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Beautiful justice 「美しい正義」 

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64_Beautiful justice 「美しい正義」

「これが? ……ウソ? ありえない」 ヘザーは、友達のメラニーに話しを求めて顔を向けた。「ウソでしょ? 本当なの?」 メラニーは頷き、ニヤニヤしながら言った。「リッキー、ほら、昔の彼女に今の自分を見せてあげなさいよ」

「でも……」

「ママに、また言うことを聞かなかったって言ってほしいなら、別にいいけど? あんたがまたあんな目に会うのを見るの、あたし、本当はイヤなのよねぇ」

リッキーの顔が青ざめた。「ダメ……」 彼はすでに自分からつるつるの脚に沿ってショートパンツを降ろし始めていた。「お、お願いだから。ママに何も言う必要ないでしょ。何でも言うことを聞くから」

彼は、それに続いてTシャツとパンティも脱ぎ捨て、素っ裸で、すべてをさらけ出しながら自分の妹とその友人の前に立った。とても18歳の青年には見えなかった。しっかりとホルモンを摂取し続けたおかげで、体はしっかり変化していた。

「カウチに上がって、いつもの姿勢になりなさい」とメラニーが言った。

彼は言い返さなかった。言っても無駄だろう。彼は言い返す代わりに、カウチに仰向けになり、脚を広げ、両膝を引き寄せた。

「見えるでしょ? 脚の間のちっちゃいの」 とメラニーが訊いた。

「ほ、ほんとにちっちゃい」 とヘザーは感嘆した。

それを聞いてメラニーは引きつった笑い声をあげた。「かろうじてちんぽと言えるかどうか? 彼、今は、大学であの娘にひどいことをしたこと後悔してるわね。絶対」

「私は何もしなかったわ! 彼女は嘘をついてるの、それに……」 とリッキーは声を上げた。

「うるさいわね!」 メラニーはそう怒鳴りつけ、その後、優しい口調になってヘザーに言った。「ひどいことに見えるのは分かるわ。それに、変態じみているのも分かる。でもね、ママはリックには特別な罰が必要だと思ったの。そして、これがママが思いついたお仕置き。あたし、これって、たぶん、パパがママを扱ったやり方と関係があるのかもって思ってるわ。分かるでしょ? パパが……姿を消す前まで、パパがママをどう扱っていたか。ママは、リックがパパと同じ道をたどるのは見たくないって言ってたわ。だから、こうすることに決めたって」

「で、でも、どうやったの? どういうふうにして……」とヘザーが訊いた。

「ホルモンよ。それも、ものすごく多量のホルモン。それに、もしリッキーが私たちが引いた線を踏み外したら、確実に牢屋送りにするって、彼は知ってるから。他の人の人生を完全にコントロールできるようになると、何でもできるって分かるわよ。驚くほど」

「こ、これっていけないことよ。悪いこと。あなたにも分かるでしょ?」とヘザーが言った。

メラニーは肩をすくめた。「それは、物の見方の問題じゃない? これまでずっと私をからかってきた性差別主義者のバカには、これが最適の懲罰だと思うわ。あなたも分かるんじゃない? あなたたちが付き合っていた頃、この男はあなたの写真をネットに出しまくっていたのよ? あなたは悪いことと思うのは分かるけど、これこそ、リッキーにふさわしいと思っているの。正義っていつも上品なものとは限らないわ」

「でも……」

「あなたにこれを見せたのは、あなたはこれを知る資格があると思ったから。あなたには、彼が適切に罰を受けているところを見る権利があると思うから。あのことが起きたとき、あなたは彼の手の甲をピシャリと叩いただけ。でも、あれじゃダメなのよ。もし、あなたがちゃんと対処できないなら、そうねえ……私のママは理解がある女性とは言えないわね。もし、誰かが密告したとママが知ったら、ママが何をするか私には想像できないわ」

「どういう意味?」 ヘザーの声は少し震えていた。

「つまり、誰かに知られたとしても、ここにいるリッキーは自分の自由意思でこれをやっているということにしろということ。自分で選んでやってると」

「もし、私が警察に直行したら?」とヘザーは訊いた。

「さっきも言ったけど、ママが何をするか想像できないわね。私はママほど創造性に富んでいないわ。まだ分からないなら言うけど、ええそうよ。これは脅かし。誰かに本当のことを告げ口してご覧。うちのママがあんたの世界をめちゃくちゃにするから」と言った後、メラニーは笑顔になった。「でも、あなたはそんなおバカなことしないわよね? 私たち友達だものね?」



[2017/12/15] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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