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Plea 「お願い」 

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65_Plea 「懇願」

あなたがどうしてイヤだと思ってるのか分からない。こんなに長い間、あなたがいろんなことをするのを見てきたから、あたしには本当のことが分かっている。あなたがどういう人か分かっている。たとえ、自分では認めたくないにしても、あなたにも自分のことが分かっているはず。

ここまでに至るひとつひとつのステップで、あなたはあたしに歯向かってきた。あたしがあなたの言うことを信じたと思っていたの? あなたがインターネットの履歴は、ただの実験だったと、好奇心からだったと言ったとき、本当にあたしがあなたを信じたと思ったの? そんなはずはないはず。だって、あの嘘は見え透いていたもの。決めつけないでくれ、これは本当の自分じゃないと分かってくれと懇願してたけど、その時のあなたの表情からちゃんと分かっていたわ。あたしには分かっていたし、あなたを手伝ってあげたいと思ったの。

だから、あなたは、時々、抵抗を繰り返してたけれど、あたしは、そのたびに、あなたが欲してた言い訳を用意してあげた。ハロウィーンが、あなたが完全に自由に夢を展開させることができた初めての時だった。あのミニスカを履いて、あのお化粧をして、あのハイヒールを履いたあなた。あれは魔法を見てる思いだったわ。それに、あなたがあたしが見ていないと思った時に見せてた、あのあなたの表情。あの表情は本当に素敵だった。あたしは間違っていないと、微塵も疑念なく思えるために必要としていた証拠はあれで十分だった。

細かすぎることを言ってると言えればいいんだけど、あなたの場合、実際は、そんな細かいところに注意する必要もなかった。ほんのかすかな、つまらない言い訳を用意してあげれば、あなたを調子に乗らせるのに十分だった。あなたが女性としての別人格ですごす時間が増えれば増えるほど、あたしは、単なるフェチの結果と言えることは何もなかったと悟るようになった。これこそがあなたの本当の姿。あなたが本当になりたいのはこの姿と。

でもあなたはとても恐れていた。あなたが友達に言い訳を言うのを何回も聞いた。本当の理由を言わずに、なぜ変わったのかを説明しようとしてるところを何回も聞いた。お友達は誰も信じてなかった。あたしにはそれが分かっていたけど、あなたはその言い訳にしがみついていた。まるで、この言い訳にしがみついていないと溺れてしまうと言わんばかりに。

時々、あなたに叫びたくなる。あなたが心の奥で望んでいることを実現しても、誰もあなたを以前より軽く見たりしないんだと。あたしはそんなことをしないのだけは、確か。ひょっとすると、あなたが女性化した未来では、あたしはあなたの世界にはいられないかもしれない。何より、あなたが男の人たちを見るときの目つきを見てるから。自分が愛した人が、もしかすると、以前のようには自分のことについて感じてくれなくなるかもしれない。それを思うと悲しくなる。あなたが思う以上に、その悲しみは大きいと思う。でも、あたしはあなたに幸せになってほしいの。本当に、そうなってほしいと死ぬほど思っているの。

だからお願い。あたしのために、あなた自身のために、それにあなたを愛するすべての人たちのために、誤魔化すのをやめて。あなたがどんな人になりたいか、みんな知っている。あなたは、そういう自分がなりたいと思っている人になって、お願い。


[2018/02/15] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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