
56_A series of choices 「一連の選択」
「アハハ、面白いジョークだね」
「ジョークじゃないわ、ジェイコブ。あたしはマジで言ってるの。それをやるか、さもなければ、あんたが知ってる人みんながあの写真を見ることになるか。そのどっちかね」
「でも……」
「学校もね。あんたが教授のひとりと何をしたかを大学側が知ったら、大学は何て言うと思う? あの教授は確実に解雇されるでしょうね。でも、あんたはどうなるかな?」
「あれはボクが望んだことじゃないよ、テス! 君がボクにさせたことじゃないか!」
「あら? ちょっと、いい? あたしがあんたに何かさせたことなんかないわよ。あんた、知ってるわよね?」
「本当に? マジで? 自分で言ってておかしいと思わないの? ボクはこんなことを続けてしまって……。君はボクの人生をめちゃくちゃにしたんだよ」
「ふーん、そういうふうに思ってるんだ?」
「そういうふうに思っているよ」
「じゃあ、いいわ。でも、こうなる決まっていたと思うのよ。あんたは、いつでもやめたいときにやめることができたはず。でも、あんたはいつも楽な逃げ道の方を選び続けた。全部、あんたが自分で選択したことじゃない? ホルモンも、ちょっとしたネット・チャットの見世物も、あの男たちも、ラモス教授も。全部、あんたが選んだこと」
「君が仕向けたことじゃないか! いったん、ボクに君のパンティを履かせて、それをビデオに撮った後は、もう……何から何までエスカレートしてって、手に負えなくなってしまった。君がいつも、次から次へと過激なことをボクにさせ続けてきたんだよ。こんなこと、親に知られるわけにいかないよ。それは君も知っているよね? 親が知ったら、どんな反応するか、君も知ってるはず。それに……」
「そんなの、あんたの問題でしょ。でも、選択権はあんたにあったの。そしてあんたが選択した。毎回、いつも。そして、今も、また新しい選択肢が出てきたってだけじゃない? 今回はどうするつもり? その大きなディルドをお尻に入れて、あんたのファンにサービスする? それとも、あんたが知ってる人みんなに知られてるって状況に慣れるほうがまし? あんたが……」
「いいよ、分かったよ! やるよ。それでいいんだろ? でも、これが最後だって約束してよ」
「約束はできないわね。知っての通り」
「でも……」
「カメラが回ってるわよ。3…2… ちゃんと笑って……1…スタート!」