「オーガズムへの短縮ダイヤル」 Speed Dial to Orgasm by Ashleigh Lake
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彼からのメールの受信を知らせるランプが、一日中、点滅し続けていた。その文面はますますあからさまなものに、そして際限なく大胆なものになっていた。仕事の会議中、電話が点滅するたびに、彼女は顔を赤らめ、気が散った。彼からのメールがしょっちゅうあることで、かえって、自分の誕生日に仕事をすることも無限に我慢できるものと感じられるほどだった。休憩の合間に、彼女はこっそり彼のメッセージに返事を送り、ふたりの間にある程度わかりやすい期待感のレベルに落ち着いた。
「今夜、今夜だよ……」彼はそう焦らし続けた。「今夜、僕は君の所に行くよ。体は行けないけれど」
ふたりの遠距離恋愛関係には、試練もあったし、厄介な問題もあった。ふたりとも仕事の厳しいスケジュールに縛られ、何か月も西海岸と東海岸に別れて過ごさなければならない。それにもかかわらず、彼は彼女の身体を熱く燃え続けさせる方法を用意し、彼女も彼にスペシャル・サプライズがあると聞かされ、ワクワクしていた。
その夜、遅くになって彼女は家に着いた。彼が約束していた通り、郵便で送られた小さな小包が彼女を待っていた。
彼女はそれをベッドサイドのテーブルに置き、彼に電話をした。
「いま、そこにある?」
「ええ、あるわ。開けてもいい?」
送られた小包を開けながら、彼女は鼓動が速くなるのを感じた。箱の中には、しゃれた濃紺の物体が入っていた。曲線模様のプラチナが嵌め込まれている。手に持つと、感触が格別の滑らかさだった。
使い方のマニュアルは入ってなかった。彼女がそれについて聞くと、彼は自分のところに置いてあると言い、また、守るべきルールもあると言った。その時が来たら、何をするか、いつするかを説明すると言う。
「忘れてはいけないよ。誕生日を迎えた女の子で、行儀のよい子は、ご褒美をもらいたいなら、いつも言いつけに従うべきなのだよ」
彼の声の調子を聞いただけで、あそこが濡れ、欲しくなってしまう。もちろん、彼女は彼のゲームに従うことに同意した。
「まずは、服を脱いで。ゆっくりと」
ブラウスを脱ぎ、スカートを下す。そしてブラジャーを外した。彼の誘導の言葉に従って、両手で体の肌を撫でさすった。彼がこの場にいるものと想像した。彼の両手で体を触られていると。彼の手が胸の谷間を滑り降り、引き締まったお腹へと降りていく。そして、パンティのレースのバンドに指をひっかけ、引き下ろしていく。下着が太ももを下って、床に落ちた。彼は、そのあと、彼女にベッドに横になるよう指示した。
「脚を広げて。…… 僕は君の脚の間に来ているよ。…… 君に覆いかぶさる。…… 僕は君の顔に顔を近づけ、君の唇の間に舌を挿し込む。…… そして、キスの後、僕はゆっくりと君の身体のありとあらゆる曲線に舌を這わせて、舐めていく。美しい曲線。…… そして、だんだんと下へと降りていく。それにつれて、君は肌が徐々に熱を帯びてくるのを感じる。…… 腰骨のすぐ下の、あの美味しそうな窪みを舌でつつく……」
彼は彼女の息遣いが早まるのを聞いた。そして想像の世界が彼女の頭を支配したのだろう。その息遣いは小さな溜息の連続に代わった。
彼の導きに従って、彼女は彼から送られた小さな青い物体の中心部分に指を入れた。そして丸みを帯びた部分のうち、細い方を握った。それを自分のスイート・スポットに押し当てる。その部分が刺激に反応して膨らむのを感じた。
「そのボタンを押して。そして、僕が君の脚の間に顔を押し付けてると思うんだ」
そのおもちゃは、突然、生き物に変わった。円を描くような動きと、速くぴくぴくする動き。リズミカルだが強烈な刺激を生み出してくるのを感じる。彼が舌でクリを舐めるときの、誘惑的な動きにそっくりだった。本当に彼があそこに顔を当ててるような感じがした。一番大切な部分を刺激する、彼のあの巧みな舌使い。
電話の向こうから彼はいやらしい言葉を彼女の耳に囁き続けた。様々な口の動きをまねる、その動き。パワー全開で動くときもあれば、微妙に中途半端な動きもある。それぞれの刺激パターンに応じて彼は彼女を導く言葉を言い続けた。その絶妙な振動のため、彼女は、ぎりぎりのところに追い立てられたままにされた。いきたいのに、いかせられない。
でも、次に彼が言葉を発した時、その声は切羽詰まっていて、唸るような声になっていた。彼女が興奮していることにより、彼も興奮していることは疑いようがない。
「僕のためにイッてくれ」
彼女の喘ぎ声。それが、彼の彼女への欲望をいっそう募らせる。彼は、彼女が目の前に横たわっているのを想像した。素裸で横たわり、官能的な裸体を晒している。手は股間にあって、自分の舌の代わりに手を回したり前後に動かしたりしている。そうして、未経験の快楽の高みへと自分を追い立てている。彼女が絶頂へと昇りつめるその声は、彼の耳には音楽だった。抑制から解放されたみだらな声。ふたりの間の熱は上昇し続けた。
ふたりは地理的には遠く離れていたが、その夜のふたりの間には隔たりがなく、完ぺきにつながっていた。
おわり