ダニーは、道沿いの小さなキャフェを目に留め、そこの駐車場に車を入れるよう私に促した。そのキャフェは以前、2人でよく立ち寄った店だった。座った席は、店のパティオと人通りの多い歩道とを仕切っている低い錬鉄製のフェンスのすぐそばのテーブルだった。ダニーは、席に座り、脚を組んだが、その身のこなしはまさに熟練した者のする身のこなしだった。ストッキング擦れあう、柔らかく、官能的にザラザラした摩擦音に私の感覚が痺れていく。まあ、彼女ったらすごいスピードで仕草を会得してきている! 私はブラッシュワイン(
参考)のカラフ(
参考)を注文した。2人で互いに見つめあいながら、腰を降ろし、雑談をしていた。ダニーは右手を私の左手の上に置いていた。私の手の甲の敏感な皮膚を紫色に彩色した爪で優しく引っ掻いている。テーブルの下では、何気なさを装って、ハイヒールのパンプスで私の脚を擦っていた。私はどうしようもなく腰をくねらせてしまっていたが、びちゃびちゃとした湿った音がしていないことにむしろ驚いていた。それほどパンティがびしょ濡れになっていたから。
ワインを飲みながらそこに座っていた1時間あまり。その間に私とダニーは、控え目なものではあれ、ちょっとした暴動を引き起こしていたと言える。視界に入るどの男性も、最初、ダニエルを目にした後、必ず、2回か3回は振り返って彼女を見ていたのだ。だが私にはそれは気にならなかった。もっと言えば、昔ダニーが私を外に連れ出したときにいつも、彼が感じていたと思われるスリル感を、ようやく理解し始めていたのだと思う。この事態にあえて直面することにしよう。男たちは犬なのだ・・・全員とは言わずとも、大半がそうなのだ。あっという間に終わる、狂ったようなセックスには男たちは適している。だが、それより真剣な係わり合いについては、お茶を飲む時間程度しか付き合うことができない生き物なのだろう。だから、男たちがあからさまに性的欲望を見せつけてきても、私はまったく怖いと思わない。それに、彼らが私の「ガールフレンド」に色目を使い、逆に私の彼女が彼らに色目を送り返すのを見るのも楽しかった。私は先週、自分が言ったことを思い返していた。つまり、家に逞しい男を2人連れてきて、並んで横になっているダニーと私の両方にセックスしてもらうこと。ひょっとしたら・・・
彼女の隣に座りながら、自分が、そのようなことに、生まれて初めて肯定的に感じている。自分のその心境の変化に、かろうじてだが警戒した、ダニエルは私の心境を見抜いたようだった。