時が過ぎ、すぐにマークが新しい仕事を始める時が来た。というわけで、彼が仕事を開始する予定の前日、彼とジェニーはショッピングに出かけた。ジェニーは、マークには、ちょっと遊び心がある(だが、趣味の良い)スカートとふんわりした感じのブラウスを着るのがベストだと思ったし、マークも特に反論しなかった。そして、翌日、彼は黒いスカートと白いブラウスで出勤したのである。スカートは膝上10センチほどの丈で、ふわふわした感じ。ブラウスの方は胸元がちょっと開いていて、趣味の良いものだった。それに黒いハイヒール。スカートの中には、赤いソング・パンティを履いた(ちょっとだけエッチな気分を味わいたかったので)。
彼が出勤しすると、職場の人々は非常に暖かく迎え入れ、彼をオフィスへと案内した。狭いオフィスだったけど、そもそも彼は大きなスペースは必要なかった。というのも、オフィスに留まってることは滅多にないことになっていたからである。彼はすぐに仕事を与えられた。次号に向けて新しいボイ・ファッションの撮影の仕事だった。
早速、マークは市街を移動し、とある小さなスタジオに向かった。そこにはボイが何人かいて、着替えをしている最中だった。マークは自己紹介をした。そこにいたボイたちは皆、とても良い人たちだった。その後、彼は、この撮影を指揮している女性に紹介された。その人の名前はミルドレッドと言った(この人の名を知っている!)
ミルドレッドはマークの姿を上から下までじろじろ見て、言った。
「あんたモデルをする気、ない?」 彼女はヨーロッパ人ぽい訛りで言った。
マークはビックリして訊いた。「私が?」
「ええ、あんたよ、バカなボイね! あんたすごく綺麗じゃない?」
当惑したマークは、ちょっと考え込んでしまったが、とりあえず、すぐに「分かりました」と返事した。
ミルドレッドはパンパンと手を叩き、「それでよろしい。服を脱ぎなさい」と命じた。それから(顔面蒼白になってる赤毛の)別のボイに向かって、「あんた。あんたはクビ。さっさと出て行って」 と言った。そして、またマークの方を向くと、「なんで、まだ服を着てるのよ?」 と言った。
マークは慌てて服を脱ぎ始めた。その間、ミルドレッドはアシスタントのひとりに命じた。
「あんた、カメラを使えるわよね? できる? よろしい。写真を取って、それから誰かに指示して、このボイに適切な服を用意させて」
その頃にはマークは裸になっていた。ただ、パンティは履いたままだった。
「パンティもよ、ボイ」 とミルドレッドは命じた。
マークはパンティも脱いだ。何ヶ月もエアロビを続けてきて良かったと思った。誰かが、とても丈の短いスカートを持ってきた。それを履く。お尻がかろうじて隠れる程度だった。その次に、ブラウスを与えられた。これも丈が短く、おへそがやっと隠れる程度で、前はすっかり開いてるも同然のデザインだった。次に白いストッキング。太腿の真中あたりまでの長さ。最後に、ハイヒールを履いた。どう見ても、ストリッパーが履くハイヒールとしか形容できない靴だった。
「うん、いいわね。さあ、あんたは中央に。他のボイはその後ろに立って…」とミルドレッドは言った。
と、そんな調子でマークの最初の撮影が始まった(少なくとも、彼にとっては被写体となる撮影は初めてだった)。モデルは、見かけよりもハードな仕事だった。あれこれ、ポーズを取り、まさに適切な表情をしなければならない。だが、マークは天性の才能があるようだった。
撮影後、ミルドレッドは彼を隣に引き寄せ、「また是非とも一緒に仕事をしなくちゃね」 と言い、名刺を渡した。「明日の朝、電話をよこして。あなたのモデルとしての仕事について話しあいましょう」
そう言って、彼女は出て行った。マークはプロのファッション・モデルになったのである。
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