
56_Breaking point 「限界点」
誰にでも限界点がある。そこを超えたら後戻りができなくなる点を表す一線。その点に達したら、その一線を越えたら、あなたの反応が、いとも容易く過剰なレベルへと突入してしまうこと。あたしの場合が、それに当てはまる。
ともかく、あたしは怒っていた。いじめに怒っていた。子供時代のすべてを、いじめられてすごした。最初は、太っていることでいじめられ、その後は、レズビアンであることでいじめられた。「デブのレズ(
参考)」と呼ばれてさげすまれた回数は数えきれない。だから、あの男がその言葉を吐いたとき、あたしは自分を抑えられなかった。もう、うんざりだったあたしは、それ相応の行動をとった。
彼に襲い掛かって、殴って言うことを聞かせてもよかったけれど、それではあまりに安易すぎる。そんなにデカい男でも何でもなかったので、やろうと思えば簡単だった。でも、暴力事件を起こして、その後、避けられない法的トラブルに巻き込まれるほどあたしはバカではない。その代わり、彼に償いをさせる計画を練った。
あいつを誘拐した時、2時間くらいしたら解放するつもりだった。本気でそう思っていた。あの男を怖がらせる。それだけを望んでいた。その気持ち、わかってもらえると思う。だけど、パワーがあるというのは、とても、中毒性があることだ。あいつは懇願した。お願いですと泣いて懇願していた。あいつは、痛めつけることさえやめてくれたら、あたしが言う何でもやりますと誓った。そういうわけで、あたしはその取引に応じたのだった。
最初、何をしたらよいか分からなかった。捕らえたはいいけれど、どう使ってよいか分からないという状況、分かってもらえると思う。あいつは、本当は欲しくなかったペットのようなものだった。そんな時、ふと思いついたのだった。あたしは、あいつを好きなようにできるのだ。あいつをどんな人間であれ、あたしが好きな人間に変えることもできるのだと。2日ほど調査をして、あたしは彼を女性化する計画を立てたのだった。
後で分かったことだが、彼は、まるでそのために生まれてきたかのように、女性化にすっかりハマった。良心の呵責なしにこんなことを成し遂げられて、本当に驚きだった。食事を制限し、飢えた状態にとどめることにより、彼から男性的な筋肉を奪い取った。ホルモン治療により、女性的な体の曲線を与えた。そして1年後、未許可の整形病院に連れて行き、手術を受けさせ、仕上げを行った。
だが、こうやって女性化した性奴隷を手にしてしまうと、あたしは飽き始めたのだった。こいつは、あまりにも従順でつまらないのである。何かにつけてあたしを喜ばそうと必死に縋り付いてくる。あたしは、挑戦しがいのある新しい対象を切望するようになった。あたしは自分専用のハーレムを作り、それを広げていくのだ。そこに新たに加える対象が必要なのである。