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写真家 (4) 

ボブがワインのコルクを抜いて、3つのグラスに注いだ。クリスタルは、たったふた口でグラスを飲み干す。その点、僕も負けていなかった。クリスタルはキッチン・テーブルのところに座っていたので、僕は小さな一眼レフを取り出して、2枚ほど写真を撮った。

フラッシュ

フラッシュ

「どう? 簡単だろ?」

さらにもう2枚ほどスナップ写真を撮る。部屋の中は落ち着いた雰囲気になっていたので、フラッシュをたくと、その雰囲気が乱れてしまうのだが、その点を除けば、なかなか良い雰囲気で飲んだり、おしゃべりをしたりしていた。このように何枚か最初に撮ったわけだけど、これがモノになるとは思っていない。ただ、2人に、カメラが狙っていて、撮影が進んでいるということに慣れてもらうために撮った写真だ。実際、その用が済めば、その時の小さなカメラはめったに使わなくなる。

ワインを飲み始めて大体20分ぐらい経った。そろそろ撮影開始の時間だ。ボブが、クリスタルに、もっとセクシーな服に着替えてくるように言った。クリスタルは小さなバッグを取り、隣の部屋に入っていった。ボブが、部屋の曲がり角のところから声を掛けた。

「クリスタル? 僕の好きな青いトップを着てくれ。マイクも気に入ると思うんだ」

しばらくしてクリスタルが戻ってきた。胸元が深く切れ込んでる青いタンクトップとベージュ色のミニスカート。

トップのタンクトップは、両肩に掛かって下がってるのだが、脇のところが深く切れ込んでる。裾は、お腹のところで横まっすぐ。胸のふくらみがはっきり見える。だが、その見栄えは、淫らって感じじゃなくて、セクシーって感じ。胸の前に服の布地が垂れ幕のように掛かっているといった印象で、裾のところにちょっとだけ白いレースのフリルがついている。

下のスカートの方は、伸縮性の生地ではなかった。だから、ちょっとしたフリルによる重さが加わって、布地が重力によって垂れ下がっているという感じ。マイク君は気に入ったよ。すごく。それは僕も同じ。スカート丈は短い。こんなにミニのスカートをはいている女の人は今はいないな。少なくともここ20年ほど、お目にかかったことがない。もっと言えば、こういうスカートを見たのは70年代が最後だったかも。ゴージャスな脚は生脚。顔を覗かせているお腹も生肌。

「事実上、裸になってるって感じだわ」 クリスタルがワイングラスに手を伸ばしながら言った。

「冗談でしょう。完璧に隠れているよ。事実上」 とボブ。

「ああ、事実上。脚と胸とおへそを除いてはね」 と僕。ちょっと間を置いて、「・・・いや、ただの冗談」

クリスタルはくすくす笑った。とは言え、彼女がリラックスしてないのは見て取れた。特に、両膝をピッタリあわせて、背筋をまっすぐに座っている姿勢から、明らかだった。

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