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損害賠償 (4) 

そのメアリの肩にラブの手がかかった。メアリは、ケビンが事故の代償を彼女の肉体で払うことにしたのを知ったのだった。彼女は、ケビンの酒酔い運転のことは知っていた。彼が苦しい選択を迫られていたのも分かっている。だが、彼なら何か方法を見出すと期待していたのだ。いや、まだ彼女は希望を捨てていなかった。こんなことが自分の身に起こるとは、どうしても信じられない。

ラブに車に引っ張られ、メアリはもがき逃れようとした。そのラブが言う。

「俺が言う通りにした方がずっと楽になるぞ」

ラブがほのめかした脅迫の意味をメアリは理解した。抵抗をやめ、仕方なく、車に連れて行かれる。後部座席に乗せられる前に、彼女はケビンを振り返った。

うなだれていたケビンは、顔を上げ彼女を見た。

「ごめん、メアリ」

ラブはメアリを車に押し込み、ケビンに向かって言った。

「お前の車にはニックが乗る。俺の家はニックに教えてもらえ」

ラブは、車に乗り込んだ。他の2人の男がメアリと一緒に後部座席に乗り込んだ。ラブはエンジンをかけ、車を出した。

ケビンとニックはケビンのピックアップに乗り込み、古いキャディラックの後ろに続いた。ケビンがニックに訊いた。

「ラブはメアリに暴力を振るわないよな?」

「まあな。おとなしくしてる限り、大丈夫だろ、たぶんな」

そうは言われても、ケビンは納得していなかった。

「みんな、メアリとセックスするつもりなんだろ? 違うのか?」

「そういう言い方はしねえもんだぜ。あの可愛いご婦人に、黒肉の美味な味をご紹介するって、そういう風に言おうじゃん」

ニックはそう言って、クククと下品な笑いをした。

ケビンはそれから一言も話さなかった。車が進む。10分後、2台の車は、町から8キロほど離れた、非常に古い家の前に着いた。周りには他の家は見当たらない。ケビンは、家に入り、メアリの姿を見る。

「大丈夫か?」

メアリは頷いた。だが、明らかにこの窮地に恐怖している顔をしていた。ケビンに向けた表情から、彼女の中に、このような状態をもたらしたことに対する夫への怒りが満ちてきているのが分かる。

非常に小さい家だった。部屋は2つだけ。右の壁にキッチンがあり、左の壁にはソファがあった。玄関脇の壁にテーブルが1つ。部屋の奥にドアがあって、その先は小さな寝室とバスルームになっていた。そのドアの隣に暖炉があるが、今は夏なので閉じられている。エアコンはなく、2つある窓は全開になっていたが、室内は非常に暑かった。部屋は清潔ではあったが、ムッとした匂いが満ちている。メアリは一刻も早く、そこから出たかった。

ラブは古い冷蔵庫に行き、ドアを開け、中からビールの6缶パックを出した。それを、ジムと呼ぶ男に放り投げる。ジムは一缶ずつに分け、全員にビールを渡した。ラブがケビンの前に椅子を引き出した。

「まあ、座れよ」

ケビンが座ると、ラブはメアリに身振りで自分の方に来るよう指図した。ジム、ニック、そしてポップと皆が呼ぶ男が、近くの椅子やソファに腰を降ろした。ラブが始めた。

「さあ、メアリ。俺たち今夜、パーティをしようと思っている。あんたがリラックスすれば、あんたは楽しい時間を過ごせるはずだ。だが俺たちに歯向かえば、嫌なことが起こるだろう。よく覚えておくことだな、あんたは、車のダメージの償いをしに来たってことだ。分かったか?」

メアリは頷いた。自分が償いのためにいるのは分かっている。だけど、彼らが何をしろと望んでいるのか、よく分からない。漠然とは分かるが、その予想が間違っていたらいいのに。

「オーケー、メアリ。さて、あんたは何で今夜ここにいるんだ?」

「車に与えたダメージの償いをするためです」 おどおどと答えるメアリ。

「その通りだ。じゃあ、今度は、俺たちは今夜何をするんだっけ?」

メアリは、ラブが何を望んでいるのか分からず、少し沈黙した。そして、恐る恐る答える。

「パーティ?」

ラブはにっこり笑った。

「その通りだ、可愛い子ちゃん。さて、次はどうだ? 俺たちはパーティで何をするのかな?」

メアリは、ラブが何と答えてもらいたがっているのか、知っていた。それを思い、顔が赤らんだ。そんなことを口に出すなど、あまりに恥ずかしくてできない。ラブは、うんうんと頷いて見せ、メアリに答えるよう促していた。メアリは助けを求めてケビンを見た。だが、ケビンは、いくじのない顔を見せるだけ。とうとう、メアリはがっくりとうなだれ、小さな声で答えた。

「・・・セックスです」

「ええ? 聞こえなかったぞ?!」 

ラブが大きな声で言った。

メアリは顔を上げラブを見た。目には涙を溢れさせている。そして、前より大きな声で答えた。

「セックスです」

ラブの顔に笑みが戻った。

「何と素晴らしいアイデアだ! で、俺や俺の仲間とセックスをするのは一体誰なんだ?」

メアリは、恥辱に顔を赤くした。

「私です」

ラブはうんと頷いた。

「よくできた。その通り。それじゃあ、俺たちが、あんたとセックスしたい気分になるように、服を脱いでもらえるかな?」

メアリの顔色は、濃い赤に変わっていた。恐怖のため、体が凍って動かない。

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