第3章 キンタマ
翌日、日曜日。あたしは昨日の朝よりはちょっとだけ早く目が覚めた。でも、この日も、ぐったりした目覚めだった。昨日は二日酔いのような感じだったけど、今朝は寝すぎた感じの目覚め。
目を擦って頭を振った。昨日の朝とは違って、朦朧とした感じはなかった。昨日の夜に起きたことはすべて明瞭に覚えている。リリスが来たことも、ふたつ目の願い事をしたことも。
堂々と肝が据わった性格になっているのか、ウェンディに会ってみようかとか、街に出て誰かに話しかけてみようかとか思った。テストしてみたかった。
でも、自分が本当にそういうふうに性格が変わったのか……「キンタマ」がついた感じの堂々とした性格になったのか、自分でもよく分からなかった。
いつもと変わらない感じ。試すためには、他の人がいるところに行かなければならないのかもとも思った。
毛布を腰のところまでめくって、ちゃんと胸があるのを見て嬉しかった。まだ、たったの二日目だけど、やっぱりこの胸が大好き。とても綺麗。しかも、またジンジン痛み始めている!
昨日、自分のおっぱいを吸ったときの快感が大好きだったし、もう一度、して見たいと思った。今度はフィニッシュのところをリリスに邪魔されないだろうから。
自然と笑顔になって、身体をベッドの背もたれにズリ上げて、首を前に倒す姿勢になった。多分、これから毎日、これをすることが毎朝の行事になるだろうなと思った。
片方の乳房を持ち上げて、小さなピンク色の乳首を唇のところに引っぱり上げた。前よりも今回は楽にできた。どうすればよいか会得したから。繰り返すうちに、どんどん楽になっていくだろうと思った。
固くなった小さな突起を口に押しつけた途端、ゾゾっと電流が身体を走り、ぶるっと身体が震えた。目を閉じて、その快感を味わう。乳首を吸い始めると、すぐに濃いミルクがあたしの口の中を満たし始めた。
「ああ、いいわぁ!」
乳首を咥えたまま、思わず声が出てくる。自分の身体がこんなに美味しいモノを産出するなんて! その甘さを堪能した。
そして飲み始めると同時に、身体の奥から、あのじんじんする疼きが湧きあがってくる。オーガズムに徐々に登りつめて行く、あの疼き!
ゆっくりと安定したリズムでおっぱいを吸い始めた。ミルクが乳房から出て、喉の奥へと流れ、そこを通って行く感覚を味わう。
昨日と全然変わらない強烈さ! 最初はゆっくりとしたペースで行こうと思っていたけど、やっぱりそれでは我慢できなくなっていった。吸えば吸うほど、もっともっと欲しくなり、だんだんスピードが上がっていく。気持ちの上ではゆっくり味わいたいと思っているのに……。
そして、何分もしないうちに、片方の乳房が空っぽになってしまった。でも、あたしは目を閉じたまま、高まった興奮が鎮まる前に、素早く空っぽになった乳房を離して、もう一方の乳房を唇に押しつけた。慣れた調子で吸い始めると、すぐに温かくて美味しい液体が口の中に溢れてくる。
こちらも、最初はゆっくりと、優しく、そして一定のリズムで吸い始めた。味が前より甘さを増してる感じがした。糖分が最後の一滴まで行きわたっている感じ。
自分の乳房を口に咥え、ミルクを吸いながら、あたしは、ああん、ああんと声を上げ、ベッドの上、身体を自由気ままにクネクネさせ悶え続けた。心臓の鼓動が速くなってるのを感じた。あそこの方でも快感を得たいと思った。
ベッドの上、ちょっと姿勢を整えようと動いた時だった。何かいつもよりパンティがキツイ感じがしたのだった。どうしてそんな感じがするのか分からなかった。それが気になって、思いっきり絶頂に登ることができない感じ。ひょっとすると、知らないうちに身体を動かしすぎて、パンティが丸まって股間に食い込んでいるのかなと思った。
あたしは乳首を咥えたまま、掛け毛布を剥がし、目を開いた。
脚の間に目をやり、すぐに眉をしかめた。夜の間に、あたしはいつの間にかパジャマを履いていたのだろう。それはよくあることなので、不思議ではなかった。不思議だったのは、脚の間に大きな盛り上がりがあったこと。まるで、パジャマの前のところに何か詰め物でもしてるみたいになっている。
それが何なのか、ぜんぜん分からなかった。あたしはちょっと不安になりながらも、口に咥えたままの乳首を吸って、少しミルクを吸いだした。
その瞬間、ちょっと驚いて、思わず身体がビクッとなった。だって、おっぱいを吸うのに合わせて、パジャマの中のモノがビクッと動いたから。
でも、その時は、オーガズムに向かって一直線に駆け上っている途中だったので、途中で止めることができなかった。あんなに絶頂に近づいていなかったら、途中で止めていたと思う。心配になって止めていたと思う。
でも、その時は頂点が間近になっていた! 身体の奥に快感がズンっと蓄積されていて、すぐに解放してと叫んでいたし、ミルクもすごく美味しくて、途中で吸うのをやめるなんて、とてもじゃないけど、できっこない!
でもパジャマの中のモノも気になっていた。空いてる方の手を脚の間にもっていき、ショーツの端を掴んだ。そうして、最後のひと吸いとばかり、乳房を強く吸って、最後の一滴を吸いだすと同時に、ショーツを引っぱり降ろした。
熱を帯びて、全身を包みこむようなオーガズムが襲ってくるのを感じた。同時に、露わにした脚の間に目をやった。
それまで、あたしはオーガズムに達した時の、泣き声に近い喘ぎ声を上げていたと思う。でも、その声は、すぐに、頭の中が混乱した時のうめき声に変わった。
あたしの脚の間から顔を出し、あたしの顔を見ていたのだ……おちんちんが!
固くなった15センチくらいの、皮が向けたペニスが、ショーツの中から突き出ていて、あたしの顔を見つめている! ビクンビクンと跳ねながら!
あたしはビックリして、ハッと息をのむ声を出した。でも、それと同時に、あたしはオーガズムの頂点に達し、全身の筋肉がぎゅーっと収縮する感じになり、強烈な解放感が全身を襲った。昨夜のそれに比べても強烈で、これまでの人生で最大級の破壊力!
ぐはあぁぁぁっ! とても女の子のあたしが出した声とは思えないような声を出していた。そして、一瞬、脚の間にできていた不思議なモノのことが頭から消えた。
でも、頭から消えたのは、文字通り、一瞬だけだった。目を閉じたままだったし、口も開けたまま、ああー、ああーっと声を出して、強烈なオーガズムに浸っていたけど、そうしながらも、何か熱いものが飛んできて、まぶたや鼻、それに開けたままの口に振りかかるのを感じる!
ビックリして目を開けた。そして、あたしの身体についたペニスから、白いものがたくさん、ビュッ、ビュッと噴射してくるのを見たのだった!
驚きのあまり、身動きすらできなかった。でも、感じることはできた……これって、精液? 自分の身体から出てるのは分かる。さらに噴射は続いていて、乳房やお腹に振りかかってくる。あたしは本能的に口を閉じた。
そして味わったのである。多分、あたしは、それが何であれ、口の中に飛び込んでいたのに気づいていなかったのだろうと思う。ほんの数滴だったとは思う。あたしは、バージンだし、精液を味わったことなどないし、それを味わうことすら考えたこともなかった。
味はと言うと、少ししょっぱい感じだった。濃厚な味。口の中に残っていたミルクの甘さと混じり合って、不思議な風味がした(けれど、不快な味では決してない)。むしろ、美味しいと思った。何が起きてるか、完璧に頭が混乱していたものの、味についてそう思ったのは本当だった。
ゆっくりとだけど、オーガズムで頭が朦朧としてる状態から回復するのにつれて、あたしは自分の状況に対する意識がはっきりしてきた。オーガズム状態の時は頭の中が混乱して朦朧としてるけれど、でも、意識がはっきりしてくるにつれて、いっそう頭の中が混乱状態になっていく。これってどういうことなの?
自分の身体に目をやった。身体じゅうに、どろっとした白い液体がついていた。大きな乳房には、両方とも、そういう紐状の白いものが幾筋もあって、覆われている。お腹の方にあるのはもっと濃くて、おへその窪みには水たまりまでできていた。ちょっと身体がベトベトしている感じ。
指先でそれをなぞってみた。濃くてベトベトしている。でも、温かくて、触った感じもそんなに悪くない。むしろ、肌に擦りこんでみたら、ちょっとヌルヌルしてて気持ちいいとも言えた。
あたしはポルノをよく見ているから知ってるけど、これって、かなり量が多い。ビデオで男の人が出すのを何度も見たことがあるけど、こんなにたくさん出したのは見たことがない。
でも、白濁をいじってるのは、ただの気休めで、本当は、もっと本質的にわけが分からない存在を見たくないからだというのも自覚していた。でも、それは避けては通れない。あたしは勇気を振り絞って、胸やお腹の先にあるモノに目を向けた。
そう……ペニス。おちんちん。
それがおちんちんであるのは充分知っている。ポルノビデオはいっぱい見てきてるから、ペニスがどんなものかちゃんと知っている。それがあたしの身体にくっついて何をしているのか? それが分からないだけ。
単にあたしの身体に乗っかってるだけなのかとも思っあたしの身体に付いてるのじゃなくって、あそこに沿う形で立っているだけじゃないかって。
そんなこと変すぎるのは分かっているし、実際そうだったら、もっと気持ち悪いだろうけれど、その時のあたしは正常な精神状態じゃなかったから。
あたしは、おへその溜まりをいじっていたけれど、その指をゆっくり下腹部へと這わせていって、おちんちんの先端へと持って行った。そして指先でそこを触れた。その瞬間、身体がビクッとなった。
感じる! 昨日のおっぱいの時と同じ! 指先が急速に柔らかくなっていくおちんちんに触れた感触を感じたと同時に、その指先に触れられたおちんちんの方も感じたのだ。この不思議な感覚!
そのおちんちんは今はすっかり柔らかくなっていて、固かった時に比べると驚くほど小さくなっていた。あたしは指先でそのおちんちんの先端をつまんで、持ち上げてみた。先端をつままれて、痛みを感じ、あたしは指を離した。ソレは、下腹の肌にびちゃって湿った音を立てて倒れた。
急に恐怖感が身体の中に湧いてくるのを感じた。ほとんどパニックと言ってもいい。
「何てこと……」
そう呟きながら、頭の中、ある考えが生れ出てくるのを感じ、ペニスの根元へと手を伸ばした。何か熱いものが手に触れた。柔らかくて、しわくちゃの肌……。
「た……タマタマッ! ああ、何と! こんなはずじゃ……」
そう叫んだ時、突然、電話が鳴った。
弾丸のように視線を携帯電話に飛ばした。ベッド脇のテーブルに置いておいた電話。
手を睾丸から離した。睾丸? ああ、考えたくもない!
電話を取ろうとしつつも、自分を罵っていた。どうしてあたしはこんなにバカなんだろう! 特に、最初の願い事の時に母乳を出すおっぱいのせいで大変なことになったのを経験したばかりだというのに(まあ、それは嬉しい喜びに変わったけれど)。
電話を掴もうとした時、指が精液で覆われているのに気がついた。指を見ると、白い液体がべっとり付いていてキラキラ光っている。これで電話を握りたくない。でも、ベッドで指を拭うのもイヤだった。
電話は鳴り続けていて、どうにかしなければならなかった。結局、あたしは、切羽詰まって、指を口に入れ、ついた液体を舐めだした。すでに口の中にはミルクの残りが消えていたので、前よりずっと塩辛い味だったし、指についている量は、さっき味わったよりもずっと多かった。
ピリピリした、ちょっと野性的な味がしたけど、正直、不味くはなかった。別にこれを舐めるのが好きなわけじゃなかったの、と自分に言い聞かせ、自分に嘘をついてることを無視して、電話を握った。
666の番号。リリスからだ。リリスに文句を言ってやる! こんなのあたしが求めたものじゃないのは明らかじゃないの!
「もしもし? イエローストーンはどんな感じ?」
あの妙に妖艶な声。リリスは、いつもあたしをバカにする言い方をする。
「イエローストーン? 何よ?」
「オールド・フェイスフルは?(
参考)……ちょっと、これって、別にポップカルチャーでしか通じないことじゃないと思うけど?……まあ、別にいいわ。あんたのふたつ目の願い事がかなって、どんな調子か知りたくて電話しただけだから」
「ええ、ええ、すごく面白いことですこと! リリス」
あたしはリリスのことを恐れているのも忘れ、そう言った。でも、リリスはあたしの返事に別に怒っているふうでもなかった。電話の向こう、邪悪そうにケラケラ笑うだけだった。
「で? 何が問題?」
あたしはベッドの上、動けずにいた。動いたら、そこらじゅうに精液がくっついてしまう。なので、ただじっと横たわったまま、リリスがあたしをからかうのを聞いていた。少なくともあのペニスだけは見たくないと、目を閉じて聞いていた。
「分かると思うけど、あたしがキンタマと言った時、こんなモノを意味したわけじゃなかったのよ!」
そう叫んだ。電話の向こう、ちょっと沈黙状態が続いた。そしてリリスがしゃべりだした。
「あら、ごめんなさい」 本当にすまなそうな声で言う。「あんたがキンタマって言ったのは知っているけど、でも、あんたがそれが欲しいと言った時、棒の方も合わせて欲しいと言ってると思ったのよ。だって、タマが2個、ただぶら下がってるって、どう見ても変じゃない?」
「何言ってるの!」
リリスが何を言ってるのか理解するのにちょっと時間がかかった。そして、言ってる意味が分かると、あたしはさらに腹立たしくなった。
「そんなことじゃないの! つまりね、あたしは比喩的な意味でキンタマと言ったのよ! 勇気とか堂々と意見を言える肝っ玉とか、そういう意味で! 睾丸が欲しいなんて言わなかったわ!」
「あんたが何を言ってるか分からないフリをしなくちゃいけないとでも?」 突然、リリスは真剣な口調に変わった。「願い事をする時には注意しろって、あれだけ言ったのに。あんたがキンタマが欲しいというから、それをあげたのよ。比喩とやらは、どっか別のところから出てくるものでしょ? 人がそういう意味でタマという時、暗黙のうちに睾丸のことを言ってるものじゃないの? 別にサッカーのボールのことを言ってるわけじゃないでしょ?」
もちろん、リリスの言うとおりだった。すでに経験から、リリスの場合、少しでも抜け道を残しておくと、必ず、そこに付け込んでくるのをあたしは知っていた。
「ええ、それはそうなんだけど……」
敗北した気持ちでそう答えた。電話の向こう、リリスは笑っていた。過度に残酷っぽい笑いじゃなかったが。
「まあ、少なくとも、前より賢くなってきてるんだからいいじゃない。繰り返すけど、もし気に入らなければ、今夜、それを捨てる願い事をすることはできるのよ」
「もちろん、いらないわ。なくして! これっておっぱいとは話しが違うんだから」 とあたしは白い精液で覆われた乳首を見ながら言った。
「ちょっと、まだ言っちゃダメよ! あんたには、素敵なのをあげたのよ! 巨大ではないけど、あんたの身長にしては大きめのをね。性別ぬきで、その身体にしては大き目よ。加えて、もし、あんたがあの種の行為にのめり込んだら、あんた、精子製造工場並みにいっぱい出せるようになってるんだから」
「どういう意味?」 とあたしはうんざりした気持ちで訊いた。
「何言ってるの、隠さなくても知ってるんだから。あんたがもう試したことを。あの量、並みの量じゃなかったでしょう? 240ccはあったんじゃない? あんた、自分のミルクを飲んだでしょ? あんたのミルク、あんたが出す精液と不思議な反応をするの。今後もたくさん出るはずよ」
「ああ、素晴らしいことですこと」 と別に興奮もせずに答えた。
「そういうことにハマる人もいるのよ」
「あたしは違うわ!」 とあたしは断固として言った。確かにあたしのヘマのせいでこうなったかもしれないけど、だからと言って、怒りが収まったわけではなかった。
「あら、ミルクがでるおっぱい、気に入っていないような言い方ね?」 とリリスが言った。
まあ、確かにリリスが言ったことは正しい。でも……。
彼女に何か言いかえそうと思っているうちに、リリスが先を続けた。
「まあ、あんた、家の中をちゃんとしなければいけなそうね。今は、ちょっとどんな様子かチェックするために電話しただけだから。いい? あたしは何だかんだ言っても、あんたの友だちなんだから」
リリスはそう言って、またケラケラ笑い、そして電話を切ってしまった。
あたしは携帯をテーブルの上に戻し、仰向けになって、しばらく天井を見つめた。
こんなの完全に狂っている。昨日、あたしは大きな乳房を獲得した。その変化は大きな変化だったけれど、別にあたしのアイデンティティを変えたわけではない。あたしは女のままだったから。胸が大きくなっただけで、女だというところに変化はなかった。
それに対して、今のあたしは何なの? 男ではない。でも、女と言える? シーメールになった? そのいずれも筋が通らない。
ひとつだけ、はっきり分かっていることは、今すぐ身体をきれいに洗いたいということ。自分の身体を見てみた。全身、ドロドロに覆われている。
何か手元に身体を拭くものがないかと、部屋の中を見回した。でも、何もない。いま立ち上がったら、身体についた精液が全部流れおちて、ベッドをベトベトにしてしまうのは明らかだった。それはイヤ。フラストレーションがたまってくるのを感じた。そうでなくてもひどい一日になっているのに、イヤなことが加わっている。
本当にどうしよう? できることはなかった。あるとすれば……
「仕方ないか……」とあたしは溜息まじりに独り言を言った。「もうすでに2回味わってるわけだし、そんなに気持ち悪くもなかったし……」
このドロドロを処理できるところは自分の口の中しかない。別に興味があるわけでもないし、変態的に興奮してるわけでもないんだからね、と自分に言い聞かせた。本当は、すでに2回も味わってるし、その2回とも、妙に美味しいと思ったのだけど、その2回で好奇心は満たされていて、これから、このドロドロを舐めるのは必要に迫られてなのだと、必死になって自分自身を納得させようとしていた。でも、なぜか胸がドキドキしていたのだけど。
左の乳房から始めた。乳首の下のところに、大きな塊があった。指をカギ形にして、固くなっている乳首のところから塊をすくった。
その精液は前よりは冷めていたけど、あたしの体温のおかげで、まだ温かさが残っていた。その時、指が乳首に触れ、気持ちいい。また電流が身体を走る。ペニスまで少し反応したのを感じた(無視したけど)。ああ、また思い知らされた。あれはあたしのペニスなのだと!
指を顔に近づけた。濃度が濃いようで、指にしっかり乗っかっていた。ブラインドから射しこむ陽の光に照らされて、キラキラ輝いていた。真珠のような色形をしていて、パソコンで見る過剰な照明のポルノ動画で見たのほど、不自然なものにも見えなかった。
指を鼻に近づけ、クンクンと嗅いでみた。自分から進んで触れたいと思わせるような匂いではないが、どこかお馴染みと思わせるような匂いがかすかにあった。あたしは、それ以上ためらうのをやめ、思い切って指を口に入れた。