ifap_63_exceeding_expectations
「はい。彼ですよ。お約束通り」
「何という! 嘘じゃなかったのか。本当にできたとは」
「私ども、正確にお約束したとおりのことをしました」
「だ、だが……」
「だけど、本当に可能だとはお思いでなかったと。いや、いいんです。私ども、いつも同じことを言われていますから。男性を完璧で従順な美女に変えることができるなんて、誰も信じてくれないですよ。少なくとも結果を見るまでは誰も信じない」
「でも、どうやって? どんな方法でやったのですか? 何と言うか、ここにいるのは確かにジーンで、ジーン本人だと分かるのだが、それにしても……」
「今は彼の名前はジェンナです。名前というのは、新しいアイデンティティを確立する際に重要な部分なんです。で、ご質問に答えると、たくさんの手術、ホルモン、条件付け、食事制限、懲罰、催眠術ですかね。チェース医師は、方法をひとつだけに限定しない方ですから。」
「そういえば、彼は従順だといいましたよね? 彼、抵抗しないのか?」
「彼は、今の自分こそ、ずっと以前から自分がなりたいと思っていた姿だと思っています。あの別の人生、つまり、彼の以前の人生ですが、何でしたっけ? ……あなたのビジネス上のライバルだったとか?」
「私と彼は、うちの法律会社で、あるポジションをめぐって競い合っていたんです。そして彼が獲得しそうになっていた」
「今の彼にとっては、それは夢でも見てるように感じているでしょう。彼は過去のことを覚えていますよ。でも、良い思い出とは思っていないんです。彼にとっては、忘れたい悪い記憶になっています。今の彼はジェンナでいることが大好きになっているのです」
「それに、彼は私が言うことを何でもすると?」
「ええ、何でもします。どうです、いいでしょう? ちゃんと自分の意思を持っていて、好きなことをさせるセクシーで頭の軽い美女」
「驚きだ。本当に驚きだ!」
「ということは、結果にご満足いただけたと理解してよろしいでしょうか?」
「もちろんだとも。想像していたよりもずっと満足している」
「ありがとうございます。で、お支払いの件については?」
「ああ、もちろん。すぐに電信で送金するよ」