家事を早めに終わらせ、自分と娘の分のコーヒーをいれて、次に何をしようかと考えた。ジョンは明日の夜に出張から戻ってくる。夫との関係を修復しなくちゃいけないのは知っていた。あたしたちの関係が完全に壊れてしまわないように、元のように親密になる必要がある。
フランクにあんなことをさせてしまったことに、罪悪感を感じていた。あの変態のことを頭の中から追い出して、夫のことに意識を集中させた。そう言えば、セックスの時、夫は、あたしが主導権を握ったほうを楽しんでいたみたい。明日の夜はジョンに何か特別なサービスをしてあげよう。
「クリスティ? ママはちょっとお買い物に行かなくちゃいけないし、トミーも明日まで戻ってこないはず。あなた、今日は何か計画があるの?」
あたしは娘とキッチンテーブルについてコーヒーを啜っていた。クリスティは顔を上げてあたしを見た。頭をさっと振って、髪を横に払う。すうっと長い官能的な首筋が髪の下から姿を見せる。とてもセクシーで思わずキスしたくなるような首筋。
「今日はママと一緒に過ごしたいなあと思っていたんだけど…」
それは確かに嬉しい返事だった。息子抜きでクリスティと一緒にひと時を過ごすのは楽しそう。クリスティがあのピチピチのからだを使ってあたしをからかったりしなければの話だけど。
「ママもできればそうしていたいけど、この仕事だけはママにさせて。時間はあまりかからないから。約束する」
「そう? 私も一緒に行っていい?」
ああダメ。今回はダメ。行こうと思ってる場所に娘を連れては行けないわ。
「クリスティ?……ママひとりで行った方がいいと思うわ」 と慎重に言葉を選んだ。
「どこに行こうと思ってるの?」 クリスティは急に好奇心が湧いてきたようだった。
「ちょっとお買い物……ママとパパのためのちょっとしたモノ。ママひとりで行くべきだと思っただけよ」
「ダメェェェ! 私も行くぅぅぅ! お願い!」
今日のクリスティは、濃い目の髪をアップにしてとても可愛い。お化粧も最小限なので、本当の年齢より幼く見えてて、そのからだとのアンバランスがとても魅力的。
「ああもう。ちょっと恥ずかしい目に会うかもしれないわよ? もし連れて行くとしたら、トミーにも他の誰にも絶対に言わないこと。約束して」
「約束する」 とクリスティは即答した。
「オーケー! じゃあ服を着替えて。準備ができたら、出かけましょう」
「ちょっと待って。どこに行くの?」
「ついてくれば分かるわ」
ちょっと楽しいことになるかもしれないと思った。クリスティはどこに連れていかれるのか知らず、すごく興奮していた。クリスティなら、その場所を見た途端、ちゃんと理解してくれるだろうという感触を持っていた。
あたしはお気に入りのドレスを着て、娘が二階から降りてくるのを辛抱強く待った。降りてきたクリスティは、長い脚を見せびらかしてるようなピチピチのショートパンツとタンクトップの姿だった。タンクトップの下には何もつけていないみたい。乳首の輪郭が浮き出て見えたから。それにからだをねじるようにして横に傾けると、タンクトップの裾から乳房のふもとがこぼれ出てくるのも見えた。ショートパンツも短くて、腰のところまで太腿が露わになっている。すごくセクシーなので、あたしはできるだけ凝視しないよう努めた。
「オーケー! 準備完了よ!」 とクリスティはにっこり微笑んだ。
あたしはごくりと固唾を飲みながら車に向かった。何だか、ちょっとフォーマルすぎる格好になっているような気がした。もうちょっとラフな格好でも良かったかも。そう思い、車に乗り込みながら、クリスティが見てない時を捉えて、ドレスのいちばん上のボタンをひとつ外した。
車を走らせると、クリスティが言った。
「ママ? どこかでランチを食べていかない?」
「そうね。ママもお腹ぺこぺこ。パパと一緒に時々行ってるんだけど、良い店があるわ。そこに行かない?」
「最高」
たった5分ほどで、その小さなイタリアンのレストランについた。中に入り、ウェイトレスにブース席を頼んだ。ウェイトレスは店の奥のブースにあたしたちを案内し、あたしとクリスティは横に並ぶ形で、席に座った。