ゲンゾウはあくびをした。アンジェラは、彼のあくびを、もうそろそろ切り上げるべき合図であると解釈した。
「じゃあ、そろそろ寝た方がいいわね。楽しいことは明日しましょう」
ゲンゾウは疲れた顔で微笑み、ごろりと横になり、何秒も経たずに眠ってしまった。アンジェラは、余った毛布を持って来て、彼の上に被せ、眠ってる彼の顔をまじまじと見た。安らかな寝顔で、人懐っこい顔にも見えた。普段のゲンゾウの取る威圧的な外面とは大違いに思えた。
アンジェラもベッドに入り、身体を丸め、眠りに落ちそうになった時、ノボルから電話が来た。
「もしもし?」 と囁いた。
「私の天使は私がいなくても生き延びているかな?」
ノボルの低い声を聞き、アンジェラは全身が震えるのを感じた。「かろうじて、生きてるわ。あなたがいなくて死ぬほど寂しいの」
電話の向こう、ちょっと間があった。「どうして囁いてるのかな?」
「ゲンゾウが眠ってるのよ」
アンジェラの耳にノボルが笑う声が響いた。まるで、眠ってる子を起こさないようにと心配してる母親のような返事だったからである。
「ソウカ[So-ka]。ゲンゾウとは仲良くやってるかな?」
「なんとかね」
アンジェラは、ゲンゾウが打ち解けた態度を取ったことを、ある意味、喜んでいたが、このことはさしあたりふたりだけの秘密にしておこうと決めた。
「今から成田に向かうところ。明日の午後にはそちらに着くはずだよ」とノボルは言い、声を小さくして、つけ加えた。「君と別れてから一度も発散していないんだ。今も君のことを思って、ものすごく勃起している。君のあそこを味わって、悲鳴を上げさせて、それから君の中に出したいよ。待ちきれない気持ちだ」
「ノボル? そんなことを言って私を苦しめないで」 アンジェラはすでに太腿の間がベタベタしてくるのを感じていた。
「明日会えるね。愛してるよ」
アンジェラは笑顔になったことをノボルに伝えられたらと思った。「私も愛してるわ、ノボル」
電話を切り、溜息をついた。そして指を太腿の間に滑り込ませた。
あの人ったら! と独り言を呟いた。自分で慰めたい衝動をこらえながら指を舐め、彼が待っているなら、自分も待つことにしようと決めた。
アンジェラの興奮を示す匂いが、階下で眠るゲンゾウの鼻孔にまで漂い、ゲンゾウは驚いて頭をもたげた。意識していないのに、彼女の匂いに彼のペニスは硬直していた。その事実に気づき、ゲンゾウは恐怖を覚え、何とか鎮めようと試みた。確かにそれは鎮まったが、それはアンジェラが眠りに落ち、彼女の興奮状態が終息した後にやっとであった。
ゲンゾウが寝返りを打つと、コーヒーテーブルの上にスノッティがいて、彼のことを不思議そうに見つめていた。
「何を見てるんだよ!」 とゲンゾウは罪悪感を感じながら日本語で唸った。猫は頭を横にかしげ、その後、階段をとんとんと駆けのぼり、アンジェラの元へと去っていった。ゲンゾウは、仰向けになり、再び眠りに落ちた。
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指で彼女の陰唇を広げ、彼はそこがしとどに濡れているのを見て驚いた。顔を近づけると、そこから立ち上ってくる匂いに、自然と口の中に涎れが溜まってくる。
ペニスがむくむくと頭をもたげてくるのを感じた。彼女を奪い、溜めこんだものを彼女の熱い壺の中へ放出したいとうずうずしている。そして、彼女がねだる声を聞いた。
「お願い、ヤッテ。今すぐに」
舌舐めずりをし、舌先を固くし、彼女の中に滑り込ませる。それと同時に彼女は甘い喘ぎ声を上げた。その声は連続し、彼の口が彼女の濡れた肉襞を愛撫するのに合わせて、彼女は腰を彼の口へと突き上げた。彼女の両手は彼の頭を押さえ、指先が彼の頭皮を引っ掻く。
彼女の味は彼の獣性を浮上させ、舌と口唇を使って愛撫するのに合わせて、彼女が乳房を上下にうねらせるのを見ながら、彼は、野生の獣を押さえつけていた抑止の気持ちが蒸発していくのを感じた。
指で彼女の陰唇を左右に大きく広げ、彼は命令した。
「俺の口でイクんだ」
そして唇でクリトリスをがっちりと挟んだ。
快感の中心部を激しく吸われ、彼女は下半身をうねらせ、さらに彼の頭を強く引き寄せ、ありえないほどの深部に彼の舌を導き入れようと、あらがった。
「ゲンゾウ、イキそう!」
その叫び声に、彼は口をあそこにあてがったまま、唸った。その唸り声の振動で、彼女は限界を超え、痛々しいほどの強さで彼の髪を掴み、何度も繰り返し、彼の顔面を股間に打ちつけた。
彼女が強烈なオーガズムから回復するのを待って、彼は立ち上がった。彼女が分泌した熱い体液が顔面からたらたら滴るのを感じたし、彼女の匂いに感覚が麻痺していく。
もはや自分を抑えきれなくなり、身体の骨格が伸び、筋肉が拡張するのを感じた。とうとう、彼の獣性が勝利し、自らを解放し始める。飢えた目で、下に横たわる裸の女性を見降ろす。自分の3分の1ほどの大きさしかない裸の女。彼女は、自分を見つめる金色に光る瞳に気づき、ゆっくりと脚を広げ、自分の指で陰唇を広げた。彼の攻撃を受け入れるために。
咆哮を上げながら、彼は彼女の小さな身体を掴み、乱暴に押して、横寝にさせた。その片脚を持ち上げ、脚の間にひざまずき、ペニスの先端で彼女の女陰をピタピタと叩いた。そうやって彼女を焦らし、その湿った音を聞いて楽しむ。
痛いほど勃起した彼は、貪欲に、その肉茎を根元まで彼女の肉穴へと詰め込んだ。その女陰はもちろん自ら凌辱されるのを望んでいる。彼は彼女の肉襞がツタのように彼に絡み、締めつけるのを感じ、その場でイキそうになった。だが、彼はそれを堪え、尻の筋肉をヒクつかせながら、巨大すぎる器官で彼女を痛めつけ始めた。絶頂に近づいた彼女が、さらに彼をきつく締めつけ始めるまで。そして、絶頂の悲鳴が爆発的に彼女の唇から発せられる。それを受けて彼は引き抜き、自分でしごき始めた。
「アンジェラ、イク[ikku]」
苦しそうな唸り声を上げ、彼は彼女の顔面にクリームを噴射させたのだった。
つづく