ifap_63_vacation
「認めたらどう? 楽しかったんでしょう?」
「分かる? ほんとたのしかった。期待はしてなかったんだけど、女の子のふりをするって、驚くほど自由な気持ちになれるもんなんだって。でも、家に帰ってこれて嬉しいよ。元の現実の生活にもどることだけど」
「またしたいと思っていない?」
「たぶん、一部はね。よく分からない。今度のことはどれをとってもリアルと感じられないので、答えるのが難しいよ。分かるよね? 何より、最後の2週間は夢のようだった。でも、もう髪の毛を切った方がよさそうだね」
「あなたの長い髪、あたし好きよ? 本当にかわいく見えると思うわ」
「でも、これだと女の子みたいに見えちゃうし」
「そんなに嫌なこと? あなた、この休暇はずっと女の子のふりをして過ごしてきたのよ? それにあなたがそれを気に入ってるのは分かってるわ。何を言いたいかっていうと、あなた、自分のことをもっとよく見てみるべきだと思うの。あたし、あなたのこと、この種のことのために生まれてきたような人だと思ったわ」
「どういう意味?」
「とても女性的な体つきをしているということ。それって悪いことじゃないわよ。だから怒らないでね。それに、あなたのアレも女の子っぽく見えるわ。ちょっと思っていることがあるんだけど、もし、家に戻った後も、これを続けるのって、そんなに変なことかなって思ってるの。あなたがあたしのボーイフレンドに戻らなかったらどうなるかしら? もしあなたがあたしのガールフレンドになってくれたら、どうなるかしら? そういうの嫌かしら?」
「そ、それが君が望んでいること?」
「あたしが望んでいることは関係ないわ。あなたが望んでいることが大切なの。あたしには見て取れる。でも、あたしに見えてることも、どうでもよいこと。あなたも認識すべきよ。その考え、真面目に考えてみるべきだわ」
「そんなことできるのか分からない。僕たちの友達はどうなる? 仕事は? それに……」
「あなたの人生なの。他の人がどう思うかを心配するのは時間の無駄だわ。ねえ、あたし、今すぐ決心してとは言ってないの。それについて考えてみてとお願いしているだけ。考えている間、家に戻った後も、練習してもいいし。普段の場所に戻った後もうまくいくか、試してみるのよ」
「そ、それは良だそうだね。これってゲームのようなものだよね?」
「そういうふうに考えたいなら、そう考えてもいいわ。これはゲーム」