息子がジーナに、黙っていてと言いたげな顔を見せた。あたしはただ頭を左右に振るだけ。この娘さん、本当に困った子だわ。
よく見ると、ジーナのブラウスの前が乱れてて、普通より胸がはだけて見えていた。健康的に日焼けした胸の谷間が見えている。どうやら、この子たち、家に来る前に車の中でいちゃついてたみたい。
確かに、まじまじとジーナを見てみると、とても若いし、官能的でゴージャスなカラダをしてる。長い黒髪も素敵。息子がこの娘に夢中になるのも無理はないわ。この胸だけでも、男の子たちをたくさん惹きつけられるはず。
「ママ? ちょっとジーナとふたりだけで僕の部屋に行きたいんだけど、ママ、ひとりだけにしてもいいよね?」
「ええ、構わないわよ。どうぞ!」 内心は違うんだけど、そう答えた。
ジーナが息子の腕を引っぱった。「行こう、トミー?」
ジーナは自分から先に進んで、息子を引っぱって階段を上って行った。あたしはひとりぼっちで椅子に座った。ジーナがいなければ、今頃、あたしが息子と一緒にいられたのに……。
いや、ダメダメ。そんなこと考えちゃダメ。あたしは大人なの。そろそろちゃんと大人らしい行動をしなきゃダメ。
でも、いくら頑張ってそう考えようとしても、どうしても、いま息子とジーナが部屋で何をしているのか気になってしまう。多分、エッチしてるんじゃないかと思った。そう思った途端、息子のおちんちんがあの若い娘の中に滑り込んでいく光景が浮かんできて、それで頭の中がいっぱいになってしまう。気がついたら、シャツを捲り上げて、手を脚の間に入れていた。ふたりがしてることを想像しながら、あそこに指を当てて、お豆を円を描くように撫でていた。
ああ、みるみるカラダが熱くなっていく。さっきワインを飲んだのもいけなかったのかも。息子とジーナがエッチしてるのを想像しながら、どんどん興奮しちゃってる……。
あたしは立ち上がって、音を立てないように階段の方へ歩き始めた。どうしても知りたいの…。ふたりが何をしているのか、知っておきたいの……。そろりそろりと階段を登り、息子の部屋の前に来た。
「ヤッテ! うふんっ! もっと強くぅ!」
ドアの向こうからジーナの声が聞こえた。
「ああ、あなたのせいで、私、こんなに濡れちゃってる!」
もう充分! あたしはジーナがああいう言葉を言うのを聞いて興奮しながら、ドアの前を去った。階下に戻ってカウチに座り、テレビをつけた。チャンネルを変え続けたけど、何も面白いのをやっていない。息子たちが2階でセックスしてる。そればっかり考えてしまい、どんどんあたしの欲求不満に油を注ぐだけ。
思えば、あたしがこうなってしまったのも、夫がしょっちゅう出張に出かけるようになってからだわ。そのせいで夫とセックスする機会があまりなくなってしまった。多分、夫の代わりに息子がいつもそばにいて、あたしの性的欲求を満たしてくれてたし、いろんな性的経験もしたので、夫は必要ないと考えていたのかもしれない。そうだわ、きっと、そうよ! 夫が出張から帰ってきたらすぐに、この状態を修復しなければと心に誓った。
そんなことを思いながらソファに座って30分くらいぼんやりとしていた。もうそろそろ寝ようとした時だった。
「ねえ、ケイト? ちょっとお話しできる?」
ジーナだった。階段の降り口の角から顔を見せていた。裸足できたので足音がしなかった。ナイトシャツだけを着てて、丈が短いので、綺麗な脚が露出している。
「ええ、いいわよ、ジーナ。どんな話し?」