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66_A gift from a friend 「友人からの贈り物」
「お、おい、なんでお前のウチのバルコニーに裸の女がいるんだよ?」
「彼のことか? だったら気にすんな。ただの俺の飼ってるヤリマンだから」
「ああ。つまり、その……なるほど。でも、あの男の肩を持つつもりはないけど、あいつらを男性の代名詞で呼ぶべきじゃねえんじゃないか。彼女が動物のように四つん這いになって全裸でいる事実を脇においても、あいつらは性別を間違って認定されるのは好まないんじゃないかと思うぜ。別に俺は政治的正しさを訴えようとしてるわけじゃないんだが、でも……おい、ちょっと待てよ、なに笑ってるんだよ?」
「あ、いや、別に。ただ、お前がこの状況を完全に読み間違えてるんで笑ってしまったんだよ。いいか、あいつは女じゃない」
「それは分かってるよ。生物的には違う」
「いや、まだ誤解してる。彼はトランスジェンダーでもないんだ」
「でも……つまり……何言ってるのか分からないよ」
「明らかに、な。お前、彼が誰か分かっていないだろ? 違うか?」
「俺が知ってるやつなのか?」
「ブロック・ケネディという名前を聞いたらどうだ?」
「何だって? 高校の時、俺たちをイジメてた、あのブロックか? なんで、こんなふうに…ああ、なんて……ああ……」
「分かったようだな。ようやく、つながりが見えたようだな」
「待ってくれ。俺は……こんなのって……でも、どうやって?……どうやってこんな? 彼はどう見ても……あまりにも……」
「オンナだろ。そうだよ。そこが重要な点だ。念のために言っとくが、あいつもこんなふうに変えられてしまって、嫌悪してるんだぜ。だが、あいつは、どう足掻いても変えられないと分かってる。ようやく、今の事実を受け入れたようなんだな、これが」
「でも、どうやって? どうやってこんなふうに? 俺が覚えてるブロックは、お前がチラッとあいつを見ただけで、こっち見るなって言って、お前をしこたま殴ってたじゃないか。それが、どうやって、こんな?」
「綺麗だろ? で、どうやってについてだが、実際、ちょろいと言っていいんだ。ブロックは法律違反関係でちょっとトラブルを抱えていて、長期間、牢屋暮らしになる判決が下されそうになっていた。で、俺のところにあいつの事件が回ってきた時、俺はあいつに裏取引を持ち掛けたってわけだ。俺の命令通りにするなら、この事件は却下してやるとな。もちろん、あいつは俺を相手にした方が簡単だと思い、俺の条件を受け入れた。だが、あいつは考えてなかったんだよ。俺があいつに電気ショックの首輪をつけることとか、あいつの元の仲間たちが、あいつがお咎めなしで釈放されたので、あいつが寝返ったと思ったこととかをな。結局、あいつはここから外に出られなくなってしまったわけだ。今は、あいつもそれを分かっている。あいつを崩壊させるのに、半年しかかからなかったよ」
「で、でも……でもそれは……」
「分かってるよ。ひどい話だって、そう言いたいんだろ? でも、きっぱり言えるぜ。俺は、微塵も、後悔していないって。ちょっとでも、あいつについて可哀想だなと思ったら、いつでも、俺は高校時代にあいつが俺たちにどんなことをしたかを思い出すことにしてる。あの頃のことを思い出せば、元の決心を取り戻すのはあっという間だ。だが、最近、こいつは毎日のルーティンに慣れっこになってきてるようなんだ。ちょっと変化をつけて、あいつを慌てさせる必要がある。そんなわけでお前にここに来てもらったわけなんだ。2ヶ月ほど、あいつを預かる気はないか?」
「あいつを預かる? 預かって何をする?」
「何でも好きなことをしていいさ。好き放題に犯してもいいし、メイドにしてもいいし、毎日、輪姦パーティを設定してもいい。俺は、あいつをビーチに連れて行って、遊びに来てる学生たちをからかうのを見るのが好きだな。いったん海に入らせる。だが海から出てくると、いつも水着のトップが脱げてるわけだ。その後どうなるかは想像に任せるよ。ともかく、お前があいつをどう使うかは、完全に、お前に任せる。どうだ? この種の責任を担ってみる気はないか?」
「俺が何て言うか知ってるだろ? いいとも、しっかり責任を取ってやろうじゃないの」