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Knock, knock 


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玄関をノックする音がフェリックスの頭の中、こだました。まるで不吉な未来を知らせに来た伝令のよう。あのノックが何を意味するか彼は知っている。玄関ドアが開けば、彼の人生は永遠に変わってしまうことも知っている。

「あなた?」 彼の妻がキッチンから呼んだ。「玄関に出てくれる?」

フェリックスは乗り気がしなかった……いや、走り逃げたいと思った。どこかに隠れたいと思った。自分の世界がガラガラと崩れ落ちてくることはないと思い込みたかった。でも、この変身から逃れることはできない。これまでは、この女性化それ自体は無視できなかったものの、少なくともこの女体化がもたらす帰結は無視することができていたのだ。しかし、今や、これがもたらす帰結からは逃れられない。

何ヶ月もの間、肉体が変化している間、彼はずっと引き籠っていた。外の世界との接触がなかったので、彼は自分の以前の生活を後にすることができると思い込むことができていた。確かに、彼は急速に変身していた。普通の女性より女性的な気取ったセクシー美女に変身していた。だが、彼の以前の人生で関わった人が、誰も目にしていない以上、フェリックスは以前の友人たち、家族たち、そして、なにより、恋人たちからの判断にさらされることはなかった。

またドアをノックする音がし、フェリックスは物思いから現実に引き戻された。彼は、これ以上、ためらっていると、厳しい仕打ちにあうことになると知っている。そこで彼は、一度、深呼吸をし、鏡で自分の姿をチェックした。ピンクのかつらを整え、大きく膨らんだ乳房をめぐる金属製のベルトの位置を調節し、そして、ピンク色のパンティから縮小したペニスを引っ張り出した。

玄関へ近づきながら、「とうとう、その時が来た」と彼は思った。もう一度、深呼吸し、そして玄関を開けた。恥辱という新しい人生への玄関である。

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[2017/11/05] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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