「あなたがどんな決断をしようとも、これからどんなふうにしたいと思おうとも、私は大丈夫よ」とジェニーは言い、そして抱擁を解いた。
「でも、その前に……」とジェニーは悪戯そうな笑みを浮かべた。「ちょっとエッチなことしたくない?」
マークは、まだ涙が頬を伝っていたものの、笑顔になった。「いつも同じこと考えてるんだね?」
「だって、あなた、すごくセクシーなんだもの。それに、昨日の夜は、私がしたかったことを全部する前に、ふたりとも疲れ切ってしまったでしょ?」
「疲れ切ったのは君だけだよ。僕にはスタミナがある」とマークは笑った。
ジェニーは夫をぐいっと抱き寄せ、ディープ・キスをした。そして、彼のシャツを脱ぐのを手伝い、上半身を裸にすると、すぐに彼の乳首に貪りついた。左右の乳首を交互に舐めたり、甘く噛んだりする。マークは、アッ、ああーんと女性のような悶え声をあげた。
ひとしきり乳首を攻めた後、ジェニーはマークのからだを押して、ベッドに仰向けにさせ、ショートパンツを脱がし、さらにはパンティも剥ぎ取るようにして脱がせた。
「脚を広げるのよ!」
ジェニーは命令口調でそう言い、マークは従順にそれに従った。ジェニーは、広げた脚の間に顔を埋め、柔らかいままの小さなペニスを口に含みながら、優しく彼のアヌスを指でいじった。それからジェニーは立ち上がり、セクシーに服を脱ぎ始めた。マークは脚を大きく広げたまま、ベッドに仰向けに横たわりジェニーを見上げていた。小さなペニスがピンと立っている。
ジェニーは全裸になると、すぐにベッドに戻り、片脚をマークの脚の下に滑り込ませた。それから、もう片脚をその上に乗せ、女陰が彼の柔らかなペニスに触れるまで股間を寄せ、ゆっくり前後に動き始めた。うふん、うふんといやらしい声を上げながら。
ジェニーが何をしてるのか、マークは知っていた。前にポルノビデオで見たことがあった。「ハサミ合わせ」とか「貝合わせ」(
参考)とか呼ばれる行為だ。ジェニーは自分をレズビアンの相手のようにして愛の行為をしているということだった。
そして、その瞬間、マークは決心を固めた。自分はボイなのだ。男ではないのだ。妻は自分を女性に近い存在として見ている。その理由だけで、自分はボイなのだと自覚するのに充分な理由となった。
ふたりはそれから1時間ほど愛しあった。様々な体位で股間を擦り合わせ続け、ふたりとも幾度となく絶頂に達することができた(マークの方はアヌスを刺激された時だけではあったが)。
行為が終わり、ふたりはベッドに横たわった。この時もマークはジェニーの腕に包まれながら余韻を楽しんだ。そして彼は言った。
「ジェニー? 僕はボイだよ。もう、ごまかしても始まらない。だから、僕はこれからボイらしい振舞いをすべきなんだ。言葉も含めて」
「オーケーよ。それがあなたの望みなら」とジェニーは優しい声で言った。
「……ええ、私は私でしかないのよ」とマークは女言葉で返事した。