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新たな始まり (3) 

2週間後、デニスの人生は、すでにはっきりと上向きに転じていた。そして、そのことのほぼすべてにベッキーが関係していた。ふたりは毎日のように会い、互いに一緒にいることを嬉しく感じていた。

デニスは自分の幸運が信じられなかった。それまでの人生、ずっと仲間外れにされ、孤島に住んでるようなものだったのだ。それが、彼が誰であるか、何をしているかに関して先入観をもたないひとりの女性のおかげで、その孤独感を吹っ飛ばすことができたのである。加えて、その女性はとても可愛らしい。そのことも、彼が自分は幸運だと思うことと関係があったのかもしれない。

外見の良さで判断するなんて……。デニス自身、ベッキーの内面でなく、外見に惹かれてることは、ちょっと変態っぽいし、極めて浅い考え方だということは知っていた。だが、彼は、可愛い女の子の愛情には免疫がなかったのである。ベッキーの性格は、第一の要因である彼女の外見、および、第二の要因である、彼女が彼を気に入ってくれているという事実のふたつの陰に隠れ、デニスにとっては第3要因として遠くの問題に見えていた。愛らしい外見と表面的な愛情。この2点が一緒になって働き、第3の要因である性格が陰に潜むということは、よくあることだが、デニスにはそれを知る経験がほとんどなかったのである。

デニスはベッキーが本当はどんなタイプの人間か、もっと注意を払うべきだった。それというのも、彼女の外見や表面的な愛情よりも、性格こそが彼の未来に少なからず影響するからなのだ。

ベッキーは、一見すると、ごく普通の女の子のように見えた。だが、それは仮面なのである。実際は、彼女は、傲慢で、優越感を漂わせていた。そのこと自体は、デニスにも、いかに心が曇っていたとはいえ、間違いなく察知できていた。ベッキーは、自分は周りの人々より優れていると思っていたし、その気持ちをほとんど隠そうとしなかった。それに、意地も悪く、恨みがましいところもあった。他の人に対して、その人がおかれている状況、立場、あるいは、彼女の言葉や行動がその人に与える影響などを、あからさまに無視することは、一度に限らない。

ああ、だが、愛は盲目だ。デニスは、そんなベッキーの性格を知っていたにもかかわらず、それに目を向けなかった。ベッキーは、悪い人間だが、可愛いし、自分のことを好いてくれている。だから彼女の性格の問題は考えないことにしよう……とりあえず今は。

ふたりがデートを始めてから3週間経った。その日、ふたりはベッキーの部屋にいた。ちょっとエッチな気持ちが盛り上がっていたところだった。

デニスは片手をベッキーのシャツの中に忍ばせ、彼女の豊満な乳房に触れようとしていたところだった。驚いたことに、ベッキーはデニスの侵入を拒まなかった。デニスにとって、女の子の胸に触れるのは、これが初めてだった。その興奮に彼は圧倒されていた。

突然、ベッキーは身体を離し、ほとんど引き裂くような勢いでシャツを脱いだ。そしてブラジャーも脱ぎ去った。デニスはインターネットで何百もおっぱいは見てきている(彼の母親が勉強のために使うだろうと、ハイスピードのネット回線を引いてくれていたのである)。だが、パソコン画面のおっぱいなど、本物の、ライブの、個人的な付き合いのある女の子のおっぱいに比べれば、何の意味もない。

デニスはベッキーの胸を見て、口をぱっくり開いた。だが、(実際、彼はそうなのではあるが)それではまさに童貞の男の反応だと、そんな反応をしたのを隠すため、デニスはベッキーの胸に顔を埋め、舌で乳首を愛撫し始めた。感じてくれてるようだ。喘ぎ声をあげている。

しばらくそうしていた後、ベッキーは立ち上がり、デニスをベッドに仰向けにした。デニスは両ひじを突いて、上半身をあげ、ベッキーを見た。彼女は彼の脚の間にひざまずいていた。彼のジーンズのボタンを外している。そして、悪戯そうな笑みを浮かべながら、ジーンズを引き脱がした。次に彼の下着も。デニスの柔らかなペニスが露わになった。

デニスは、自分のペニスに関して、以前からちょっと恥ずかしさを感じていた。ステレオタイプのことは知っていた。いわく、黒人は白人より大きなペニスをしているといったこと。だが、彼の父親は白人だ。そうすると、自分は父親と、その点に関して同じ遺伝子を持ってることになるのだろうか? 

その懸念により、デニスには、どこか周りの黒人より劣ってるかもしれないという気持ちが生まれていた。そして、彼は定期的に自分のペニスサイズを測ることにしていて、ほぼ平均サイズなのは知っていた。だが、それでも、自分のペニスを見るたび、インターネットで見たペニスに比べたら、小さいんだろうなと、そして、どれくらい小さいのかなとも思うのだった。

ベッキーがデニスのペニスを濡れた口に入れるのを見ながら、デニスの心の中では、数々のこんな思いが飛び回っていた。

だが、驚いたことに、彼のペニスが一向に固くならないのだった。ベッキーは、舐めたり、キスしたり、吸ったりを何分か繰り返したが、デニスのペニスは彼女に協力しようとはしなかった。

やがて、ベッキーは嫌悪感を丸出しにして顔を離した。

「いったい何だって言うの? あんた、女の子が好きじゃないの?」

デニスは屈辱を感じていた。どうしてなのか、さっぱりわからなかった。「わ、分からないんだ」

ベッキーはシャツを元通りにし、胸を隠し、ドアに向かった。

「ねえ、トレント! ちょっと来てよ。このオカマ野郎を見てみて!」

「え、何?」 デニスはパニックになった。下着を元通りにしようと引っぱり上げようとしたが、ベッキーはぐいっと引っぱって、取り上げてしまった。

「ダメよ。あんたはそこに座ってなさい」

何秒もせずに、大柄の黒人男が部屋に入ってきた。デニスより2歳ほど年上の男だった。デニスは、その男はベッキーのいとこだと気づいた。

「どうしたんだ?」 とトレントが訊いた。

「何でもないよ……」 とデニスが言い始めたが、ベッキーに鋭い視線を向けられ、最後まで言えなかった。

「あたし、この3週間、ここにいるチビのオカマ野郎に付き合わされてきたのよ。そしたら、こいつ、そもそも女が好きじゃないときた。あたしを見ても、勃起すらできないのよ」

デニスが声を上げた。「そうじゃないよ、ベッキー。僕は本当に女の子が好きだよ。でも、どうしてか分からないけど……」

ベッキーはいきなりデニスの頬を平手打ちした。

「もし、お前が女が嫌いなら」 とトレントは、ズボンのチャックを降ろしながら言った。「お前、男が好きなんだろ?」 彼は巨大なペニスを引っぱりだした。「これが好きなんだろ?」

それは巨大なペニスだった。もちろんデニスのよりもはるかに大きかった。それゆえ、デニスの目を惹きつけた。

デニスは隠そうとした。隠したかった。だが、下着を奪われていたため、みるみる勃起してくるペニスを隠すことは不可能だった。

「ほーら、やっぱり!」 ベッキーは大きな声を上げた。「こいつ、ちんぽが好きなのよ!」

*


[2015/08/03] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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