
64_a very good thing 「とても良いこと」
「あなたの体って、まさに、こうするためにできてるのね」とレニーは自分のボーイフレンドに微笑みながら言った。「あなたも、そう思ってるんじゃない?」
チェイスはおどおどしながら、レースのランジェリの裾を握りしめた。それにより、彼の男性自身が露出した。「これがよいことか悪いことか分からないよ」 彼は普段は強圧的な言い方をしていたが、この時の声はその面影は皆無だった。
「アハハ、あなたは人生での自分の立ち位置を発見したの。だから決して悪いことじゃないわ」
「僕の立ち位置? そんな……これは一回限りのことだよ、レニー。僕は決して……」
「バカ言わないで。あなた、びっくりするほど素敵よ。あたしが思っていた通り」
「でも……」
「認めなさいよ。あなたも気に入ってるのよ。そうじゃない理由がないもの。何年もの間、あなたは他の男たちとの『比較』ばかり気にしてきた。そうじゃない?」
「僕は、べ、別に……」
「でも、今は、あなたがどれだけ小さいかとか気に病む必要はないの。どれだけ可愛いかとか、顔かたちがどれだけ女性的かとか、そういうことに悩む必要がなくなったのよ。それらは全部、良いことに変わったの」
「ぼ、僕は別に…自分では……君は僕が小さいと思っていたの? いつも、ちょうどいい大きさだって言ってくれてたけど」
「うーん……あなたの気持ちを大事に思って言ってったのよ。男の人ってそうでしょ? あそこの大きさとか、誰が男らしいかとかに囚われちゃってる。でも、今はどう? 私にはあなたは女の子の仲間になっていると見えてるわ。だから、あそこの大きさなんて、そんなことを気にしなくていいんじゃない?」
「で、でも……分からないけど……これって永久ってわけじゃないんだよね? 君がこういうのを着てみたらと言うものだから、試しただけだよ。今回限りで……後は……」
「でも、あなたのその姿を見ると、私があなたに試してほしいと言ったのは正解だったと思うわ。あなた、美しすぎる。その美しさを男性の仮面の下に隠しておくなんてできないわ。それほどきれいなのよ。セクシーだし。とても女っぽいの」
「でも……」
「大丈夫、リラックスして。そして、これを楽しむのよ。良いことなの。とても良いことなの」