「ウブな若妻」 Naive Newlywed - I by Black Demon
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ブッバ・グライムズは、本社勤務に昇進し、権力を得て満悦だった。200名近くのスタッフを指揮する立場になったのである。ブッバは少数人種の黒人であるという立場を利用して出世してきたのであるが、彼の極悪非道な性格も出世に無関係であったとは言い難い。いまやブッバは部下の白人男たちをみな見下せる立場にいる。
女性事務職にとって最も給与が良いポジションは、本社のマネージャーの管理アシスタントの職位である。その中でも最高の職位は、トップ・マネジャーのアシスタントである。トップ・マネジャーのアシスタントになれば、下級マネジャーの2倍の給与がもらえるのであった。
現在トップ・マネジャーの地位についているのは邪悪なブッバ・グライムズである。そのアシスタントの職を得るための必要条件のひとつに、トップ・マネジャーと面接することがあり、個人的なアシスタントとして誰を選ぶかは、おおむね、トップ・マネジャーの一存に委ねられるのが通例である。
もちろん会社は、アシスタントとして、メモを取るとかタイピングができるとかの必要最小限の条件を課していた。だが、ブッバ・グライムズは、アシスタントの選択について個人的な条件を加えていた。若く、美人で白人女性であること、そして最も重要なこことして人妻であることが彼の条件だった。
ブッバは月に一度、会社の首脳がトップ・マネジャーたちを集める会合に出席しなければならなかった。その会合は、毎月、違った支店で開かれる。当然、会合が開かれる時は泊りがけの出張になったし、個人的アシスタントも彼に同行し、ホテルに宿泊することを意味していた。
社内ですぐに皆が知り、噂になっていることがある。それは、このブッバ・グライムズというトップ・マネジャーは、出張にいつもアシスタントを連れていくということだ。彼は、秘書たちの中からひとりを選んで会合に連れていく。噂によると、この黒人マネジャーは、会社が求めるあらゆる領域で有能な人物であることに加えて、若く、美しく、既婚の女性を選ぶらしい。大半が白人女性だとのことだ。
もうひとつ、秘書たちの中でもエリートに属する者たちの間で、常識となっていたことがあった。それは、グライムズが出張に同行する秘書として選んだ女性は、ホテルで彼とベッドを共にするよう求められているということである。これまでのところ、グライムズが出張に出たのは5回である。毎回、異なった秘書が選ばれていた。そのうち3人は出張後、昇進を受け、かなりの昇給を得ているが、他の2人は予定より前に出張から戻り、帰った後はトップ・マネジャーの元で働くことはなくなったのだった。だが、ふたりとも職を失うことを恐れてか、何も言わない。ブッバ・グライムズが「個人」アシスタントに何を求めているかを推定することは容易だった。
邪悪なマネジャーは、今度の会合を楽しみにしていた。そんな彼の注意を、ひとりの美しい秘書が惹きつけた。次の出張に同行させるアシスタントはこの女だとブッバは決めていた。その名はローラ・ウェイランド。まだ23歳の実に愛らしい女性で、半年前に入社したばかり。だが、ブッバ・グライムズの淫欲に満ちた心に最もアピールしたことは、彼女がつい2週間前に新婚旅行から戻って来たばかりという点だった。
ローラは、ブッバにオフィスに呼びだされ、次のシカゴでの会合に同行するアシスタントに選んだと告げられた時、すぐに、同行できないといくつか言い訳を述べた。彼女は、同僚からこの種類の出張に同行するとどんな仕事をさせられるか、すでに聞かされていたのである。
だが、ブッバの方も、ローラが結婚したばかりだろうから山ほど口実を並べるだろうと予想していた。そういうことでは、この会社にいられるのはあまり長くはないだろうなとほのめかし、加えて、ローラの夫の会社が新婚旅行中に倒産したことも指摘した。
それを受けてローラは嫌々ながらも個人秘書としてシカゴに同行することに同意した。彼女は、どうして自分が選ばれたのかを知っていたが、いま仕事を失ったらどうなるか、特に夫が無職で職探しをしている状態にあるとき、そうなったらどうなるかを考え、どうしても断ることはできないと思ったのだった。夫はそれでなくともストレスを抱えている。さらにストレスを加えることなど、どうしてもできなかったのだった。