51_choices
「でも、ゲイツさん。ご理解なさっていないように思うんですが……」
「何を理解していないって? 自分を見るといい。その格好で立っていながら、私に自分はシシーじゃないと、よく言えるものだ」
「だけど、これはあなたがあたしにさせたことなんですよ! あの薬を飲まなかったり、例の服を着なかったら、仕事を辞めてもらうとおっしゃってた」
「だが、仕事を辞めるか、私の指示に従うかの選択をしたのは君なんだよ。君がどう思おうが、すべて、君自身がした決断だ。私は君にどうこうしろと強制したわけではない。確かに、ある種のインセンティブを君に与えた。ちょうど私がいま提案しているようにね。だが、最終的には、これまでずっとすべて君の選択だったのだよ」
「でも、ゲイツさん、あなたは……ちょっと待って。インセンティブって、どんなインセンティブですか?」
「20パーセントの昇給はどうかな?」
「20パーセント? それは……つまり……あたしがしなければならないことはというと……」
「私が発散の必要を感じたときはいつでも、私にヤラせること。日に2回以上はあるだろう。そんなに悪い話じゃない。そうじゃないかね?」
「日に2回以上……」