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「ねえ? えーっと、あたし思うんだけど……あたしの…あたしの問題について、病院に行くべきかなって思うの」
「そう? フェリス先生に予約入れる? 彼女ならあなたのためになるよう何でも解決してくれると思うわ」
「あたし……なんて言うか……別のお医者さんのところに行くのはどうかなあ? フェリス先生が嫌いというわけじゃないの。ただ、あの先生、精神科医でしょ? だとすると、あたしの……あたしのこの種の問題は扱えないと思うの」
「まず第一は、その問題の呼び方からね。それ勃起不全というの。でも、たいした問題じゃないわよ。第二に、フェリス先生はあなたにとって完璧に適切な先生よ。あなたの年だと、それはたぶん、精神的な原因。そして最後に、もうそろそろ彼女を信頼してもよい頃だと思わない? あなたのために、そして私たち夫婦のために、フェリス先生がどれだけのことをしてくれたことか」
「あ、あたし、別に……」
「それとも何なの? 先生があなたの両性具有状態についてどれだけ助けになっていただいたことか、忘れちゃったとか? 衣類の点で殻に閉じこもっていたあなたを先生が救い出してくれたことを忘れちゃっとか?」
「で、でも、あたし……あたし、女の子みたいになっているじゃない! それに、もう、全然、勃起できなくなっている! さらには、職場の男の人たちったら……もう、みんな、あたしが昔はどんな容姿をしていたか覚えていないのよ……。何と言うか、あの人たち、あたしに色目を使い始めているの! このあたしによ、カレン。それに加えて、あたしたちの性生活がどれだけ変わってしまったかを考えると……」
「何もかも、良い方向に向かっているわ、あなた。だったら、むしろ自分から進んで女の子ようになったらどう? 私はあるがままのあなたが好きなの。今のあなたが好きなの。それに、職場のバカ男があなたのことを好きになったからといって、誰が気にするのよ。それを言うなら、私にも、私に言い寄ってくる男たちが職場にいるわよ。でも、あなた、私がそのことで愚痴を言うところ聞いたことないでしょう? 聞かれてもいないけど、あえて言えば、時々、あなたもそんな男たちにお返しのお色気を振りまいてみるといいと思うわ。仕事が円滑になるわよ。
で、でも、あたしは……
それに性生活についていえば、今朝のあなたは不満を漏らしていなかったと思うけど? 昨日の夜も。いや、おとといの夜も。事実に直面して、あなた。あなた、私がストラップオンでするのを喜んでいたじゃない。それ、いいのよ。私も大好きだから」
「でも……」
「でも、何なの? フェリス先生に予約を取るわね。多分、先生はあなたの些細な問題を解決する手伝いをしてくれるでしょう。そうなったら、それはそれで万歳。そうならなかったら、その時は、その問題は、これから私たちふたりともずっと付き合っていかなければならない問題がもうひとつ増えただけだと思うのは、どう?」