
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チャドは寮の自室の中、立ったまま物思いにふけっていた。
自分はシシーなのか? 違う、もちろん、違う。ボクは女が好きだ。じゃあ、どうしてパンティを履くのが好きなんだ? 履き心地が良いから。そうだよ。快適だから履いてるんだ。これが普通可愛いデザインなのは嬉しい偶然にすぎない。それに、ソングを履くとお尻が素敵に見えることも偶然だ。これを履いてるからと言ってボクがシシーだとはならない。ただ、ボクは現実的なだけだ。
体の毛を剃ってるのは? 高校の時、水泳をしてた時から、毛を剃るのが普通になっていただけだ。今は毛を剃らない方が変に感じてるだけ。それに剃った方が見た目もいいから。体毛を剃ってる男はたくさんいる。毛を剃ってるからと言ってボクがシシーだとはならない。
それに、お腹が見えるシャツを着るのが好きだからと言って、誰が気にするんだろう? 自分の体を自慢に思ってる。それを見せびらかせてどこが悪いんだ? それにお化粧も……ああ、お化粧をすると自分のいいところがはっきり見せられる。自分のいいところを見えたいと思うからと言って、それでボクがシシーだということにはならない。
チャドは頭を振り、物思いを振り払った。そして、試合に出るだろうセクシーな男たちのことを思った。
まあ、多分、彼はシシーなのだろう。単に、彼自身がそれを認めることができないだけなのだろう。