
62_fallen
タミーはびっくりしてフェラの途中で身を強張らせた。ドアの方をじっと見る。そこにはレイチェルが立っていた。邪悪そうにニヤニヤしながらタミーたちを見ていた。
「ダメ、ダメ、ダメ。やめないで。あたしのために。あなたがちゃんとしてるか確かめに来ただけだから」
タミーはためらい、動けずにいた。開けたままの口の先、1センチも離れていないところでペニスが特有の男性的な匂いを発している。自分は服をはだけ、下着をまったくつけていないことを露わにしている。豊胸した乳房を露出し、自分自身の小さくしなびたペニスも露わにしている。
レイチェルが声を荒げた。「やめるなって言ったはずよ。それとも、何? あなたは会社に背任してるって経営陣に言ってほしいの?」
タミーは心臓が喉奥から飛び出しそうに感じた。それだけはやめてほしい。そういうレッテルを張られるのだけは避けたかった。服従しないとどうなるか、タミー自身、よく知っていた。
かつて、タミーは男だった。しかも、権力を持った男だった。だが、それは、新しい規制が可決する前までのことだった。彼女がへまをする前までのことだった。
「あんた、いつも言ってたわよね。男は女より優れているって。男の方がいいんでしょ? 彼に、おちんちんがとてもいいって、感謝の気持ちを行動で示してあげなさいよ!」
タミーは、もはやためらうことはやめ、仕事を再開した。これが今の自分の人生なのだ。これが今の自分の姿なのだ。これに抗うのには意味がないのだ。