
66_Warnings and consequences 「警告と結果」
ご主人様が、禿げあがった見知らぬ男の隣に座り、あたしに呼びかけた。「奴隷よ、お前がいかに特別か、ここにいる私の友人に見せてあげなさい」
あたしは、ためらうことが許されないことを知っている。すでに何度も、そういうことをするとどんな結果になるか、身に染みて理解していた。あの辛さを再び味わうつもりはない。あたしは命令に従い、小さなエプロンの裾をめくりあげ、あたしが所有していた男らしさの最後のひとかけらを、ふたりの男性に見せた。
「素晴らしい」と禿げ頭の男性が言った。「どうしたら、これほど小さくできるのか」
ご主人様は声を立てて笑い、カウチに背中を預けた。「信じてもらえるか分からないが、そもそも最初から大して大きくなかったのだよ。その後の仕事は、ホルモンがしてくれたようなものだ」
禿げ頭の男も声をたてて笑った。「彼にとってはこうなった方が良かったのじゃないかな。みっともないのを脚の間にぶら下げていては、男のふりをして生きていくのも大変だったろう」
ご主人様は頷いた。「彼はいまだ抵抗してるところがあってね。諦めさせるのに、ほぼ1年もかかってっしまった」
「で、彼はいったい誰なのかね?」
「そうそう、そこが一番良いところなんだ。ジョージ・ケンドリックスという名前を知ってるかな?」
「検事の?」
ご主人様は再び頷いた。「ああ。そして、ここにいるのは彼の息子なのだよ」
「本当かね。これはすごい。ジョージはどうなった?」
「中東の石油王のもとに売り飛ばしたよ。最後に訊いた話では、ジョージは去勢され、奴隷になったらしい。彼の妻と娘は石油王のハーレムに入っている。もうひとりの息子はメキシコの売春宿で体を売っている。大変、人気があると聞いている。だが、こいつは……こいつは、私のためにとっておいたのさ」
「あなたを怒らせてはいけないな」
「ジョージの一家に何が起きたか。それを忘れない限り、誰も、そんなことはしないだろう。そこが重要な点なのだよ」