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Memories 


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「いいから、もうちょっと互いに近づいて」とマリアが言った。「ほら、大丈夫。互いに肌が触れ合うことを怖がらないで」

あたしはどうしても微笑まずにいられなかった。すべてがマリアが計画した通りになった。あたしたちのそれぞれの夫が、元はマッチョな男だったのに、今は完全に変身に身を委ね、そこに立っている。大きな乳房をして、女性的な体の線になって、しかも驚くべきことに、完全に幸せそうにしている。まさに、何から何まで、マリアがこうなると言った通りになった。

もちろん、この過程には、大きな障害がなかったわけではなかった。ジャックもカイルも、抵抗することなくこれに屈したわけではない。そう、ふたりとも、できる限り長く男性性にしがみついていようともがいていた。だけど、最後には、ふたりとも圧倒されたのだった。施設の他の夫たち全員と同じように。

マリアが写真を撮った。

本当に目を見張る変身だった。この環境が真に並外れたものであるのと同じくらい驚きに満ちていた。この島全体が、ひとつの完全に女性支配の社会となっているなんて。ここでは男性は屈服して女性化するよう求められている。自分の目で施設を全部確かめた後ですら、あたしの夫のジャックがこんなに完璧に変わるとは(いや、変われるとは)思えない、疑ったほど。

ああ、でも、あたしはどんだけ間違っていたことか。彼は、島の住民たちから嫌な顔されたり、独断的な目で見られたり、しょっちゅう噂話をされたりすることにイライラが増してくると、あたしに、アメリカに戻れるよう、ここでの仕事を辞めてほしいと懇願した。もちろん、あたしは断った(ここなら、他のどこで働くよりも、その3倍の給与をもらえるという事実を引き合いに出して断った)。そして、最終的には、彼も譲歩をし始めたわけ。彼が最初の小さな変化(体毛を剃ること)をした時、マリアが請け合った。彼が島の他の男たちのようになるのは、時間の問題よ、と。

そして、彼女は正しかった。(会社が特許を持っているホルモン置換セラピーを規則正しく受けることも手伝って)1年もせずに、彼は完璧に変身を成し遂げたのだった。さらには、もうずいぶん前から、彼は寝室では、もっぱら「する側」ではなく「される側」になって喜んでいる(つまり、夫はあたしのストラップオンにすっかり馴染んでいるということ)。

夫を見つめながら、あたしは思った。今度あたしがアメリカに転勤することになっているけど、彼はどんな反応を示すだろうかと。

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[2017/11/06] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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