ジーナの完璧と言える若々しいからだのことをじろじろ見るのは避けようとしてたけど、シャツの上からも固くなった乳首がはっきり見えて、気が散ってしまう。
ジーナはあたしの隣に座って、深く息をついた。ついさっきまで息子とセックスしてたからか、彼女の肌にうっすら汗が浮かんでいる。
「さっき、ここに来た時、私、お行儀が悪かったと思うの。それを謝りたくって」 とジーナはうつむいて自分の膝に視線を落とした。
ジーナに話すとき、何でもないふうに平静でいようとしてたけど、でも、事実はと言うと、やっぱり、この娘はとても魅力的だわと思っていた。長い黒髪が緩やかなウェーブを描いて肩に掛っていて、顔をあげるとき、その髪を横に振り上げる仕草が可愛い。
「謝る必要なんかないわよ。あなた、私に何も変なこと言わなかったじゃない?」
「まさにそこなの。ちゃんと挨拶すべきだったの。こんにちはとか、ご機嫌いかがですかとか。でも私はそうしなかった。私、ぶしつけだった。ごめんなさい」
ジーナはあたしに近づいてきて、あたしたちの膝がしらが触れあった。あたしの手を優しく握ってくる。彼女の柔らかくて暖かい肌を感じて、急に心臓がドキドキしてきた。それに、彼女のからだからうっすらと漂ってくる匂いに気づいた。この匂い分かるわ……アレの匂い……精液の匂い! セックスと精液の匂いよ! ジーナが息子と2階で何をしていたか知っていたので、彼女、息子の精液をどこかにつけてるのだと思った。でも、どこに?
「分かったわ。謝ってくれてありがとう」 そう囁きながら、シャツの下に隠れている彼女の胸に目を落とした。
ちょうどその時、ジーナが顔をあげてあたしを見た。あたしは慌てて目を反らしたけど、あたしが彼女の胸を見ていたのに気づかれたかどうか、分からなかった。
また彼女の目に視線を戻したら、ちょっと笑っているような表情が見えた。その笑みが急に消えて、代わりに、優しい目つきに変わった。ジーナはあたしを観察しているみたい。大きな黒い瞳でじっとあたしを見つめて観察している。
「ありがとう、ケイト。これからはお行儀良くするって約束するわ」
ジーナはそう言って、手を伸ばし、あたしの首を抱えるようにしてハグしてきた。ちょっとこれは予想してなかった行為だったけど、でも、歓迎すべきことなのは間違いないわ。あたしの腕に彼女の固い乳首がピッタリと押し付けられて、あたしはからだじゅうに鳥肌がたつ感じがした。ジーナは何秒かあたしをぎゅっと抱きしめた後、からだを離した。でも、両手をあたしの首に巻きつけたまま。
「ケイトは私とトミーにいつもとても優しくしてくれるのね。何かあなたのためにできることがあったら、何でもいいから、言って」 とジーナは顔をあたしの顔に近づけて、囁いた。
この子、あたしに影響を与え始めてる。あの靴屋さんで出会ったスージーと同じ。何だかエッチな気持ちになってきてしまう。気づくと息が乱れていたし、緊張して背中が固くなっていた。
「分かったわ、ジーナ」 その時は、それしか言えなかった。
ジーナはにっこり笑って、あたしに顔を近づけてきた。まるでキスしようとしたみたいに。でも、すぐそばまできて、止めてしまった。どういうこと? あたしにキスしようとしたんじゃないの?
あたしはジーナの唇を見つめていた。濡れていて、キラキラ輝いている。これはお誘いなの? あたしは、彼女のほのめかしを拒まない気持ちになっていた。
そして、気づいたらあたしの唇が彼女の唇に触れていた。あたしとジーナのどちらが、この接触を引き起こしたのか分からない。彼女のお口が開くのを感じた。濡れた舌が出てきて、あたしの唇を舐めはじめる。あたしの唇を開かせようとしている。
心臓をドキドキさせながら、あたしはお口を開いた。ジーナの濡れた舌がすぐに入ってきて、あたしも舌を出して彼女の舌に触れた。
ジーナのお口の中を舌で探って、味わった。お馴染みの味がするのに気づいた。息子のおちんちんの味だわ!
その刺激があたしの感覚を貫いて、それに加えて、このスリル! 息子のガールフレンドとキスしてるスリル! それも、息子の射精をお口で受けとめたばかりのガールフレンドと舌を絡ませ合っている!
「んんん、ケイト? 私、あなたにこれをするの大好きよ」 とジーナはあたしのお口をお口でふさいだまま囁いた。ふたり互いに舌を探り合っている。
「本当は、こういうこと、いけないのよ」 とあたしは囁き返したけど、キスはやめなかった。
「彼の味、分かる? あなたの息子のおちんちんの味?」
「ジーナ、お願いだから……」
ジーナは顔を傾け、いっそう強く唇を押しつけてきた。舌をあたしのお口の奥に突き出してくる。そしてあたしもそれを待ち望んでいた。上下の唇を丸めて彼女の舌を包むようにして、ちゅーっと吸った。あたかも息子のおちんちんを吸ってる感じで。もう、この時は淫らな情熱で我を忘れていた。
すると、突然、ジーナはキスを解き、立ち上がった。あたしは、どうしてなの? とわけが分からない気持ちで彼女を見上げた。こんなに急にキスをやめられてしまったことにちょっとがっかりもしていた。
ジーナはちょっとイタズラそうな笑みを浮かべてあたしを見おろしていた。ソファに座るあたしの両膝を挟んで、脚を広げて立っている。
「ここに降りてくる前に、トミーが私に何をしたか、見てみたい?」
もう息ができない。ジーナが息子とのセックスのことを言ってるのは知っていた。あたしは固唾を飲んで、「そんなの見たくないわ。こんな淫らな時間はもうヤメ」と言おうと思った。でも……
「うん……」
そう囁いていた。自分の意思にも良識のある判断にも反して……。