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バースデイ・プレゼント 5 (1) 

「バースデイ・プレゼント」 第5章 第4章(3/3)の続き

店に入り、最初に僕の注意を惹いたのは、皮とビニールのボンデージ服に身を包んだ女性のマネキンだった。店に入る直前にドナが僕に言った言葉が、スパンキングのことだったので、なかなか、タイミングが良いと思った。ドナに目をやると、彼女もそのマネキンを見ていた。妻は瞳にクエスチョンマークを浮かべながら僕を見ていた。僕は思った。いいんじゃない? 毒を食らわば皿までも。やるならとことん、だ。僕はにやりと笑って言った。

「さっき、僕にスパンキングするつもりだって言ってたよね。だったら、それをするのに適切な衣装をすべきなのかもしれないよ」

「ええ、私も同じことを考えていたの。悪い娘には、ちゃんと躾をする必要があると思うから」

カウンターから、端正な顔立ちの赤毛の女性が出てきて、僕たちに声を掛けた。

「何かお探しですか?」

彼女は僕の唇を見て、さらに視線を僕の爪へ落とした。彼女の美しい唇にうっすらと笑みが浮かぶのが見えた。

僕は、このような反応に慣れ始めていたと思う。僕も微笑を返した。

「妻が2、3探しているものがあるんです」 そう言って、ドナに目をやり、微笑む。

妻は僕を見て、媚びるような笑みを浮かべた。

「ええ、そうなの」 そして赤毛の女性に顔を向ける。

「ピンクのネグリジェはあるかしら? 夫のビクトリアのサイズに合うような?」

美しい店員は僕に顔を向け、頭からつま先までじっくりと確かめるようにして見た。アーチ状にそろえた眉、グロスをつけた唇、目にもはっきり分かるブラジャー、そしてマニキュアをした偽爪を確認する。笑みを浮かべて返事した。

「まさにぴったりのサイズがあると思いますわ、ミス・ビクトリア?・・・こちらに来ていただけますか? 私の後について来てください」

彼女は店内を進み、多種多様なネグリジェが揃えてある一角に向かって行った。ハイヒールで歩いているため、彼女のヒップが大きく揺れて見える。

僕もついて行くと、彼女は振り返って僕を見た。

「あら、それはいけないわ」

と、そう言ってドナを見て、微笑む。

「それもお手伝いさせてもらってもよろしいかしら?」

妻も彼女に笑顔を返した。

「ええ、構いませんよ。ビクトリアは、こういうことをつい最近、覚え始めたばっかりなの」

「まあ、素晴らしいスタートを切ったようですわね。でも、その歩き方はもう少し練習しなければ。適切な靴が役に立つと思いますが、いかがでしょう?」

妻は微笑んで僕を見た。

「仰るとおり」

「私、ジェニーと言います。ちょうどそのようなものがありますよ」

彼女は僕たちを靴が揃えてある棚のところに連れて行った。さまざまな、美しいスパイク・ヒールの靴が並べてあった。僕の靴より、1サイズ半大きな数字が書かれている箱を取り出す。

「これが良さそう」

彼女は僕を座らせた。履いていた靴の紐を緩め、靴を脱がす。続いて、ソックスも脱がした。ジーンズの裾をふくらはぎの上までめくり上げ、椅子の横に置いてあった包みから、ふくらはぎまでの丈のストッキングを取り出した。

「足を出して、つま先を伸ばしてください」

この動作は、昨夜行ったことであることを思い出し、彼女に言われた通りにした。ジェニーは、濃茶のストッキングを僕のつま先にかぶせ、するすると巻き上げ、足からふくらはぎに掛けて、装着した。ふくらはぎ全体を撫でて、しわを伸ばす。もう一方の足にも同じことを行った。

「いらっしゃる前に体毛を剃って来ていただいて、助かりますわ。時々、毛むくじゃらのままでいらっしゃる方がいるのですが、それより、つるつるになっている足の方が、ずっと素敵に見えますものね」

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