56_That kind of guy 「あの手の男」
「ライリー? ライリー・ピット? 本当にお前なのか?」
「あら、グレッグ。何してるの?」
「何してるのって? お前マジか? 自分を見てみろよ! なんて服着てるんだよ? それに、おい……脚、閉じろよ!」
「え、なんで? 居心地悪くなる? ひょっとして、ムラムラしてきてんの?」
「ムラムラだって? 違うよ……俺はただ……」
「落ち着いてよ。ちょっとからかってるだけだからさ。あんたはあたしのタイプじゃないわ」
「ということは、お前……ゲイになったのか?」
「バカ言わないで、ゲイなんかじゃないわよ。なに気にしてるの?」
「何も気にしてねえよ! ただ……分かるだろ? お前の服装、まるで……女だぜ。それに……」
「ガールフレンドがこういう服装が好きだから着てるのよ。あんたも、もうちょっとファッショナブルな服装したら、女の子みたいになれるわよ」
「で、でも、それって…それってお前の着る服じゃねえよ。お前が最後にジムに行ったのはいつだ? それに、お前のソレ……」
「第一に、あたしのアレをじろじろ見るのやめてくれない、グレッグ? 確かに小さいけど、トレーシーはこういうのが好きなの。それに、コレはあたしたちのセックスではあんまり重要な部分じゃなくなっているしね。それにジムなら昨日行ったわよ。ご注意、ありがとう」
「でもよ、お前の筋肉は……お前、前は俺よりずっとデカかったじゃねえか。それに、その『重要な部分』ってどういうことよ?」
「もう、何よ、これ? ぶしつけ質問10連発? 何もかも言ってほしいってわけ? いいわよ。トレーシーはあたしとする時、ストラップオンをつけるの。彼女の大きくて黒いストラップオンのおかげで、ふたりともすごく楽しんでるわ。それに筋肉なんて、誰も見たくないから、必要ないのよ」
「でも……」
「マジで言うけど、いい加減、黙ってよ。大したことじゃないんだからさ」
「で、でも…」
「あ、トレーシーが来たわ。ごめんなさいね、もう行くわ。あんたと会えて楽しかったわ。まあ、本当に楽しかったかは別だけど。ぎこちないってのが適切な言葉よね。多分、次に会ったときは一緒にショッピングか何かに行きましょう……」
「俺は……」
「じゃあね!」