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1999年に「シーズ・オール・ザット」(
参考)という映画が公開された。その映画では、人気者の男子高校生が「冴えない」女子生徒をプロムの女王様に変えるという任務を受けるのだった。たいていの人が知らないことだが、これは実話に基づいている。
しかし、たいていのハリウッド映画では、実話に基づいているということは、実際の事実から大まかなアイデアだけ拝借して作った映画だということを意味している。しかし、この映画の場合、プロデューサーは物語を完全に真逆の方向でとらえた。
確かに、基本的な流れは同じである。つまり、冴えない人物を取り上げて、プロムの女王へと変身させるという流れである。。だが、ひとつ重要な違いがあった。問題の冴えない人物とは、本当は、男の子だったのである。
最初から最後までジョークのつもりで起きた出来事だった。男の子がプロムの女王? 本当に? だが、問題の男子生徒は典型的な男子ではなかった。彼が持つ、男性としては情けない特徴(小さな体格、なよなよした性格、女性的な振る舞い)が、彼を完璧な候補者にしたのだった。
そもそも、彼はゲイだったのか? そうかもしれない。しかし、もっと可能性が高いのは、彼は単に他人に受け入れられることを切望していたということなのだろう。彼は「その他大勢」の存在であることを求められ、その存在に甘んじていた。彼は、他人に気に入られようと、あこがれの人が言うとおりのことを何でもした。そしていつの間にか、彼は女性的な美しさを絵にかいたような存在になっていた……そして彼も恋に落ちたと。
映画のように、良いことも悪いこともあったのか? そうかもしれない。だが、そういう出来事は重要ではない。重要なのは、ふたりは、その後、幸せな人生を送ったということ。
映画についての皆さんの感動を台無しにするつもりはないし、実名を挙げるつもりもないけれど、写真を一枚お見せしよう。見て分かるように、ふたりは幸せなカップルで、キッチンで愛し合っている(ふたりはちょっと露出趣味があるが)。ふたりは幸せそうに見えるでしょう?