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Fantasies and reality 「妄想と現実」 

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64_Fantasies and reality 「妄想と現実」

私は自分の人生がこんなふうになるとは思ってもいなかった。確かに、妄想はしていた。インターネットでストーリーを読んでもいた。夜。ベッドに横になりながら、そういうストーリーを実際に実行する想像をしてもいた。でも、それは単にそれだけのものだった。つまり、単なる妄想。決して実行するつもりなどなかった。

もっと用心すべきだったのだと思う。特に職場のコンピュータについては用心すべきだった。でも、私のブラウザの閲覧履歴が勝手に他の人の手に落ちるとは思ってもいなかったのだ。本当に全然考えていなかった。そもそも、どうしてそんなことが可能だったのだろう? 私は特に目立った人間ではなかった。重要な人間でもなかった。私は社内に何十人もいる会計士のひとりにすぎなかった。私のような人間が何をしてるかなんて、誰が気に留めるだろうか?

どうして彼らにバレたのか、いまだに分からないけれど、彼らは実際に見つけてしまった。すべてを知られてしまった。ブラウザの履歴やら、オンラインで投稿した写真(ごく普通の女性服を着た私自身の写真)やら、私が書いたストーリーのいくつかまで、彼らは全部見つけてしまったのだった。彼らは、すぐに私を破滅させることはしなかった。代わりに、選択肢を出してきた。実際に妄想通りの生活をするか、それともみんなに私の本当の姿をバラすかのどちらかという選択肢。

正直言って、最初は、これは、そもそも選択肢などとは言えないと思った。正気な人間なら、後者を選ぶ人間などどこにいるだろうかと。だけど、自分の新しい状況の現実に直面したとほぼ同時に、私は自分の選択がいかに間違っていたかを悟ったのだった。

想像すること自体は面白い。だけど、実際に、他の人にこんな品性を貶める境遇になることを強要されたり、辱めを受けたり、体に突き入れられたりするのは、まったく別の話しだった。

彼らは私を人間として見ていない。彼らにとっては、私は、彼らが職場で淫らな気持ちになったときに自由に使える玩具にすぎない。命じられるまま、ウイッグをかぶり、スーツを脱ぎ捨て、中のランジェリー姿の肉体を晒す。そして、私の男らしさ(の欠如)について様々な恥辱を味わわされた後、彼らを性的に喜ばすよう強要される。

この行為について、少しでも私に選択する余地があったら、多少は楽しいかもしれない。だけど、現状では、大半が楽しくもなんともないと自信を持って言える。多分、古くからの格言が正しいということだろう。つまり、何かを願うときには注意しないと、本当に実現してしまうよ、ということなのだ。



[2017/12/18] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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