッド、お母さん、シンディの3人が、やり終わったところ。あそこのシーンも入れておいた。テッドはすっかり疲れて、真っ裸でリビングの床に仰向けになっていたけど、それを見てお母さんが、『シンディ? 私たち、逞しい男がもう一人は欲しいわね』って言ってたね。それを聞いて3人とも大笑いしていた。あそこのシーンは、女性に送るテープの最後のシーンだ。音声も、『私たち、近々、実地テストを始めるつもり。あなたのご主人、テストにパスするかもしれないわね』って言って、笑ってるように変えておいたよ・・・」
そこまで言って、僕は留守番電話のところに歩いた。
「明日、盛大なバーベキュー・パーティを開くんだろ? その準備の買い物に忙しかったんだろうけど。でも、ちょっとこれを聞いてみるといいよ」
僕は録音の再生ボタンを押した。非常に取り澄ました声で、明日のパーティには自分も夫も出席しないことと、今後一切、お付き合いはしないことを告げ、受話器を置く音が聞こえた。その後のメッセージも同じような内容で、それが延々続く。5分ほど聞いた後、僕は再生を止めた。
「残りのメッセージは僕が帰っていってから聞くといいよ」
母は僕を顔を見て言った。
「どうして、自分の母親なのに、こんなひどいことを?」
「お母さんこそ、どうして、自分の息子なのに、お母さんやシンディがしてきたことを我慢してしろって言えたのかなあ? それにゲイのような真似もさせようとした。短い会話だったけど、この前、まさにこのテーブルで僕たちがした会話で、僕ははっきり分かったんだよ。僕にはすでに母親も妻もいなのだとね。お母さんも、シンディも、テッドにとっての淫乱娼婦以外の何でもないということをね・・・」
「・・・それじゃあ、皆さんの興奮を祈るよ」
僕はそう言って出て行こうとした。父が呼び止めた。
「ちょっと待ってくれ」
「何? お父さん」
「私とジョイスについてはどうなんだ?」